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事前カウンセリング 細かなプレゼンシートに繋げる【Daiyu 取締役/CMO 水間恵子氏】

事前カウンセリング 細かなプレゼンシートに繋げる【Daiyu 取締役/CMO 水間恵子氏】

 鎌倉で50名400万円という高単価を維持しながら、列席ゲスト・紹介によるリピーターが全体の20%以上で施行数も年200組前後を誇る萬屋本店。同会場を運営するDaiyu(神奈川県鎌倉市)の取締役で、昨年11月までGMを務めてきた水間恵子氏のインタビューの第2回は、満足度の高い結婚式はどのようにして作られているのか。オリエンテーション、カウンセリング、プレゼンによって深く密度の濃い関係性を構築している。(中編)

自己投影しやすいワーク

(5/1号から続く)

――【お客様本位】のためには、2 人の想いの深掘りも大切です。どのようなプロセスで掘り下げていくのでしょうか。

水間「1 回目の打合せでカウンセリングを行い、2 回目に結婚式のテーマについてプレゼンをしていきます。ここで言うテーマとは、業界で一般的な結婚式の世界観を作っていくものとは異なり、気持ちの部分でどういう1 日にするのかということが中心。これからの2 人の人生において必要なこと・ものは何か、それを表現するために衣裳、花はこうすべきといった内容を決めていきます。社内でテーマ会議も実施して細かく書き込んだプレゼンシートを作り、2 人に提案。新郎新婦の中には、想定していた以上にプランナーが自分たちのことに時間をかけ考えてくれたと感動して涙する人もいます。だからこそ、シートに基づき結婚式に向かっていく過程で、単価も上昇していくわけです。」

――カウンセリング前には、合同のオリエンテーションも実施しています。

水間「打合せ自体は、カウンセリングも含めて合計で4 回。それ以前に、成約後の合同オリエンテーションを設けています。オリエンテーションでは、今後の結婚式準備の進め方を説明するほか、2 人のイメージしている世界観・好みなどを、こちらで用意している画像を印刷した紙を切り貼りして表現してもらうワークを実施。まずは2人の憧れや方向性を自分たちで作ってもらう。そのときに使っている画像素材は、全て当社の先輩カップルの花、衣裳などの写真を使っていて、その時点から自己投影ができ、『私もこれをやりたい』と感じやすいものです。2 週間程度で結果を提出してもらい、それを確認した上で担当プランナーを決定します。そこからプロが介在してのカウンセリング、プランニング、プレゼンと進んでいきます。」

――新郎新婦の嗜好を把握した上で担当プランナーを決めるため、打合せの満足度に繋がるかと思います。

水間「オリエンテーションのワークで把握した2 人の憧れる世界観に合わせて、そうしたスタイリングが得意なプランナーをアサインすれば、ミスマッチを防げるのも事実です。判断基準としては、例えば家族関係に多少課題のある場合にはベテランをアサインするなど、新規からオリエンテーションまでの様子や取り組み方、さらに2 人の抱えている事情も踏まえて最終的に決定します。担当が決まってからヒアリングを始めるより、新郎新婦のタイプを把握したアサインは大切なことです。」

――初回打合せのプレゼンシートの段階でアイテムの受注につながるほか、仮に保留であっても見積もりには反映させているそうですね。

水間「新郎新婦にとっては、最終予算の全体像が見えないと判断は難しいため、概算であってもその都度全てを見積もりに入れて提示します。例えば衣裳に関して、白無垢とウエディングドレスは決めているけれど、色打掛を迷っている場合、それも見積もりに入れます。この金額になるという全体像を2 人が知っていれば、その後の衣装合わせで、この予算なら大丈夫だから色打掛を着ようといった意思決定にもつながります。」

――プランナーの打合せ力は、かなり重要なポイントになっています。

水間「本当にそこが当社の要になっていて、例えば大手式場で月20件以上担当していた経験者が転職してきても、当社で担当を持てるようになるまで1 年かかっています。やっていることが全く違いますし、私自身も入社して最初にぶつかった壁でした。前職では新郎新婦のやりたいことを聞いて、それに基づきプランニングし販売するという一般的な進め方をしていました。そのやり方では会場に合わせることばかりを考え、毎回同じようなプランニングになっていきます。ところがその経験に基づき当社で結婚式をプランニングしたところ、スタッフからは大ブーイング(苦笑)。私の結婚式はつまらないと言われ、だから手伝いに入りたくないと。パートナーからも、『やっつけだ』など、かなり厳しい反応でした。実際に上司と私の担当の時では、周りのテンションは明らかに違いました。私は前職で600件ほど結婚式を担当していたのに対し、上司はその当時で30件程度。それなのにカウンセリングもせず今まで通りの結婚式をプランニングする私は深みがないと言われ、スタッフの気持ちも乗ってきませんでした。もともと私自身は、Daiyuの提供している深みのある結婚式に魅力を感じて転職したため、上司にお願いをしてカウンセリングのやり方から教わりました。」

 

HowではなくWhyを追求

 

水間「カウンセリングで人生背景をしっかり聞いて、これからどう生きていきたいのかというところから結婚式のテーマを決め、内容をプランニングしていく。通常は見た目やアイテム中心であり、既存の商品を提案しさえすれば形は成立しますが、Daiyuの結婚式は2 人がこう生きていきたいと願っているから、そのために結婚式で何をするべきかという命題を常に考えなければなりません。新郎新婦の中には人生の悩みを抱えているケースもあり、その中から生まれたのが挙式前の挨拶の儀であり、どうすれば両家のコミュニケーションは深まるかと考えて生まれたのがゲスト紹介。今では定番の演出も、もともとは2 人の課題や悩みから生まれたものであり、つまりプランニングの前提自体大きく違うと思っています。なぜ結婚式をするのか、なぜこの内容を行うのかという問いを、カウンセリングに基づいて2 人の人生から紐解いていく必要があり、それを説明できないとプランニングは成立しない。『どう華やかにするか、どう自分たちらしくするか』というHowではなく、当社はWhyから入りその結婚式の意義や目的に沿ってプランニングを進めていきます。そこから外れる希望に対しては、プランナーから『それは2 人が本当にやりたいことですか』と問いかけます。例えばフラッシュモブをやりたいと言ってきた場合でも、本当にそれは2 人の結婚式の目的に合っているのかを問い直し、場合によっては『そうではないと思う』と伝えます。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月11日号)