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キーマンに聞く

GWAに挑戦し外の世界を見る【リクルート リクルートブライダル総研 研究員 熊谷拓也氏・フリーウエディングプランナー 仁藤なお子氏・ディアーズ・ブレイン KOTOWA 鎌倉 鶴ヶ岡会館 エグゼクティブウエディング プロデューサー兼司会 井上志織氏・WEDDING LAPPLE ウェディングプロデューサー 東 佐江子氏】
リクルート(東京都千代田区)の主催する、プランナーを対象とした『いい結婚式』のコンテスト【GOODWEDDING AWARD(以下GWA)】。今年も8月4日に開催予定で、プランナーの持つ可能性を感じられると同時に、業界を盛り上げる機会の1つとなっている。今号は歴代の優勝者・仁藤なお子氏、井上志織氏、東佐江子氏と、リクルートブライダル総研・熊谷拓也氏の4人で、GWAに出場する意義、プランナーの介在価値などを語り合った。
介在することを評価
――改めて、『GWA』とはどういったものでしょうか。
熊谷「『いい結婚式のプランニングコンテスト』として、2011年から開催。過去1 年間の担当施行を対象とし、いかにしてプランナーがカップルに向き合い、介在価値を発揮したのか、また結婚式に向ける“眼差し”にもフォーカスし、評価するアワードです。近年の特徴としては、これまで応募のなかった企業・施設からのエントリーもあるなど、“領土”の広がりを感じています。ウエディングの祭典としても位置付けていて、今年は8 月4 日に開催が決定しています。」
――GWAエントリーのキッカケは。
仁藤「私の場合、会社に『出なさい』と言われたから(笑)。ホテルを経てゲストハウスに転職し、その頃ちょうど『ここからはプランニングがモノ言う時代』だったこともあり、初回は言われるがままエントリーした一方、それ以降は自発的に応募するようになりました。というのも、当時の私は新郎新婦のやりたいことを叶えるのがプランナーの醍醐味だと思っていたものの、いざ出てみたところ、社外の先輩プランナーたちは潜在ニーズの引き出し方、2 人の人生を紐解くこと、挙げるべき結婚式を導き出す重要性などをプレゼンで述べていた。ハンマーで頭を殴られたような衝撃と同時に、今の自分は登壇者に全く敵わないと感じたほどでした。プランニングは一定できていると自負していましたが、自分の未熟さを気付く機会になり、もう1 度しっかり学び直そうと思えたのはGWAのおかげですね。私のように会社から薦められて応募する人も多いと思いますし、通常業務と並行しエントリーシートを提出する忙しさも分かりますが、外の世界を知るチャンスでもありますから、『絶対に挑戦するべき』と心の底から伝えたいです。」
井上「私自身初めてエントリーしたのは2011年の初回。社内のアワードを受賞し、そのままエントリーシート提出という流れでした。その後GWAには挑戦せず、社内でスキルを伸ばしていく期間に突入。しばらくして先輩から、『外の世界も見てきてほしい』と言われ、再度エントリーし始めました。GWAに挑戦することは、自分と対話する機会でもあり大きな刺激。業界の人たちに向けて、『私の想いはこう』と伝えられるプレゼンの場は、ある意味“ご褒美”とも捉えています。キャリアが長くなると社内では自身が先輩、教える立場になり、目標を見失ってしまうこともあるかと。GWAに出て他社の人たちと繋がれることは、企業の枠を超えた仲間かつ戦友、そして尊敬できる人に出会える機会と強く感じています。また、いいプランニングは当然な一方で、それをきちんと伝えられなければ人の心は動かせないという、発信力の重要性を知れたことも、GWAに挑戦したからこその大きな成果。『プランニングにプラスして伝える力を磨きたい』と思うようになり、プロデュース業務と並行して司会にもチャレンジするという、自身のスタイルの確立にも繋がっていったように感じます。」
東「もともと私はゲストハウス出身で、その当時もGWAには出場。新郎新婦のためにいい結婚式を創ってはいたものの、当時の自分の中に信念を持てていたかと問われると、そこは何とも言えないのも事実でした。プロデュース会社として“自分を売っていく”ことも重要になった今、昨年の優勝という結果を改めて考えると、『自分の中でちゃんと言葉を磨けるようになったんだ』と実感できましたね。とはいえあの場所に立ち、業界内外の皆さんに向けて発信していくのは、正直勇気も要りました。後日のアーカイブ配信もありますが、オンラインでもいいので、ぜひリアルタイムで発表を見てもらいたい。あの空気感と緊張感は、登壇者全員が乗り越えてきたものですから、その熱量を感じてもらいたいなと思います。」
結婚式は1つの通過点
――プランニングをするうえで、大切にしていることは。
仁藤「GWAに出る前後で比較すると、そもそものゴールは何かという点に変化がありました。以前はいい結婚式を最終目標としていて、それはもちろん間違いではない。ただ、結婚式は人生における1 つの“通過点”であって、現在は『結婚式を挙げたからこそ人生が豊かになった』と思ってもらえるかを重視するようになりました。夫婦で年を重ねていった際、結婚式の1 日をどう振り返れるのか。言い換えれば、プランナーは結婚式だけでなく、2 人の長い人生まで介在できる可能性を秘めているわけです。例えば、誓いの言葉は美しいフレーズではなくても、2 人が人生をかけて大切にできる言葉を紡ぎ、組み込めるかなど。そういった一つひとつの提案こそ“深み”を生み、人生の豊かさに繋がってくると思っています。」井上「私自身は、特にコロナ禍で気持ちの変化が大きかったですね。自分のこと以上に目の前のカップルを大切にしてきたプランナーをたくさん見てきたからこそ、この仕事を絶対に失くしてはいけないと強く感じるようになりました。そのためには、結婚式の参列時、列席者に価値を感じてもらうことが結局1 番の近道だと思っています。2 人の気持ちを言語化し、直接伝えるのはもちろん、司会者を通じてでもいい。『言葉』にして想いを届けることを、プランニングの軸の1つにしています。」
――東さんは昨年のGWA登壇時、『心支度』という言葉をプレゼンに盛り込んでいました。東「新郎新婦はもちろん、ゲストがどういった気持ちで結婚式を迎えられるかも重視しています。例えば招待状。紙でもWebでも、『なぜあなたに来てほしいか』の新郎新婦の想いを一言添えることで、ゲストの気持ちも変わってくるはずです。打合せ期間で2 人に寄り添うのはもちろんのこと、最終的に結婚式当日に2 人の想いを体現できているか、そしてきちんとゲストに届けられているか。結局はここに答えが詰まっていると思います。私自身大事にしているのは、心が動く体感を通じて、『この人生でよかった』と思える機会を創ること。結婚式の1 日をプロデュースするというよりも、『この人生でよかった』と思える機会が、結婚式の日であるとのイメージですね。大切なゲストに祝ってもらえたことを、新郎新婦には大きな力を持って体感してほしいですし、そうすることで新郎新婦は、『夫婦として一生懸命やっていこう』と思ってくれるはずです。『これから一緒に生きていく』という力強い想いを、私たち事業者側がどうカタチにできるのかは、私もまだまだ磨いていきたいですし、業界全体で高めるべきスキルだと感じます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月21日号)

