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キーマンに聞く

~働き方改革~働く意欲を高める人事評価(あしたのチーム 代表取締役社長 髙橋恭介氏)
自ら会社に貢献しようという社員がどれだけいるか。エンゲージメントが注目される中、評価制度によってそれを高めているのがあしたのチーム(東京都中央区)だ。絶対評価を導入し、成果の数値だけではなくプロセスを目標にした仕組みを提供。目標を個別で設定することにより、その結果として生産性を向上させている。リーマンショックの10日後に創業し、現在は全国2500社以上に導入されているサービスを構築したのが髙橋恭介社長だ。プリモ・ジャパンの元副社長の経験から、ブライダルへのアプローチも加速している。
人気職種の【やりがい搾取】
――昨今の働き方改革への対応により、ブライダル業界もまた、人事施策面で大きな転換期を迎えています。
髙橋「ブライダル業界のような人気職種は、それゆえにブラック企業化していくリスクがあります。働くスタッフのジョブロイヤリティが高いため、仕事と趣味の境目がなくなり、経営陣もそれに甘えてしまっている。いわば【やりがい搾取】が起こりやすい職種のひとつなのです。それでもこれまでは文系女子の受け皿として採用もどんどん来ていましたが、現在は売り手市場に転換し、働き方改革でより社員を主体に考えた人事制度が求められています。働く側の意識が大きく変化している中、これまでのやり方では人が入らなくなり、かつ定着も難しい。人気職種であっても、人が来なくなるのは時間の問題で、だからこそ一人一人の価値を引き出すために、個別具体的なオリジナルのプロセス目標制度が必要なのです。」
――あしたのチームでは、人事評価制度策定・運用のためのサービスを提供しています。髙橋「ポイントは、数字という結果だけではなく、日々行うべきプロセスをキチンと見える化し、給与に連動させる点。相対評価のブラックボックスを廃止し、【絶対評価】の仕組みを提供しています。相対評価は終身雇用を前提とした年功給の名残ですが、やってもやらなくても給与が保障され、変わらないわけです。現在は働き方改革で残業をするなと言われ、年功型賃金や定年もなくなっている。副業も認められる時代。果たして成果とは何なのかが問われており、個々のパフォーマンスに対してきちんと評価をした上で給与を支払いましょうと。社員からすれば、いくらもらえるのか、目標は何なのか、成果とは何かが明確でなければ、会社に不満が生じてくるのは当然です。」
髙橋「では目標をどうやって設定していくのか。目標というと数字の結果(受注など)と考えがちですが、実際に数値はワンオブゼムでしかない。大切なのは、プロセスを目標として設定していくこと。例えば営業目標であれば、月曜日の朝の一時間でその週の予定を整理する。2 週間分のリストの洗い替えをし、優先順位10社に対するアプローチを上司と相談して決める。少なくとも5 社に対し月曜日中にメールを打つ。その後2週間以内に後追いのメールを送るなど。こうした日々行うべきプロセスを、目標として設定します。企業ですから、受注、予算の数値という結果目標はもちろんありますが、より大切なのは、それを達成するためにあなたは今何をすべきかを明確にすることです。」
――営業的な側面が強いブライダル業界でも、数値のみが評価となっている点は否めません。
髙橋「現実に、プロセスが重視されていない会社は多い。とにかく受注を取ってこい、取ったらインセンティブや昇給など評価に繋がるよと。では受注のできない社員はどうなるのか。その人は必要がないということになってしまう。こうした使い捨てはもはや時代遅れであり、優秀な社員も集まりません。プロセスの目標がしっかりとしていて、それがキチンと出来ていれば、数値の目標も自ずと達成されるのです。スポーツの世界で考えればわかりやすいのですが、選手にいきなり金メダルを取れと言っているようなものです。金メダルのために、何年も前から何をやるのかを明確にして、そのプロセスを練習や合宿で達成していく。その先に金メダルが待っているのです。」
上司・部下の関係も変化
――プロセス目標により、社員は自分の今いる位置を認識することができます。さらに上司と部下の関係性も変化しますね。
髙橋「評価制度はマネジメントツールでもあります。プロセスによる目標を作ることで、現状との差分が生まれる。この差分を埋めていくために、上司が関与しサポートしていくことこそ人材育成なのです。これによって、上司の価値も明確になります。プロセス目標を達成するために、しっかりとサポートしてくれる上司であるかどうか。当社の評価の仕組みを導入した会社で一番初めに変化があるのは、上司と部下のコミュニケーションです。目標を中間において、両者がしっかりと議論をするようになるのです。」
――プロセス目標の設定に関して、個々の社員自らが個別に決めていくのも特徴です。
髙橋「同じ仕事をしていても、社員それぞれ長所短所が違います。人当たりはいいがロジカルでない社員もいれば、反対に笑顔が足りないという人も。今何をダメージコントロールで改善し、どんな長所を伸ばしていけば成果に届くのかを基準にすれば、自ら考えることが必要となり、さらに個々で異なるのは当然のことです。例えば、笑顔が足りないという人であれば、まずは笑顔で挨拶することを目標に設定し、それが出来たら給与を上げる。なぜなら、笑顔が良くなれば成果に繋がるからです。会社全体として職種別、等級別の目標は抽象度が高くてもいいのですが、各論の目標は現場で詳細に個人別で作っていきます。プロ野球であれば、最終的な勝利を目標にしつつも、打順やポジション、投手の役割ごとに評価制度は異なる。今求められているのは、全員がプロフェッショナルであること。一人一人の能力を活かしていくためにも、集団管理システムから個別管理システムへの転換が必要なのです。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月1日号)

