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![:連載96:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]今年の法務重要ニュースTOP5を振り返る~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~](https://bridalnews.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/d2693e224da150b7f3eef427849463e9-220x330.jpg)
:連載96:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]今年の法務重要ニュースTOP5を振り返る~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~
第1 位 フリーランス保護法&下請法による規制強化
今年11月1 日から「フリーランス保護法」が施行され、個人事業主等に対して業務を委託する際のルールが厳格化されました。
詳細な内容についてはすでに何度もこのコラムで取り上げているため割愛しますが、施行直後にも関わらず、公正取引委員会は早速、大手出版社がフリーライターに対して一方的に報酬を引き下げたことが、「下請法」に違反するとして勧告処分を出しました。
この新法の施行に伴い公正取引委員会は本腰を入れて、「フリーランスいじめ」や「下請けいじめ」の撲滅に向けて舵を切ったと捉えられており、婚礼業界においても、ホテル・式場を運営する会場事業者と司会・美容・映像等のパートナー事業者との間で、適法な関係性を構築し、維持することが求められています。
第2 位 改正消費者契約法の影響
2023年の消費者契約法の改正を受けて、一部の消費者団体がブライダル事業者の営業手法等に対する働き掛けを強めています。
特に多く見聞きしたのが、改正法によって新たに適格消費者団体に認められた「キャンセル料水準の根拠」の開示請求権に基づく要請。その対応に苦慮されたブライダル事業者も少なからずおられました。
今後とも「消費者保護」の流れは強まっていくことが予想されていますので、こうした法改正を注視しつつ「今までよかったから大丈夫」という考えを捨て、常に自らを省みる必要性を痛感せざるを得ません。
第3 位 ステマ広告の規制
景品表示法の運用が改訂されて、新たに禁止されることになった「ステマ広告」。この1 年、病院や製薬会社等を対象として違反事例が複数摘発されました。
実際には企業広告であるのに「利用者の声」等に見せかける広告等を指す「ステマ広告」は、自社のPRにおいて「花嫁の声」を使用することの多いブライダル事業者にとっても、注意が必要です。特に顧客を巻き込んだ発信をする際には、常に「ステマ広告」にならないかどうかを確認することを強くお勧めします。
第4 位 インボイス制度への対応
ようやく少し落ち着きを見せてきた感はありますが、確定申告の時期に対応に苦慮した事業者も少なくなかったと思います。
筆者が知る限り、ブライダル業界内での理解も充分とは言えない面も散見され、今でも相談事例の多いテーマのひとつです。
第5 位 カスハラ対応
過度なクレームへの対応に悩む声は業界内には以前からずっとありましたが、東京都が全国に先駆けて「カスハラ防止条例」を制定する方針である旨のニュースが流れて以降、カスハラを巡る問合せが急増した印象です(その後同条例は可決され、来年4 月1 日より施行されます)。
「カスハラ対策」は、2025年の重要テーマの1 つとなることは間違いないと考えます。
今年1 年を振り返ってみると、取引先も含めた「ともに働く仲間」と、どういう姿勢で向き合うのかが問われるニュースが多かった印象です。これまでの常識が大きく変わりつつある中で、これまでの「委託する側とされる側」や「雇う側と雇われる側」という関係性における固定観念から抜け出せないと、知らぬ間に思わぬ法的トラブルに巻き込まれるリスクが増大してしまいかねません。
来年も読者の皆様が「よい結婚式づくりに集中できる環境」の創造に貢献できるよう、コラムの執筆を続けたいと思います。ご愛読ありがとうございました。よいお年をお迎えください。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月11日号)

