LISTEN to KEYMAN

キーマンに聞く

連載107:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]オンライン納品に特有の権利処理に注意【株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏】

連載107:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]オンライン納品に特有の権利処理に注意【株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏】

いつもご愛読ありがとうございます。

さて、今回のコラムでは、この繁忙期において利用が拡大している「オンラインを用いた映像商品の納品」について、またその際の音楽著作権の処理についてQ&A形式で解説します。

Q1.エンドロールや記録映像を新郎新婦に納品する方法としては従来「DVD納品」が一般的でしたが、最近は新郎新婦からの要望や映像制作事業者の手間の軽減という観点から、「オンライン納品」を希望する声も増えつつあるようです。

A1.筆者が代表理事を務める一般社団法人ブライダル音楽申請システム(Bmas)では、DVDに複製しなくても新郎新婦のPCやスマホにデータ納品する際に、所要の音楽著作権の処理も同時に行うことができるシステムを提供していますが、この繁忙期になって利用実績が順調に積みあがってきています。

Q2.今一度確認ですが、市販楽曲のBGMが入った映像商品をDVDやオンラインで納品する際には、音楽著作権についてどのような処理が必要なのでしょうか。

A2.DVDに楽曲を複製して納品する際には『複製権』の許諾が必要となりますが、楽曲と共にオンラインで納品するには、権利者から『公衆送信権』と『送信可能化権』の許諾を得る必要があります。

Q3.新郎新婦がオンライン納品を希望した際は、権利者の許諾を得れば、任意の方法で納品することができるのでしょうか。

A3.実は、『公衆送信権』と『送信可能化権』の許諾に際して権利者は「納品の手段」にも規制を設けており、現状、(誰に対してどんな楽曲をBGMに使用した映像商品を納品したのかを後追いできない)YouTubeやギガファイル便等を用いる手段は認められていません。私たちブライダル業界側から見ると厳しい規制だと感じますが、逆に権利者からしてみれば、楽曲の音源は商品そのものであって、「いつ」「誰に」送信されたのかが把握できない形は「とても認められない」と考えているのです。つまり現状では、『公衆送信権』と『送信可能化権』の許諾を得た上で適正に「オンライン納品」をするためには、権利者からの許諾を受けた上で、自ら「独自のサーバー」を開発してそれを用いて納品するか、「Bmasのサーバー」を用いて納品するかのいずれかの手段を用いる必要があります。

Q4.普段はISUMを通して使用する楽曲についての許諾を得て納品していますが、仮に「Bmasのサーバー」を用いて納品する場合にも、ISUMを通した許諾が必要なのでしょうか。

A4.ISUMは楽曲をDVDやUSB等の媒体に複製する際に必要な『複製権』の許諾の申請代行をする専門機関であるのに対して、Bmasは楽曲入りの映像商品をオンラインで納品する際の『公衆送信権』と、『送信可能化権』の許諾の申請代行機能を備えています。そのため、申請代行機能の使い分けとしては、DVD等の媒体に複製して納品するならISUM、オンラインで納品するならBmasのいずれかを介して許諾申請と、納品方法によっていずれかを選択していただくこととなります。 新郎新婦がどちらの方法での納品を希望されるかで、是非とも使い分けてください。

Q5.例えば、フリー音源など許諾を必要としない楽曲のみを用いた映像商品をオンラインで納品する際には、Bmasのサーバーを用いる必要はありませんか?

A5.はい。『公衆送信権』と『送信可能化権』の許諾が不要な楽曲のみを用いた映像商品であれば納品方法に制限はありません。YouTubeやギガファイル便等の手段で送ってもよいし、Bmasのサーバーを用いて送付はしつつも許諾申請は行わないという方法でもよい、ということになります。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月11日号)