LISTEN to KEYMAN

キーマンに聞く

1組ずつカップルに連絡を入れる【ジョイン 常務取締役 武田靖子氏】

1組ずつカップルに連絡を入れる【ジョイン 常務取締役 武田靖子氏】

 「山形県内で結婚式場を2施設運営していますが、2月から開催可能かという問合せベースの連絡がカップルから入るようになりました。3月以降は延期の波が一気に高まり、5月中旬時点で春の施行は80%が延期となっています。6月以降は日程に強いこだわりを持つケースなど、一部のみで予定通り実施していくスケジュールとなっています。延期を決断したカップルの場合、秋から冬にかけての空き状況を見つつ日程を提案。気候のいい時期を希望している場合は、来春まで待って日にちを選ぶという長期的な影響も出ています。ゴールデンウィーク中は感染拡大防止の観点から、2店舗とも施設自体を一旦クローズしました。」

「スタッフが1人でも感染してしまうと、そもそも施設の営業が当分できなくなるわけですから、従業員を徹底的に守っていくのは企業の役目。会社全体でどう対策していくか、これまで打合せを20回以上重ねてきました。当初は不要不急の外出は控えるといった簡単なものから始まり、感染が拡大していくにつれ随時内容を見直しました。例えば夜21時以降の外出と出張は禁止、仮に県外から戻ってきた家族がいる場合はそのスタッフを2週間出社禁止にするなど。合わせて1人1本ずつ消毒液を配布し、絶対に感染してはならないという個々の意識改革も徹底しました。デスクにも透明なフィルムを設置し、飛沫感染の防止も。不足が叫ばれていたマスクも会社でまとめて購入しました。こうした対策を、早い段階から従業員に随時発信し、安心感を持ってもらうと同時に、感染予防に努めました。」

 

「ゴールデンウィーク中は施設を一旦クローズしましたが、安全に配慮しつつスタッフは出勤して1組1組カップルに連絡を入れていきました。GWに式を挙げる予定だった2人には、素敵な1日を過ごしてほしいとの想いからケーキとメッセージ動画をお届け。お祝い事に関わる会社として、少しでも何かしたいと企画しました。」

 

「BIAのガイドラインや新しい生活様式などもあり、今後は結婚式の内容を見直す流れは出てくるでしょう。お酌ができないとなれば、代わりになるコミュニケーションは何か。例えばゲストの心が温かくなるような映像を新たに盛り込むことや、料理そのものが演出になるようなメニュー開発、仕組みづくりなど。感染状況によりどう動いていくかの変動はあるでしょうが、こうしたフレキシブルなアイデアは、随時スタッフと出していきたいですね。」

 

「当初の予定から1年延期したカップルもいるわけですから、ここからは長期的、かつ頻繁にコミュニケーションを取って信頼関係を構築していくことが求められます。考えたくはないですが、コロナの第2波、3波により感染が長期化、もしくは再度悪化してしまうと『延期したけれど開催がやっぱり不安。いっそ中止にした方がいいのでは』と考える可能性もゼロではありません。会場としても中止だけは絶対に避けたいので、式当日までのワクワク感を今から提供していくことが必要になるでしょう。早い段階から打合せを進め、プランナーからどんどんアイデアを出し、結婚式のイメージを膨らませておく。『私たちのパーティはこんな風になるんだ!少し先だけど今から当日が楽しみ!』と思ってもらえれば、施行日までワクワクしながら過ごしていけるはずです。」

 

「コロナが日々深刻になるにつれ、食材や生花など、生産者が手塩にかけて育ててきたものが、消費者に届かず廃棄されている現状がニュースで流れるようになりました。実際に三陸地方の魚介類も、行き場がないものが出ていたのです。東北地方を応援したいとの想いから、現在は新しい食材ルートも開拓中です。実際に先日、調理チームが新作のオイルサーディンを作っていました。試食しましたが本当に美味しく、メニューに加えることも検討できるようなクオリティーでしたね。オイルサーディンは缶詰でしか食べたことがないという人も多いでしょうから、そこは自慢の調理スキルで、食を通した感動を届けていきます。食材を仕入れてそのまま提供するのではなく、結婚式場としていかに“体験”にしていくかが求められていると思います。このメニューはバケットと食べるとさらに風味が増すのでは、こっちのワインの方が相性がいいのではと言ったように、どんな提案をして売っていくかまで追求していきます。ゴールデンウィーク中はスタッフにサービスやワインの知識習得などの課題を出しました。『このまま勉強を続けたい』との声もあり、スタッフのスキルを高めて、コロナ収束後は今以上に素晴らしいパーティを提供していきます。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月1-21日号)