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キーマンに聞く

《転職相談から読み解く》企業のエンゲージメント向上策【TIPLOG CAREER 代表取締役 高津守氏】
お悩み Case.2 24歳(女性)ウエディングプランナーさんからの転職相談
カップルからの感謝の声より、売上アップが上司の喜び
専門学校を卒業後、地方の結婚専門式場に入社。サービスを1年経験し分業制の打ち合わせ担当プランナーとして3年になるウエディングプランナーさんのケースです。ウエディングプランナーになるきっかけは親戚のお姉さんの結婚式に参列し、素敵な結婚式とプランナーの存在を知ったことから。カップルにとっての幸せを作るという志を持ち1組1組に寄り添ったプランニングを心がけています。そんなある日、先日施行を終えたカップルから新婚旅行のお土産と感謝のお手紙がプランナー宛に届いた。お手紙の内容は本当に嬉しい内容で、読んでいて涙が止まらない程だったそうです。そのお手紙をマネージャーに報告しようとデスクに向かいましたが、予想外な反応・・・。「ふ~ん、そうなんだね。」との一言だけ。偶然にも打ち合わせをしていた別のプランナーがオフィスに戻って一言「マネージャー!料理のグレードアップのオーダー頂きました!」。その声にマネージャーの反応は、手を叩き大きな賞賛でした。この時、退職の決意をしたそうです。
このケースを元に、企業の課題を紐解いてみたいと思う。
皆さん、ケースを読まれて感じたのはマネジャーの対応ではないでしょうか。こんなマネージャーだとプランナーは辞めてしまうよねと。もちろんマネージャーの対応は許せる対応ではない。ただ、この会場はマネージャーだけが問題なのか。このケースにおいても、会社の仕組みが原因でこのような事が起きている。
注目すべきは、この会社が掲げる成果指標について。分業制の組織での新規営業担当のプランナーの成果指標といえば、新規接客数、成約数、成約率など。あまり成約率ばかりに比重を置くと様々な弊害も出るので注意が必要だが、ここでは一旦置いておく。
さて、打ち合わせ担当のプランナーの成果指標は何になるか?恐らくこの会場の成果指標は料理のグレードアップや施行1 組あたりの売上か利益、場合によっては初期見積からどの位アップできたか。その辺りが成果指標になっていることが予想される。数字を追いかけることをダメと言おうとしているわけではなく、売上数値だけに囚われてしまってはこうした問題が起きてくる。
ではどのような数値を成果指標として組み込めば良いのか? それは顧客の気持ちにある部分。一般的に耳馴染みのあるのは顧客満足度とも言うべきCSなどではないか。ここでは、顧客満足度とは少し違う数値を取り上げていく。それはNPS(ネットプロモータースコア)で、日本語で直訳すると「正味推奨者比率」。
顧客がどれだけ自ら利用したサービスや商品を推奨しているかを測る数値だ。NPSには究極的な質問と言われる問いがあり、それは「この商品・サービスを知人友人親しい人に紹介したいと思いますか?」。それを0 ~10の11段階で表してもらう調査。ここ数年日本においても徐々に知名度が上がっているが、NPSは経営指標として利益との相関性が非常に高く、FacebookやAmazonでも活用されている。
私はこれからのブライダル企業経営において、カップルのNPSを経営指標としていくことを勧めていきたい。
ブライダルはリピートしないビジネスだと言われるが、昨今口コミやSNSでの情報発信で卒花嫁の声をプレ花嫁が重要な情報として収集している。間接的に紹介というリピートが生まれ新規顧客獲得に効果が出ている。
話を評価の仕組みに戻す。打ち合わせの中で、予算がオーバーしてしまい、頭を抱えるカップルを前にすることは多くある。その時のプランナーの心境はどうか。予算がない顧客にこの高い商品を提案していいのだろうか?という後ろめたい気持ちを持ちながら会場都合の商品を提案してしまうことがあるはず。結果それは、顧客にとって100%良い提案になっていない。NPSを成果指標に置くことによって、プランナーの思考はとてもシンプルになる。どれだけ顧客の気持ちに寄り添い、一生に一回の素敵な結婚式をお手伝いすることに徹することが出来るかと。(もちろん赤字になるような提案はNG)
NPSの数値を打ち合わせプランナーの評価にし、給与、昇給、ボーナスなどに紐付けをすると。プランナーのモチベーションも高まりグッドサイクルに入っていく。
評価につながる成果指標の観点では重要であり、是非知ってもらいたい。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月1-21日号)

