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キーマンに聞く

運営受託先ホテルの業績UP【テイクアンドギヴ・ニーズ 代表取締役社長 岩瀬賢治氏】
T&G(東京都品川区)は、2023年の通期決算において、既存店のリニューアルと運営受託の強化を掲げている。運営受託に関しては昨年以降、リーガロイヤルグループやヨコハマ グランド インターコンチネンタルなどホテルを中心に契約先も増加しており、今後も積極的な対応を進めていく。「ホテルは実はチャンスではないか。」と語る岩瀬賢治社長。同社の運営受託の考え方、お互いにいかにメリットを生み出していくのかについて聞いた。
ブランドの歴史を語る
――ホテルWはチャンスであるとの考えのようですが。
岩瀬「少なくとも当社で入っているホテルは、それまでより業績が伸びています。当社側からリニューアルをお願いするわけでもなく、それこそ現状のままで運営受託に入って、ホテルの人たちの気づいてない良いところを見つけ出していく。例えば料理や接客力など。それをユーザーの目に触れる広告やツールで展開していきます。データに基づき課題を抽出するといった面に関して、実は当たり前のことしかやっていないにも関わらず、確実に業績は伸びています。実際に、大手を含めてやることをやりつくしているハウスウエディングと比較しても、わずかな変化だけで業績の伸びるホテルは本当にチャンスがあると思っています。」
――ゲストハウス系の企業によるホテルの運営受託では、ハウスのやり方をそのまま展開し、結果としてホテルウエディングの良さが薄まっていく状況も見られます。その点T&Gの場合、東京會舘の例を見ても、少し離れた立場にいるからこそ把握できる強みを尊重し、それを表現していくスタイルが成功に繋がっていると感じます。
岩瀬「私たちは、あくまでも黒子ですから(笑)。東京會舘でのやり方が、1 つのプロトタイプになっているのは事実です。現在運営受託をしているホテルでも、当日のオペレーションやどういう結婚式を提供するのかということに関しては、相談を持ち掛けられない以上、当社側から何か口を出すことはありません。ハウスウエディング企業として、こういう結婚式の方がいいのではという思いがあるのも確かです。とはいえ、私たちが良いと思っていることでも、ホテルで結婚式を実施する新郎新婦にとってみれば、そんなことを望んでないのも事実でしょう。だからこそ、運営や結婚式のスタイルに関しては基本的にノータッチ。例えばヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルであれば、みなとみらいの開発段階で初めて出来たホテルであり、しかもインターコンチネンタルブランドの日本初進出。そのことを、極めてわかりやすい形で伝えています。インターコンチネンタルブランドの歴史やみなとみらいエリアにこのホテルのある意味。それこそみなとみらいの開発当時の話もしていきます。インターコンチのスタッフからしてみると、当たり前すぎてそれほど 気にもしていなかったことが、私たちからしてみると物凄い強みに見えるからこそ、知らない人にはどんどん伝えていく。そこにウエディングのプロフェッショナルとして培ってきた当社のマーケティングなどのノウハウを加えるだけで、プラスになっていきます。」
――外部だからこそ見える強みを、マーケティングで広く伝えていくわけですね。
岩瀬「もっとも、契約においては業績に対する約束もあり、そうなると当然マーケット内でどのくらい取ればいいのかという話になります。本来のホテル層の人たちだけを狙ってどれだけ頑張っても、ここまでしかいかないということもあります。当然ゲストハウス層も集客していく必要が出てくれば、6 ページの広告を出す場合にどういうバランスでホテル層とゲストハウス層に向けていくかが非常に重要。広告に対する効果測定と改善を繰り返しながら、どのタイプの新郎新婦をどのくらい獲得できているのかを追求しています。」
――そこはまさにブライダル専業のT&Gならではのノウハウを発揮できます。ホテルウエディングではそこまで細かく対応できていないケースも多いことから、当然効果も出てきます。
岩瀬「マーケティング戦略面に関して、ホテルでは広告に投資するという考え方をそれほど強く持てないと考えています。宿泊に関しても広告を打つというよりは、OTAから予約が入ってきて実績ベースで手数料を支払うわけですから。一方で結婚式の場合には、実績が出る前の段階で、とにかく情報誌に4 ページの広告を出稿して、200万円かかりますといった世界です。先に多額の投資をして、顧客を集めていくという感覚をホテルが持ちにくいのも仕方ありません。そこは、ブライダル企業だからこそのノウハウを発揮できる部分かと思います。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月11日号)

