LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

連載8〔研修で差がつく!金の卵の育て方〕OJTトレーナーは後輩の応援団長【ノバレーゼ 教育研修部エキスパート 前田歩香氏】
忘れられない先輩の存在
みなさんにとって、忘れられない教育担当の先輩はどんな存在ですか。私が初めて担当したカップルの結婚式を終えた際、教育担当の先輩からもらった手紙があります。「今している仕事って最高でしょ!一生懸命目の前のことに取り組み、頑張りすぎて心配になる時もあるけど、今日のあなたのことを本当に誇りに思います。」
今でも当時の先輩への感謝の気持ちを思い出し、元気をもらいます。過去の連載で、後輩はみんな(チーム&会社)で育てるとお話しましたが、その中で1 番小さな単位は、教育担当(OJTトレーナー)と後輩の関係です。今回はOJTトレーナーとしての「1 対1 での育成の関わり方」に注目します。
仕事を覚える段階にいる後輩の心は、両極端の気持ちで揺れ動いています。前向きに頑張りたい気持ち(顧客に貢献したい、仕事を早く覚え役に立ちたい)と、不安や焦る気持ち(顧客に迷惑をかけないか、先輩のように仕事ができるか)です。さらにブライダルのお仕事は、カップルの想いを時間や空間といった無形の価値として提供する仕事です。幸せのお手伝いから得られる喜びと同時に、責任も伴うことから、心には大きなプレッシャーも存在します。そんな後輩を、メインで育成するOJTトレーナーが「仕事の手順を教える人」という面に加え、「後輩の成長をサポートし、嬉しいことも悔しいことも誰よりも共有できる心の拠り所」であるとどうでしょう。弊社の研修では『OJTトレーナーは後輩にとって1 番の応援団長』と表現しています。
自分はどんな応援団長であるか振り返るワークを紹介します。後輩の今をどの程度知っているか書き出し、後輩紹介をするものです。項目は大きく分けて3 つで、①後輩の情報(入社理由や夢・頑張ってきたこと・趣味)②得意や苦手なこと③成長イメ―ジです。実際にこのワークを行い、このような気付きの声があがりました。「入社理由をちゃんと聞いたことがなかった」、「キャンプが趣味とは知っていたが、どんなところが好きか深くまでは聞いたことがなかった」、「できていないところばかりに目が向いていた」などなど。これらの気付きを育成に活かすと、応援の言葉が変わります。
例えば、ロールプレイングを終えフィードバックをする場面。その日を迎えるまでの努力や行動を知っているから、「重点的に練習していたこの部分が良かったよ!」と具体的に伝えたくなる。伴走してきたから、後輩自身が思う上手くいった/いかなかったこと、今の気持ちも聞きたくなる。また改善が必要な点では、得意や苦手を踏まえ「次はこうしよう!」とアドバイス。少し気が緩んでいる様子であれば、「気持ち引き締めて」と時に厳しいことも添える。信頼関係があるから、後輩の心に届く言葉になるのです。
仕事の面白さも厳しさも伝える
応援団長(教育担当)の先輩は、仕事の面白さに加えて、厳しさも教えてくれる存在。そして冒頭で紹介したように、後輩自身が振り返ったときに、人生に深く刻まれ原動力を与えてくれる存在にもなります。教育担当として出会えたことで、後輩の仕事ライフが豊かに続くようにと向き合う。これはカップルと一期一会の出会いから、一生心に残る時間を創り上げることと同じではないでしょうか。
あらゆる応援を届けながら、後輩と共に二人三脚で歩んでいきませんか。後輩と歩幅が合っていないと感じたら、一旦立ち止まって対話をしてください。新卒スタッフの入社も控える今、改めて自分と後輩の関係性に目を向けるキッカケになればと思います。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月21日号)

