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連載8 ローカル会場【勝利の方程式】推奨経由来館をAIで仕組みに変える【ティール株式会社 代表取締役 工藤 慎也氏】

連載8 ローカル会場【勝利の方程式】推奨経由来館をAIで仕組みに変える【ティール株式会社 代表取締役 工藤 慎也氏】

 

前回は「推奨経由来館」を紹介しました。紹介とゼクシィnetの両方にチェックが入るような、複数のきっかけが重なって生まれる来館のことです。新郎新婦・参列ゲスト・取引先・スタッフという4 つの源泉を意識して、まずは見える化から始めましょう、というところまでお話ししました。

ただ、「やることは分かったが、現場では到底回らない」と感じた方も多いと思います。実際、推奨経由来館の運用には、人手では追いきれない三つの壁がありました。アンケートの自由記述や接客メモといった言葉のデータを集計しきれない「測定の壁」。4 つの源泉ごとに適切なメッセージを届け続けられない「施策の壁」。担当者の異動や退職で関係が途切れてしまう「継続の壁」。今回は、この三つの壁をAIでどう超えるかの話です。

まず測定の壁です。来館・成約アンケートの自由記述を生成AIに読み込ませ、「友人からの推奨が決め手だった」、「参列した時の印象が残っていた」といった記述を、源泉ごとに自動でタグ付けし月次でレポート化します。プランナーの接客メモから推奨に関する発言だけを抽出することも可能。SNSやクチコミの自動モニタリングも同様で、自社が誰にどう語られているかを継続的に追えるようになります。これまで可視化できていなかった顧客情報が、初めて経営判断の材料になります。

次に施策と継続の壁です。式後一ヵ月・半年・一年・結婚記念日というタイミングで送るメッセージを、AIに下書きさせる。式当日の写真や担当プランナー名、エピソードを差し込めば、テンプレートではない「そのカップル専用」のメッセージを大量に作れます。取引先への定期的な情報発信、スタッフへの社内ニュース配信も同じ要領で対応できます。

もう一歩踏み込むと、これまで推奨は「いつの間にか発生するもの」でした。AIを使うと、誰がどんな推奨を生みやすいかを事前に予測できるようになります。過去三年分の来館・成約データと推奨経由来館データを学習させれば、「推奨を生みやすいコミュニケーション」が見えてきます。そのうえで推奨を生みそうな度合いでスコアリングし、優先順位をつけて手厚いコミュニケーションを設計することも可能になります。「待つ集客」から「設計する集客」への転換です。

AIはこれまで「やった方がいいと分かっていてもできなかったこと」を、現場の負担を増やさずに回せる道具です。次回は、無理なく導入できるAIの使いどころはどこか。何から始め、どこまで自前でやり、どこを外部に委ねるか。現場で実装するためのリアルな道筋を共有していきます。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月11日号)