LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

2つのツールをリリース【ウエディングパーク 伊藤奈彩氏・野村吏璃星氏】
ウエディングパーク(東京都港区)は3月、カップルの声を定性的に収集できる本音発掘ツール【ぽんとね!】と、イメージ・費用をセットで訴求する接客支援ツール【mierepo(ミエレポ)】をそれぞれリリースした。企画から開発まで携わった2人の20代のリーダー。感じていた業界課題をはじめ、サービス概要などを聞いた。
言えなくなる本音
―― 3 月25日に提供をスタートした、本音発掘ツール『ぽんとね!』。開発背景は。
伊藤「もともと当社では、ブライダルフェアから結婚式当日まで、カップルの声をデータとして収集できる顧客サーベイツール『survox(サーヴォックス)』を展開してきました。例えば接客を受けてみてどう感じたのか、会場の魅力はどれくらいかといったことを、カップルは5 ~11段階の数字で評価。事業者側は、自社の結果を全国平均と比較できます。一方、プランナーに対して感謝の気持ちが大きくなればなるほど、『こうだったらいいのに』など、カップルはリアルな意見を伝えにくくなる。また、『survox』のアンケート結果を見ると全体的に数値は高い一方、ウエディングイベントの実施率の向上にはなかなか繋がってきません。数字だけでなく、カップルの本音を定性的に拾うことは今後の業界のためにも重要と考え、企画に至りました。」
――主な機能は。
伊藤「ブライダルフェア参加後に回答する流れを想定し、①成約意向、②譲れないポイント、③良かったこと、④違和感(+深掘り)、⑤フリーコメントの5段階のヒアリング設計としています。アンケートの場合、フリーコメント欄に記入、もしくは入力するのが手間と考えるユーザーも一定いますので、設問①~④の考えうる回答は、こちらから用意。カップルは、表示される項目を直感的にタップできます。例えば②の譲れないポイントに関しては、自分たちらしさ、準備の効率化、プランナーとの相性、おもてなし・ゲスト満足度など複数の項目から3 つを選ぶ仕組み。④の違和感は、『これがよければ、もっと嬉しい』という設問の中から複数選択できます。例えば料理のクオリティを選んだカップルは、『美味しいけどお値段にビックリ』、『写真とイメージが違ったかも』といった“引っかかりポイント”をタップする流れ。現時点では匿名回答とし、目の前のカップルを成約に導くというよりも、自社施設の課題を本音から抽出し、改善に繋げていくツールの位置付け。カップルは、結婚式実施に関して自分たちが何を大事にしたいのか、改めて考える機会にもなります。」
過去の事例を写真で紹介
―― 3 月30日からは、見積りの費用だけでなく、イメージを一緒に提案できる接客支援ツール『mierepo(ミエレポ)』も提供を開始しました。
野村「曖昧になりがちな結婚式費用の“感覚”を掴んでもらうツールとして、来館前にリアルな見積りシミュレーションができる『mieruupark(ミエルーパーク)』を2024年にリリース。評価を得ていた一方、なぜ金額が高くなるのか式場事業者とカップルとの間で情報理解に差が出てしまうこともあり、『そうした説明に難しさを感じる』というプランナーの声も聞かれていました。数字だけではなくビジュアル訴求を通じ、イメージと価格を紐付けてカップルの理解に繋げたうえで、商品を決める体験を提供できたらと、『mieruupark』の第2 弾の位置付けとして、開発を進めました。」
――サービスの主な内容は。
野村「①衣裳、②装花、③料理・飲み物の、費用が変動しやすい3 つのカテゴリにおいて、過去の実例写真とともに金額を確認できる仕組みです。装花を例に見ていくと、まず初期見積りに含まれる実際の写真と金額を合わせて提示。そのうえで、例えばメインテーブルは予算を落とし、その分ゲスト卓の花を増やしたカップルの実例を、金額と写真で可視化していきます。衣裳は、インナーや親族衣裳も項目に組み込み、料理・飲み物は、カップルらしさを表現したケーキの実例なども入れられます。写真の順番も自由に変えられえるので、例えばランクの高いコースのスペシャリテ、オリジナルケーキなど、打ち出したい画像を前に持ってくることも可能です。『結婚式の費用は初期見積りから100万円近く上がる』というイメージを持つカップルも多い中、『どのアイテムをどうすることでどう上がるのか』のイメージを、事業者側からきちんと説明できていないケースもあると感じています。こだわった結果、金額が膨らんだ事例など情報をオープンにすることで、『想定外だった』というカップルの声をなくしていきたい。プランナーによる説明・介在を通じて、『いくらかかるのか』の不安を拭い、式場の信頼にも繋げることも重要と感じています。」
――式場からの反応は。
野村「若手プランナーも在籍する施設からは、『説明時のスキルを平準化できる』といった声も届き始めています。『ぽんとね!』と『mierepo』は、クチコミサイトの出稿とは別にどちらも単体で利用可能。多くの式場に、案内を強化していきます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月11日号)

