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連載2《ブライダル業界 活性化のためのM&Aの指南》更地返還をするのであれば事業売却の検討を【イロドリ 代表取締役社長 千々木綾氏】
2 月から始まりました本連載。2 回目の今号は、更地返還と事業売却に関してお話をしていきたいと思います。
まず初めに、昨今のM&A市場のトレンドを。事業売却の場合、これまでは業績があまりよくない店舗などを切り離すケースが大半でしたが、その場合思ったような金額がつかないという可能性も。そこで、事業を立て直すための資金を得るために、あえて好調な施設のうちの1 つを売却することも、今年に入ってから見られるようになりました。
それも踏まえて、今号の本題を。式場を手放す際のいくつかの方法として事業譲渡の他に更地返還が挙げられますが、更地にするのであれば事業譲渡をオススメします。主な理由の1 つが、人材に関して。更地返還をするとなると、スタッフの異動先を確保する必要が生じます。特に地方会場の場合はそのエリアに住むスタッフも多く、仮に引越しの伴う異動となると、退職希望に繋がるケースも往々にして見られます。また、スタッフの異動先がどうしてもない場合は会社都合退職となり、助成金が受給できなくなるといったことも。一方で、事業売却をして他会社の運営に切り替わる場合は、そのまま買い手側がスタッフを引き継ぐことも多く、人材面でのメリットは大きいと言えます。買い手側にとっても勝手を理解したスタッフが残り、かつ既存顧客をそのまま引き継げるのも、ポイントの1 つと言えるでしょう。
あわせてよく相談を受けるのが、「事業売却をオーナーが了承してくれるか分からない」ということ。実はオーナーにとっても事業売却は好都合で、新しい借り手を自身で探す手間が省けるという点が挙げられます。また、新規出店を検討している企業にとっては、建材費が高騰するなか費用を抑えて店舗展開を進められるため、コスト面でのメリットは大きいわけです。
当社はブライダル専門のM&A会社ですが、更地返還の決断を下す前の、撤退するかどうかの段階で相談いただくのがベストと言えます。撤退を先に決めてしまうと新規来館もストップしてしまうため、次の立ち上がりが遅れてしまい、結果として思ったような譲渡金額にならない可能性も出てきてしまいます。
式場はその街の“シンボル”になることも多く、更地にすることで式を挙げたカップルにとって寂しくなるのは当然のこと。「自分たちがダメだったから、他も成功できない」と考えるのではなく、他の会社だからこそ別のやり方で成功できる可能性があることを、ぜひ考えてみてください。(PR)
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月11日号)

