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連載11〔Webをフル活用して来館UP!!自社集客向上:実例集〕AGT依存により来館キャンセル30%【ミッテ(株式会社ベック) 取締役 大前友美氏】
今回紹介する会場は、都市部エリアから離れた立地も非常に厳しい施設で、もともと年間集客数180件、成約数も63件と苦戦していた事例です。グループ企業の運営店舗の一つでしたが、グループ内で最も数字が出ていないかった会場です。
【環境】
都市圏から離れ、集客のパイが少ないエリアにあります。高速のICが近く、いわばロードサイドの立地。最寄りの駅からもタクシーで15分程度はかかり、公共交通機関はバスしかありません。近隣に新興住宅街が出来つつあってファミリー層は増えてはいるものの、結婚式場として集客をするには所在する市だけでは足りないため、近隣からの流入も必要。競合会場に関しても、隣の市に行かなければなく、つまりはエリアとしての回遊が考えづらい状況でした。
【会場特性】
1 チャペル1 バンケットスタイルでしたが、チャペルは常設ではなくガーデンに挙式スペースを設ける対応。雨の場合には、宴内人前に逃げる運営でした。バンケットは70名収容であるものの適正は50名、組単価も250万円に達するかどうか。
【商品・アイテム】
衣裳・引出物に関しては、グループ企業で展開し、そのために商品、アイテムの縛りがあり特徴化しづらい。様々なアイテムを用意している他のゲストハウスと比較しても、商品との差別化は難しい状況でした。
【広告】
細かいマーケット分析がなされておらず、経路別来店目標の指標はありませんでした。広告費はゼクシィを中心に年間2700万円。毎月の来館目標はあったものの、ゼクシィから何件、AGTから何件、HPからはどのくらいにするのかに関して明確ではない。集客数は毎月20件以下であったため、本来HP集客を増やしていくだけで、その分インパクトも高まります。実際にはHP集客は4%程度でした。
一方でAGT比率は35%に達していました。これは以前から利用していたことで依存度も高かったわけですが、一方で課題になっていたのは来館キャンセルが32%もあったこと。いわば予約の3 件中、1 件はキャンセル。AGT経由の場合には、先に見学した会場で決定してしまう可能性も高まります。また前述したようにアクセス面も悪いことで、紹介も2 番手以降に回りやすい。初回来館が少ないことで、キャンセル率を引き上げていました。
ほかにも、ナイトの写真をキラーで表示していました。これは撮影会社任せにするとありがちなのですが、他が出していないからと差別化するために夜の写真を撮影し、前面に打ち出してしまいます。ユーザーの希望は本来、午前挙式希望がほとんど。この会場の事例のみならず、当社でサポートする場合には、夜の写真は全て取り下げてもらうようにしています。
【チーム集客体制】
WEB作業担当者は在籍していたものの、誌面担当、AGT担当など役割はバラバラ。例えばAGTにはどの人がどういうグリップで訪問するのか。口コミはどうするのか、HPの改善は誰の担当かなど。グループ本社に優秀なスタッフはいたのですが、一つひとつの対応を本社で担当するのか、それとも現場なのかも決まっていませんでした。
また本社では複数店舗の集客に関するコントロールをしていましたが、その作業は間に合っていませんでした。グループ内で最も苦戦していた会場であることから、自ずと優先順位も低くなります。さらに、人員を十分に確保することもできず、現場は常に人手不足の状況であり、課題を改善しようにも集客を丁寧に対応することは難しいのも当然と言えます。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月1日号)

