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キーマンに聞く

連載11〔研修で差がつく!金の卵の育て方〕『のびしろ』を伝えるフィードバック【ノバレーゼ 教育研修部エキスパート 前田歩香氏】

連載11〔研修で差がつく!金の卵の育て方〕『のびしろ』を伝えるフィードバック【ノバレーゼ 教育研修部エキスパート 前田歩香氏】

やる気を高める効果も

新入社員の皆さんは、接客デビューに向けロールプレイングを積み重ねている頃でしょうか。新規接客・打合せなど、カップルの前に立つために、ロールプレイングは必ず通る登竜門と言えるかもしれません。

ロールプレイング=先輩の前というシチュエーションは、接客本番とは異なる緊張感があり、私自身苦手だった思い出も。これとセットなのが、その後行われるフィードバックです。今回の連載では『(上司や先輩の立場として)フィードバックをする側が大切にしたいこと』に焦点をあてていきたいと思います。

改めてフィードバックとは、『相手の行動に対して、出来ている/出来ていないところを明確に伝えて、軌道修正を促す行為』です。言い換えると、後輩のありたい姿や目標、例えば「お客様を幸せにしたい!私はこんなプランナーになりたい」に向けてのステップであり、本来モチベーションを高める効果もあります。そんな時間になるよう、私も過去の自身の失敗経験を踏まえて、改善点を伝えてきました。フィードバックを終え、後輩が「頑張ります!」とやる気に火がついた状態になり、成長支援に繋がったと感じた時もあります。

一方で、後輩が接客に胸を張って臨めるようにと必死に向き合ったつもりでも、結果的に「この仕事に向いていない、先輩のようになれない」と後輩が自信を失ってしまった経験もあります。皆さんもフィードバックする側として、どうしたら良かったのかと、悩んだ経験はないでしょうか。

私自身の話で恐縮ですが、フィードバックをする側の向き合い方ひとつで、モチベーションが上がった経験をお話させてください。ここ数年コーチング技術を身に付けるために、幾度となくロールプレイング(実践練習)を重ねています。10年以上ぶりにフィードバックを受ける立場になりました。その時に、指導者から前提としてこう言われました。「まず良かったところ・強み・あなたの持ち味を伝えます。その後、あなたの『のびしろ』の部分をプレゼントします。そして、受け取る側も、ぜひ『ありがとう』の気持ちとともに受け取ってください」と。

お恥ずかしながら、目から鱗でした。ポイントは3 点あると考えています。①まず良い点からもらえること、②出来ていないではなく、これから先、成長する見込みがあると信じて改善点をもらえること、③フィードバックをする/受ける側で『フィードバックとは』という前提を合わせていることです。

このような丁寧な向き合い方を通じて、今の自分を採点される・ダメ出しをされると少し身構える気持ちから、指導者が私の1 番の味方であり、信頼と安心する気持ちに変化していました。現状を受け止めた上で改善に向けて練習しようと、自然と前を向くことができたわけです。

これまでの連載で、研修をする大前提として『誰もが自らの成長に向けて、自分でエンジンをかける力を持っている。研修ではその力を信じ、それを引き出す関わり方を大切にしている』ことをお伝えしてきました。これはフィードバックという場面においても同じだと気付きました。

ブライダル業界は、「誰かの幸せに貢献したい」と願う人ばかりです。日常的なスタッフ育成においても、その気持ちが正しく届くよう、相手に“ギフト”を贈る気持ちでフィードバックを届けてみませんか。私の経験に限らず、工夫の仕方は何通りもあると思います。周りの人達がどんな風にフィードバックをしているか、チームで話をするというのも1 つです。結婚式シーズンで忙しく駆け回る日々の中で、今回の記事が、自身のフィードバックのあり方・やり方を立ち止まってみるきっかけになれば幸いです。

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月21日号)