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連載10《今さら聞けないChatGPT講座》SNS用素材のAI生成は工程を重ねていく【ウィーブ 事業運営本部本部長 太田 大資氏】

連載10《今さら聞けないChatGPT講座》SNS用素材のAI生成は工程を重ねていく【ウィーブ 事業運営本部本部長 太田 大資氏】

 SNSに投稿する素材をAIで作りたいという声は、多くの結婚式場でも増えていますが、実際には「理想の雰囲気にならない」、「ドレスやポーズが不自然になる」といった悩みも多く聞かれます。原因はプロンプトの技巧が不足しているからではなく、人物・衣裳・背景・ポーズといった複数の要素を一度にAIへ指示してしまっているということにあります。AIは同時に多くの条件を処理しようとすると破綻も起きやすいため、工程を分けて生成することこそ最も重要になります。
 まず行うべきは、人物モデルだけを生成する工程。背景や衣裳を加える前に、表情、髪型、雰囲気など人物単体の仕上がりを整えておきます。この段階で安定したモデルを作っておくことにより、後の工程で衣裳やポーズを加えても破綻しにくくなります。
 次に、その人物に着せたいウエディングドレスを設定します。その際、生成した人物モデルの画像と実際のウエディングドレスの写真を組み合わせることによって、AIモデルに実在するドレスを着せることが可能になります。シルエットや質感も安定し、実際の新婦が着ているような自然な仕上がりになります。
 人物と衣裳が整ったら、続いて背景との合成を行います。ここで強みを発揮するのは、結婚式場で実際に働いてる皆さんが日頃から撮影している豊富な式場写真です。海辺のチャペル、ガーデン、ロビー、バンケット、館内のアンティーク空間など。自式場でこれまで撮影してきたリアルな写真を新婦の背景として用いることで、AIの生成した人物モデルを実際の空間に自然に配置できます。
 背景をAIに新たに生成させるのではなく、実際の式場写真を使うことで、照明の向きや空間の質感も一致し、現実味の高い画像になります。これは、「今この式場で撮影したかのような仕上がり」を実現できる大きなメリットと言ってもいいでしょう。
 最後に、背景となる式場の写真に合わせてモデルに適切なポーズを取らせていきます。例えば、チャペルであれば厳かな立ち姿、ガーデンならば風を感じる自然な姿勢、ロビーならエレガントな歩きシーンなど。実際の式場の背景が決まっているからこそ、最適なポーズを選べるわけです。背景とポーズが自然で一致することによって、一枚の写真としてのリアル感、説得力も大幅に高まります。
 こうした工程を順番に踏んでいくことで、難しいプロンプトを使わなくても、SNSやブライダルフェアの案内に使える高品質な画像を安定して生成できるようになります。AI画像生成はプロンプトの巧みさよりも工程設計こそ結果を左右する技術であり、特に結婚式場のように豊富な実写真を持つ環境では、その活用価値は非常に高くなります。自式場の魅力を最大限に引き出しながら、多彩なウエディングイメージを手軽に作り出すことができ、そうなるとSNS投稿のための素材不足に悩む必要もなくなって、日々の発信力向上にも大きく貢献していきます。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月21日号)