LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

結婚×地域活性化の構図【衆議院議員 婚活・ブライダル振興議員連盟事務局長 鈴木英敬氏】
今年に入り、経済産業省内にブライダル専任の担当ポストが置かれ、さらに4月にはインバウンド誘致と絡めた結婚式場向けの補助制度もスタートした。こうした結婚式支援の取り組みが強化されている背景として、未婚少子化対策の上で結婚式の役割に期待が高まっており、さらにそれを後押しする婚活・ブライダル振興議員連盟(会長・三原じゅん子参議院議員)の働き掛けも大きいと言える。国の動きが加速化する一方、地方自治体においてはまだまだブライダル事業者との連携に温度差はある。もちろん未婚少子化対策に貢献していくことも大切ではあるが、それ以外の軸で地域に果たしていく役割もあるのではないか。そこで元三重県知事であり、現在は衆議院議員で婚活・ブライダル議連の事務局長も務めている鈴木英敬氏を直撃。地方行政の現場のトップとして地域活性化を推進してきた視点も踏まえて、ブライダルに対する新たな期待を紹介していく。
式年遷宮を観光に活かす
――ブライダル業界は、未婚少子化対策への貢献だけでなく、地方創生や観光振興などに果たしていく役割も大きいと考えています。その点で鈴木議員は元三重県知事を務めていましたし、この両面からブライダルへの期待もあるかと思います。
鈴木「結婚式を応援していくのは必要なことであると共に、地域全体、そこに住む多くの人たちに恩恵があるような支援の在り方ができれば、それはよりいいことだと思います。」
――三重県知事時代には、常若(とこわか)婚、真珠婚といった取り組みにより、地域の振興策で実績を積んできました。
鈴木「三重県の場合、伊勢神宮の20年に1 度の式年遷宮を、どう観光面に活かしていくかが戦略なわけです。私が知事を務めていた平成25年は第62回の式年遷宮のタイミングでしたが、その時は伊勢神宮に1400万人の人が訪れ、その後も平均的に800万~900万人が来るようになりました。この周期を活かしながら、派生する色々なコンテンツで三重県の魅力を発信していく。例えば結婚をする場所としてもそうですし、新婚生活をする場所、移住をする場所、観光する場所として、いかに選んでもらうか。私は【希望がかない、選ばれる三重】を旗印に、その観点からウエディングについても絡めてやってみたらどうかということで始めたのが、JALとの協定に基づく常若婚です。」
鈴木「JALとの協定にはそもそも2 つの意図があり、1 つは三重県の観光振興。2 つ目は三重県の食を売り込みましょうということでした。協定に基づいて、JALの機内食に三重県の食材を使ってもらうなど別の取り組みもありました。その流れの中で、三重県を訴求するわかりやすいコンテンツのひとつとして進めていこうと始めたのが常若婚。伊勢神宮の近くの二見興玉神社には夫婦岩があり、夫婦、あるいは家族の絆を結ぶメッカだったことで、それも活かしながら地域観光と結婚を絡めた企画です。【常若】は常に若いと書きます。伊勢神宮も20年に一回場所を移すため、常に若々しく瑞々しくあろうというわけで、まさに結婚生活も夫婦共に常若の気持ちを持って、絆を大切にしてもらいたいという想いを込めています。三重県の保有する観光の素材とストーリーを、結婚という新たなコンテンツと掛け合わせ、結果として観光する場所として選んでもらうことが目的だったわけです。」
鈴木「常若婚プロジェクトでは、記念品として伊勢春慶という伝統の漆器の技術で箸を制作。常若婚1DAYタクシープランを設けて、伊勢神宮や二見興玉神社を周遊できるようにしました。その他にも常若婚ツアーガイドの育成、JALと一緒にプロモーションも強化。伊勢市では伊勢TOKOWAKA協議会を発足し、結婚、婚礼を入り口に地域産業に波及させるという仕組みを色々と作っていったわけです。常若婚は、2015年にスタートしましたが、ちょうどG 7伊勢志摩サミットを翌年開催することが決まった直後のタイミングで発表しました。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月1、11日号)

