LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

第8回〔1バンケ月10件獲得できるトッププランナーへの道〕『無形商品』にフォーカスしたトーク術、想像力を掻き立てるプレゼンを目指す【TRINITY BRIDAL 代表取締役社長 新井寿美氏】
ハード以上にソフトを語る
前回の連載7 回目では、①自社の売りから話を展開する、②聞き手が理解しやすい順番での案内を心掛ける、③顧客に“ 3 D眼鏡”をかけられるように立ち位置にも配慮する、というプレゼンテーションの基本的な3 点を話しました。今号では、最も大切な核心について述べていきたいと思います。
過去の連載で、「結婚式は有形商品と無形商品、どちらも有する複合商品である」とお伝えしました。プレゼンテーション(=会場案内)において、有形商品(ハード)はカップルが自身の目で見て確認ができます。しかしながら、素敵なチャペルだから感動の挙式になるか、おしゃれな会場だから心に残る披露宴になるかと問われたら、答えは「NO」ですよね。
皆さんはすでにご周知のことと思いますが、結婚式・披露宴がいかに感動し、心に刻まれる1 日になるかは、無形商品(ソフトやスタッフの接客)にかかってくるといっても過言ではありません。プレゼンテーションで多く語る必要があるのは、ハード以上に実はこの部分なのです。
例えば、チャペルや神殿の中でその造りや景色、着席人数ばかり語っていないでしょうか?バージンロードの長さも、ステンドグラスの素敵さも、収容人数100名超えの広さも、すべては目で確認できるハードです。
それ以上に、挙式の内容や結婚式当日の新郎新婦・ゲストの実際の表情を、もっともっと語っていくことが重要です。そのうえで、「このステンドグラスがあるから、更に感動の挙式になりますよ」など、ハードはあくまでカップルを引き立てるためのものであることをお伝えしましょう。
今の世代は想像力が乏しいといわれています。インターネットが普及して、情報が簡単に手に入る時代。本を読む必要もなくなり、いつでも動画で情報収集できるようになりました。そんな便利な時代には、想像力が以前ほど必要なくなったと言えます。見学に来るカップルはまさにその世代。「ここで結婚式を挙げると当日はどうなるのか」は、先輩花嫁のインスタなどから知識を得ています。言い変えると、全ては他人を通して結婚式(と披露宴)を見ている、ということです。
だからこそ、「もしお二人がここで挙式(と披露宴)を行ったとしたら」という、想像力を掻き立てるような内容でトークを展開していきましょう。新郎新婦やご家族、ゲストの方を実際にトークの中に登場させることで、簡単にイメージができるようになります。一方で、そうしたトークには新郎新婦や親族に関して、友人に関してなど、様々な情報が必要不可欠。ヒアリングですべてを聞くことは時間的にも難しいはずなので、案内しながら「ところでお二人の親御様はご健在ですか?」など、少しずつ聞いて情報収集していくのがオススメです。
『お二人の結婚式』を伝える
また、どこで結婚式をするかにフォーカスしてしまうと、どうしても営業的になるので、どんな結婚式をするかに焦点を当てるようにしてください。カップルが「ここで挙げたい!」と思ってくれれば、多少金額が高くても、希望通りの日取りでなくても、初見でも成約に繋がります。見積もりが高いから決まらない、他も見たいから決まらない、と嘆く前に、まずは圧倒的な熱量で『お二人の結婚式』を語ってください。自社の結婚式ではなく、『お二人の結婚式』です。
「クロージングが弱いので、そのやり方を教えてほしい」と、相談を受けることもあります。実のところ、プレゼンテーションが充分できていれば、ノークロージングで決まるのです。成約への近道は、プレゼンテーションを磨くことに尽きると言えるでしょう。
そこで1 つ懸念点があります。それは、カップルと同様にプランナーの想像力も低下していること。一方で、想像力は簡単に鍛えることができます。方法は色々あるかと思いますが、日々人とコミュニケーションを取る際に、相手目線で考えるようにすることをオススメします。なぜ今日は口数が少ないのか、どうしていつもと違う髪型にしたのかなど、些細なことでも相手の気持ちに立って考える練習をしてみてください。想像力が鍛えられると、プレゼンテーションのクオリティーがアップしてきます。
次回はプレゼンテーション後の、セミクロージングの話をします。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月11日号)

