LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

第3回《集客体制を強化する法》集客チームに外部人材を起用する【ベック ミッテ事業部 山中扇氏】
昨年からコロナが収束傾向となりましたが、自社集客に対する当社への問合せ数はコロナ前の3 倍になっています。大半の中小会場では、集客業務をWEBに寄せているものの、専門的過ぎるがゆえにプランナーで対応するには難しいという声です。特にWEBマーケティングは劇的に進化しているため、集客戦略立案、予算立て、クリエイティブ、HP施策などもスピーディーな改善が求められています。進化に対応するための選択肢としては依然として自社で対応していくか、それとも外部の業務支援会社を使っていくかの2 つ。最近の状況を考えると、後者の方がお勧めかもしれません。
例えば自社集客を目的にHPを制作する際にも、アクセスレポートやリスティング、SEOなどの知識を発注する側が分かっていなければ、何をすべきなのか、どこに不備があるのかも会場側の目線で分からないまま進んでいきます。そうなると、ゼクシィ誌面を作る感覚で、ルックス重視になりがち。ゼクシィ誌面は作れば完結するのに対し、HPはその後に運用していくチャンネルという違いがあり、それを考慮しなければただ作っただけで運用は途切れてしまい、結果としてその後に様々な制作会社によるつぎはぎ状態となって迷走してしまいます。
こうした対応も、大手であれば相応のWEB知識を持った人員による社内専門部署を設けることは出来ます。人員、資金面から中小会場はそこまでは出来ません。
では、これまでのようにプランナーが結婚式の業務と並行してマーケティングを担っていくとどうなるか。WEB広告に関しても、広告代理店に運用を委託することでHPへのアクセスは高まります。そこで課題になるのが、果たしてアクセスしてくれた人たちは、来館してくれる可能性のあるユーザーなのか。
ブライダル業界に精通していない広告代理店でよくあるのは、アクセスを増やす取り組みを進めがちです。当社の運営しているレストランミッテを例にとれば、「大阪で結婚式を探している」、「料理に高い興味を持っている」のが濃いユーザーであるのに対し、仮にアクセス数を増やすだけの運用をすれば、「レストラン」という言葉をフックにした方が裾野は広がります。つまり、その中に結婚式を考えている人はどれだけいるのかという問題が生じ、薄いユーザーばかりでは本来の目的を果たせなくなります。
これはエリアについても同様で、代理店はターゲットになりうるローカル情報を知らないこともあって、リスティング広告でも可能性の低いエリアにかけてしまいます。実際にアクセスは集まっても来店に繋がらないという会場に行って中身を見せてもらうと、エリアの選定が全く合っていない、年齢制限をしていない、さらにキーワードが会場とアンマッチになっているという状況になっていることも少なくありません。代理店のコントロールをするのが集客担当の役割であり、それを知識のないプランナーに任せた場合、そうした分析もできないままに余計なコストを垂れ流すことになります。
中小会場であっても社内に集客チームは作ったほうがいいのはもちろんですが、知識のない状態ではその中に外部スタッフに入ってもらい、2 、3 年は一緒に運営していく体制を作る。その間にマーケティング知識のある人材を採用するか、またはチームスタッフ一人は専門的な知識を高めていきます。SEO、WEB広告を自ら運用できるレベルで、Googleアナリティクスも分析できるように。そうなると、HP制作会社やWEB広告代理店など外部のコントールも可能となり、さらに効果測定と結果を数字にしてロジカルに経営者へ報告できるようになります。
もう一つ、経営陣にもWEBリテラシーは必要になってきます。集客チームから上がってくるロジカルな報告を理解できるかどうかで、コストのかけ方も変わり、チームが集客に対して効果を発揮できるかにも大きく関わってきます。HP制作についても、ルックスを見てこの写真の方がキレイ、赤がいい、青がいいというレベルの問題ではなく、その後の運用こそが重要。ゼクシィの誌面のようにどっちのルックスがいいという感覚的な発想ではなく、ロジカルに捉えていくべきです。なぜアクセス数は増えているのに、来館予約は増えていないのか、少なくともその分析のできる程度に高めることで、集客チームとの共通言語ができます。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1-11日新春特大号)

