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キーマンに聞く

第3回 ー誰もがハイパフォーマーにー ブライダルAI活用のメリット≪根性論を捨て、データ を使いエースに育てる≫【TIPLOG 代表取締役CEO 高津守氏】
結婚式場経営において成約率向上は、最優先の課題であり、多くの会場では支配人やマネジャーが日々熱心にプランナー教育にあたっています。しかし「指導しても新人が育たない」、「成約率が上がらない」という悩みが絶えません。なぜ、熱心な指導は空回りしてしまうのでしょうか。
原因は、指導が「感覚」と「根性論」に終始している点。例えば、あるプランナーの成約率が落ちてきたとき、多くのマネジャーは「とにかくロープレをやりなさい」と指示を出します。しかし、どこに課題があるか見えないまま「ざっくり全体を練習させる」のは、理由を分析せず「バットを1000回振れ」、「走れ」と命じるのと同じ。ボトルネックを特定しない全体ロープレは、時間を浪費し、現場を疲弊させるだけです。
ある導入式場で起きた、中堅プランナーのスランプと即日解消のエピソードを紹介します。そのスタッフは突然、新規成約率が急落しました。従来の指導であれば、「気合を入れ直せ」と精神論を語るか、長時間の全体ロープレを強いるでしょう。そこでは音声解析AI【Phonoscape】の会話ログ分析により、一瞬でスランプの「真因」をあぶり出しました。データが示したのは、彼女の会話のキャッチボール比率と特定スクリプトの通過率の異常。彼女は接客の「慣れ」から、最も重要な「顧客の潜在的な価値観を深掘りするステップ」を無自覚にスキップし、顧客ニーズを引き出さないまま商品説明に入ってしまっていたのです。原因が分かれば指導は極めてシンプル。「ロープレ全部」を行うのではなく、「冒頭10分間のカウンセリングの質問内容」だけに絞ってピンポイントで軌道修正を行いました。面談わずか15分で、そのスタッフは翌日の商談から本来のパフォーマンスを取り戻し、成約率はV字回復を遂げました。
この事例から学ぶべき、AI時代のマネジメントにおける最も重要な約束事とは、「AIによる分析・スコアリングデータを、スタッフに直接突きつけてはならない」というガバナンスの鉄則です。AIによる客観的な評価データは、まずマネジャーだけが閲覧。AIから直接「あなたの接客はここがダメ」と減点評価を突きつけられれば、スタッフは監視されていると感じ、確実に萎縮します。データは必ず、「マネジャーの温かみある言葉」というフィルターを介して現場にフィードバックします。
客観的なデータがあるからこそ、プランナー自身も「責められている」と感じることなく、自分の課題を100%の納得感をもって受け入れられます。モチベーションを高く維持したまま「ピンポイントな素振り」に集中できる環境を創ることこそ、テクノロジーによって人の成長を最速化させる接客DXの真髄です。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月21日号)

