LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

毎月1日号連載:第11回:《集客UPの方程式》【回答エンジン】で変わる集客法②【ベック(ミッテ)取締役 大前友美氏】
前月に引き続きAIの【回答エンジン】について。前回も紹介した通り、ある会場をピックアップし、「どういう会場ですか?」という質問をしました。
フェローでも同じ質問をしたところ、パープレで出てきた回答とは違っていて、さらに関連画像なども引っ張ってきました。動画部分をクリックすると、会場の様子を映像でも確認できます。このツールでは40のソースから導かれた回答であることを示していて、カップルのレポートや評判としては「費用が予想以上にかかった」、「アイテムについての事前説明が不足している」といった会場にとっては嬉しくない厳しい指摘も見られました。
クチコミとSNSからは、費用の透明性や特定サービスの情報提供面について「改善の余地がある」という記述に。Googleマイビジネスでの悪い口コミも引っ張ってきて、費用やスタッフに関する具体的な内容も出てきます。
実際に【回答エンジン】を使って、結婚式場の特徴や評判を聞いたわけですが、そこから考えられる今後の集客への影響は右下の通りです。まず今のユーザーはゼクシィの式場紹介情報だけでなく、クチコミ、SNSでのリアルな声など、複数媒体を使って情報収集するのは当たり前になっています。そう考えれば、AIツールの機能は非常にタイパ面でも優れているため、今後はますます使われていくだろうと考えておいたほうが良いでしょう。
またこれまでブライダル業界は、ビジュアルの表現が華やかな一方、リアルとのギャップは大きかったと言えます。AIツールを使えばリアルを簡単に知れるからこそ、ビジュアルとギャップが大きいのはリスクになるでしょう。前回紹介したように、例えば椅子だけを変えて「リニューアルと言っておけば大丈夫」というのは、簡単にリアルを知れるようになれば通じなくなってきます。
【回答エンジン】では、SNSや画像から情報を引っ張ってくるものもあります。その場合、SNS対応を片手間にやっていて投稿されている写真も良くなければ、それも明らかになります。ゼクシィの誌面にどれだけおしゃれな写真を出していても、【回答エンジン】の結果を確認して離脱してしまうという現象も起きかねません。
自分たちで認識していない、悪いレビューも発見されます。クチコミサイトの「みんなのウェディング」、「ウエディングパーク」の両方に対応していればある程度把握しているでしょうが、どちらかとしか契約していない会場もあります。例えば、「みんなのウェディング」だけの契約であると、そのクチコミの返答は頑張っているのに、もう一つの「ウエディングパーク」の方は確認さえしないという状況も出てきます。結局は全てのクチコミを把握・管理しておかないと、ユーザーの方が悪い評判に早く気づいてしまうリスクも今後は高まっていくでしょう。
以前、Googleマイビジネスを放置している会場もあると紹介しました。これも同様にリスクで、仮に悪いクチコミが投稿されていると、その内容をAIエンジンが自動で拾ってしまい、ユーザーに表示される可能性もあります。
一方、実際の会場検索を試してみて見られた傾向として、会場の公式サイトで「特典付き」、「ベストレート保証」などを打ち出していると、【回答エンジン】では「式場の公式サイトが一番得」と判断されるようで、複数のツールでそう紹介されています。このことから、出口はゼクシィではなく公式サイトに偏る動きが強まり、ゼクシィのコンバージョンはさらに減少するのではという見方もできます。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月1日号)

