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連載10《今こそ基本に立ち返る 地方施設のプッシュ型集客》今こそゼクシィの活用方法を再考する【ティール 代表取締役 工藤 慎也氏】

連載10《今こそ基本に立ち返る 地方施設のプッシュ型集客》今こそゼクシィの活用方法を再考する【ティール 代表取締役 工藤 慎也氏】

前回の記事ではアナログ施策の再評価を行うなかで、ゼクシィ本誌の出稿が再び増加している背景とその影響力の根強さ、またリニューアル後の都市部への流出や、大手と中小会場との格差拡大について整理しました。今回は続編として、ゼクシィと自社集客の関係について掘り下げていきます。
「結婚したらゼクシィ」。このフレーズに象徴されるように、ゼクシィは結婚という人生の節目において、強力なリーチを持っています。この一点に到達するには、本来であれば膨大なマーケティングコストとリソースが必要ですが、ブランド想起力こそゼクシィ最大の価値であり、多くの式場が認知される起点になっています。
実際、外資系ホテルやレストランなど、ベースブランドのある施設を除けってもらう」ことで集客導線が始まっています。つまり、ゼクシィ本誌を見たカップルはその後、ゼクシィnetや自社HP、その他のポータル、エージェントに移行していくというカスタマージャーニーです。
ところが、2024年のゼクシィnetのリニューアル(それ以前の本誌掲載規定の変更なども含む)以降、集客・送客力は実質的に低下しました。さらに、ポータルサイト間での来館特典競争も影響し、比較検討の段階で他メディアへ流出するカップルの傾向も強まっています。その結果、「自社集客できているように見えても、実際にはゼクシィ経由のカップルが他メディアを経由して来ているだけ」という“スライド構造”が生じやすくなっています
。WEB広告やSNS施策を推奨するコンサルや代理店のその成果の多くは本来ゼクシィから得られたはずの反響の置き換えであることも少なくありません。にもかかわらず、GA 4 や代理店からのレポートといったデータ化しやすい成果だけ見てしまうと、ゼクシィ本誌のような「見えにくい資源」の価値を見誤ることになります。
本来あるべき姿は、各チャネルの機能を冷静に見極めた「全体最適」のマネジメントです。例えばゼクシィで認知と動機づけを担保しながら、一部補足的にディスプレイ広告やチラシで気づきを作り、リスティング広告で取りこぼしを防ぐ。このように全体を設計することで、初めて来店総数の確保という目的が達成されます。今こそ、ゼクシィを「どう位置づけ、どう設計するか」を再考すべき時です。
最後に、プレゼント婚について触れておきます。一見「自社集客」のように見えても、実態は信頼残高の食いつぶしで、将来の顧客資源を早期に消耗しているに過ぎません。フォト婚層の一部を取り込める利点はありますが、それを上回る負の影響も大きいです。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月1日号)