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キーマンに聞く

新規の見積もりを最短1分で作成【PIEM システム技術部 統括 松浦 孝博氏・PIEM 代表取締役社長 宮城 光一氏・東京會舘 常務取締役 星野 昌宏氏】
PIEM(福岡市博多区)は6月、新規の見積もりを最短1分で作成できるシステム【COTORIS】をリリースする。見積もり作成時に必要なマネジメント層の裁量を反映させている新システム開発にあたり、多くの企業にヒアリングを重ねていったが、その1人が東京會舘(東京都千代田区)の星野昌宏常務。システムの内容と共に、見積もりのパターン化という考え方を、PIEM宮城光一社長、開発部門の松浦孝博統括と語り合った。
間違いを防ぎ時間も短縮
――開発の経緯は。
宮城「これまでのブライダルシステムの課題としては、ボトムアップ中心でマネジメント目線を反映していないという面がありました。星野さんをはじめ、他社のマネジメント層にヒアリングをしていくと、月額数万円で機能を徹底的に絞り込み、マネジメント目線で使えるものを求めているということで、新たに開発したのが、新規の見積もりを最短1 分で作成することのできる【COTORIS】です。」星野「新規接客の見積もりの本質を考えると、一人一人の新郎新婦に対しイチからカスタマイズで作っているのではなく、実は一定パターン化されているわけです。しかもマネジメント層から見ると、現場スタッフに勝手に作らせるのには否定的。理由としては、第一に間違いを防ぐため。新郎新婦が入れてほしいと言っていたものが抜けていれば、後々クレームになりますから。また成約のために、割引額などを勝手に決められてしまうのも防ぎたい。逆の言い方をすれば、現場に見積もりを作らせないのは、そうした部分をマネジメントがコントロールするためです。とは言え、現場スタッフに確認をしながらマネジメント層が見積もり作成するのは時間もかかって、新郎新婦を何分も待たせることになれば不満を与えてしまうのも事実。そうした課題を解消するために、パターン化されている見積もり作成のプロセスをシステムに入れ込むことで、現場でも一定制限のもと作れるようになるのは、マネジメントとしても助かるとアドバイスしました。」松浦「見積もりのパターンは各社で大差はないものの、思想は異なります。時期によって値段を変えている会場もあれば、六輝に基づいた価格プランを設けている会場もある。まずは割引のほとんどない東京會舘のパターンをパイロット版として作らせてもらい、各社の個別のマネジメント思想に合わせて設定していくようにしました。」
――見積もりのパターン化と、それをシステムでどのように対応しているのでしょうか。
星野「当社の場合はまず、挙式のスタイルによって衣裳がある程度決まります。簡単に言うと、神前式であれば和装で白無垢か色打掛、チャペルの場合には和装はほとんど出てきませんが、仮に人前式ならば和装から始まることも考えられる。つまり初めの入り口として、挙式のスタイルと衣裳の組み合わせがある程度パターンになっています。そうするとヘアメイクもそこに紐づき、さらに和洋で小物も決まってきます。」
松浦「システム上では、見積もり作成時に挙式スタイルを選択すれば、【和・洋】【洋・洋】など衣裳のスタイルが自動的に表示されます。さらにヘアメイク、小物も自動で出てくる。細かく言えば、神殿式の場合にはフラワーシャワーもありませんし、ブーケもない。必要のない小物は表示されず、仮に必要だという場合には後にオプションで選べるようにしています。」
星野「要は挙式スタイル×衣裳×ヘアメイク×小物のパターンがあらかじめ入っていて、それにプラスして列席人数、料理単価、引出物の単価と何掛けなのかを選択すれば、自動で即座に見積もりが作成されます。これは見積もりを作っていく上でマネジメント層が考えているロジックであって、それをPIEMが仕組みにしてくれました。」
宮城「他の会場でも順番や考え方は若干違いますし、例えば特典で100万円引きなどを目立たせたいという希望もあるでしょう。それは見積もりの表示の仕方を変えるだけで対応していきます。このシステムを使うのは現場なのですが、システムの中にマネジメントの目線が入っているため、実質はマネジメント層が作るものと変わらないというのが特徴です。」
軸は会場の思想に合わせる
星野「料理についてはプランの中に含まれる値段が反映されて、例えばドリンクは真ん中の5500円、ケーキはこのパターンというものをヒアリングの上で選んでいきます。花に関しては、当社の場合は高砂で15万円を下回ることはほぼないので、最初から15万円とデフォルトで表示するように設定してもらっています。新郎新婦の希望に応じて、プランナーが18万円、20万円とアップ分を入力。テーブル装花も当社の平均は1 卓7.5人換算であるため、人数を入力すると自動で計算して卓数を算出。この1 卓あたりの人数設定も、会場の事情によって設定できるのは非常に楽です。」
――現場プランナーが使用するにあたり、一定の制限とはどのようなものですか。
松浦「プランナーが設定をいじれないようにしています。極端な話、成約のために会場の決まり以上の200万円引きの見積もりを作れないようになっていて、割引率も上限もどこまでにするかをあらかじめ設定します。また履歴についても、リアルタイムで確認できます。」星野「当社ではほとんどありませんが、割引についての裁量はマネジメント層の権限になります。その裁量を、事前にシステムに入れてもらっています。」
松浦「このシステムで重視しているのは、ある程度裏側で全部作っておいて、とにかく少ない選択肢、項目で見積もり作成をできるようにと。パイロット版は東京會舘にお願いしましたが、会場によっては例えば料理もコース名の方が分かりやすいといったケースもあるでしょう。それも踏まえて、マネージャークラスにヒアリングをしたうえで、現場のプランナーが迷わない選択肢を組み上げていきます。東京會舘の軸は挙式スタイル、衣裳パターンであるものの、この軸も会場によって自由に変えられます。人数を軸にしてもいいですし、六輝を軸にしてもいい。そうした会場の思想をきちんと把握した上で、それぞれに設定していきます。」
宮城「ONE-Wシステムを20年間提供してきて、これまで様々な希望を受けながら、カスタマイズしてきました。ただ今回は月額3 万円~という料金で、独自のシステムとして提供します。ある意味当社としても大きな転換で、ONE-Wをこれ以上肥大化させるよりも、新たな個別システムをどんどん作り上げていって、最終的にはONE-Wをハブに繋げていくような選択肢も考えられるようになりました。その点では、当社にとっても有意義なシステム開発であったと考えています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月1日&11日合併号)

