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キーマンに聞く

マスターの称号は武器【Infinity 代表社員 笹木 純子氏】
BIAの運営するブライダルコーディネート技能検定の1級を取得し、2024年度のThe Master of Bridal Coordinatorコンテストではグランプリに輝いた司会会社Infinity(インフィニティー 広島市安芸区)の笹木純子氏。共にプランナーのスキルアップに主眼を置いたものだが、司会者にもその可能性を示したと言える。実技試験、ロールプレイング審査で発揮されたのはヒアリング力であり、その重要性を改めて再認識したと語る。
1級資格も一発で合格
――BIAのコンテスト参加は、ブライダルコーディネート技能検定1 級取得が条件となっています。プランナーのスキルアップの側面が強い国家検定を司会者ながら受検した経緯は。
笹木「それまでの事務所所属から独立したのは2019年で、同じタイミングで国家検定の1 級資格も取得しました。以前からブライダル系の専門学校から講師のオファーなどもありましたが、その時に結婚式のことをあまり理解していないと気づきました。そこでブライダルに関連する勉強をするようになり、そんな時国家検定がスタート。自分の時間を上手く使って勉強できるということでチャレンジし、1 級を取得したわけです。」
――一発で合格とのことですが、実技のロープレはプランナーとしての経験値が無ければ難しいのではというイメージです。
笹木「ロープレは、どちらかと言えばヒアリング重視。それであれば、司会業で普段対応している延長線上で十分事足ります。その後に試験官から質問を受けても、教科書の中に書かれている内容から回答できることであり、必ずしもプランナーでないと難しいということはないと思っています。そもそも司会打合せは、複数回のプランナーと異なり、1 回でしかも1 時間半~ 2 時間。その短時間で新郎新婦からの信頼を獲得し、なぜこのコンセプトに至ったかというような背景、さらに進行をキャッチアップしていきます。その意味では限られた回数、時間の中で的確に必要なポイントを打ちに行くというのは仕事柄得意であり、実技試験にもスムーズに対応できました。」
――The Master of Bridal Coordinatorコンテストにも挑戦し、初めての挑戦ながら一発でグランプリを獲得しました。
笹木「実は前年にもチャレンジしようと1 次審査用の論文を書いたのですが、提出期日を間違えて一日遅れてしまいました(笑)。マスターに挑戦しようと考えたのは、自分で分かっていると思っていても、最終的にジャッジをするのは周りの人。それならば客観的事実として、自分がどういうレベル感なのかを試してみたいと思いました。ファイナリストに残って当日のロールプレイング審査は、やはりヒアリングが大切だということを再確認する機会になりました。提案力も求められますが、時間も限られている中で無理に提案までしようとすると、コミュニケーションのないまま進んでしまう可能性も出てきます。時間配分などなかなか難しい面はあるものの、やはりヒアリングは全ての基礎になります。」
笹木「先日司会打合せ段階で、プランナーの作ったコンセプトが全く新郎新婦に刺さってないという事案に直面しました。事前に新郎新婦の温度感が低いとは聞いていたのですけれど、実際に打合せを進めても、コンセプトの由来になったワードは一切2 人から出てこない。最後にそれを指摘したところ、そのコンセプト自体新郎にしか関わってないことで、さらに新郎にとっても過去の話。未来を作っていく結婚式において、刺さらないのも当然なわけです。本来は2 人が未来にどうありたいのか、あるいは何を大切にして今があるのかのヒアリングこそ非常に重要なわけです。限られた時間の中で何を聞くか、何のために聞いているのかをちゃんとイメージしながらヒアリングすることは大切で、その点ロープレ試験はそのトレーニングの一環になったと思います。」
――翌年には、コンテストの審査員も務めています。
笹木「感じたのは、グランプリになる、マスターになるためのロープレになってはいけないということ。目的がそうであると、結局何か足りないと感じてしまいます。大切なのは、いつ何どきも目の前の新郎新婦に正面から向き合うことで、コンテストはそれを学ぶことのできる良い機会だなと。」
――グランプリを獲得した後の変化はいかがでしょう。
笹木「まず仕事面で露出が増え、それによって私を知ってくれている人も確実に増えました。私は広島で事業を展開していますので、例えばブライダル企業がこのエリアに進出するときには、『広島にはあの人がいる』という形で問合せに繋がっています。それを考えると、地方の人こそどんどんチャレンジすべきと思います。また東京や都市圏での仕事の話が舞い込むのも、マスターになった影響は大きい。例えば知り合い経由の話であっても、マスターであると説明すれば上司にも通しやすいでしょうし、現場の納得感も得られるでしょうから。司会のみならずプランナー向けの研修などを依頼されるのも、マスターの称号があってこそだと考えています。」
――国家検定もコンテストへのチャレンジも、いわば学びあってこそ。経験を重ねても、学びは大切との考えですね。
笹木「結婚式の共通言語を身に付けるのは大切だと思います。例えば司会側からすれば何故こうしないのかと思うことも、結婚式全体で考えたときには理由があり、それを理解できるようになるのは必要です。また知識を得るというのは、アップセルに繋がると思っています。なぜ必要なのかを言語化できますから。例えばペーパーアイテムに時間を使いたくなく、さらにコスト面を気にしていた新郎新婦に、誰も売れなかった席札キャンドルを販売したことがあります。プチギフトを兼ねるため別途で用意しなくていいのは、費用も節約できるといった必要性を言語化した結果です。他に媒酌人がいる、お坊さんの結婚式などの相談に乗れることで、信頼に繋がっていきます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月1日&11日合併号)

