LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

実践して見せるスタイルのコミュニケーション研修で成果を導く【トルチュリール 代表取締役 玉井 美輪氏】
ブライダルのみならず、他業界企業向けにもコミュニケーション研修を提供しているトルチュリール(東京都渋谷区)の玉井美輪氏。声、言葉、非言語も含めて【相手に伝わる】アウトプットを、これまでの経験をベースに実践して見せながら参加者にも体感・体現してもらうスタイルで、確実に成果に導くと高い評価を受けている。8月から本紙とのコラボ企画として、【伝わる!コミュニケーションアカデミー ~パートナースタッフの営業・接遇力UPを導く~】の研修をスタートするが、従来のコミュニケーション系セミナーとの決定的な違い、伝わる力向上の必要性など、注目のポイントを掘り下げていく。
表現の学びから伝える
――マインドセットをした上で、とらえ方・伝え方、さらに全身をアウトプットツールにした、「伝わる」接客・営業・コミュニケーションの研修を、ブライダル業界のみならず他業界企業向けにも幅広く展開しています。こうした研修はとかく座学中心になりがちですが、玉井さんの『体感し体現する』を通じて理論を伝えるというアプローチは、他とは決定的に異なります。
玉井「研修は、10年以上前から展開しています。コミュニケーションをテーマにした研修は、メソッドばかりに走ると非常に退屈なものになってしまいます。私の場合は“体感し体現する”“すぐに使える”を大切にしていて、参加者の気づきを重視しながら個々の魅力を活かせる研修として組み立てています。だからこそ、腑に落ちるわけです。セミナー全般に言えることですが、会社から受けさせられているから仕方なくという参加者の場合、会社側の求めている成果には繋がりません。そのため、まず参加者全員が成長できるような動機づけをスタートラインとしています。さらにAI時代においては、情報を取りに行けば誰でも簡単に学びを得られます。ただそんな時代だからこそ、最終的に人の心を動かすのは、やはり人の想いの熱量だと思っています。想いを相手の心に届けるアウトプットツールとして声、話し方、非言語などが大切で、それを最大限に活かした表現ができないまま取り繕った言葉だけでは、相手には届きません。全身で伝えられなければ、伝わる量という意味のコミュニケーション面で差をつけられないということです。そうした考え方から、まずはアウトプットツールの大切さの理解、表現の学びからスタートし、その上でメソッドに繋げています。」玉井「私の研修は体感・体現といった実践主体であるものの、もちろんそこには理論・エビデンス・心理学など様々な要素が含まれています。ただその要素をつらつらと文字や言葉だけで伝えていっても、参加者の心に印象は残りません。だからこそ声を出す、話す、立ち居振る舞いなど全てを実践して見せることによって、【伝わる】コミュニケーションを研修でも表現しているわけです。参加者にも一緒に実践してもらいながら理論を伝えることにより、体感として参加者自身の中にエビデンスが残っていく。例えば【声】ひとつとっても、私自身が実践できなければ、言葉で『お腹から声を出してください』と言うだけになってしまいます。言葉の意味は参加者も分かっているけれど、実際にどういうふうに出したらいいのかを教えてもらえるか、もらえないかは大きな違いです。私はオリジナルの逆腹式呼吸法と、最大限に自分の骨格や声帯を活かした声の出し方を伝えていて、声色の使い分けなども含め、具体的にどのようにするのかを解説し練習してもらいます。その結果自分の体が響き、【声】も変化することで納得感を得られ、体感として参加者の記憶に刻まれます。」
非言語のロールモデルを意識
――実際に玉井さんの研修では、どうしたら出来るのかをアドバイスしながら、やって見せてくれています。理論として詳細に覚えていなくても、そうした体験自体はいつまでも印象に残ります。また表情や立ち居振る舞いを含めて、非言語コミュニケーションのロールモデルとしての立場を、常に意識しているという印象も強いです。
玉井「体験自体を覚えているというのは、つまり参加者の中にエビデンスとして残っているという証。しかも実際に変化も生じるため、成功体験として楽しい記憶になります。そのために先ほど触れた声だけでなく、立ち方、歩き方、伝え方の抑揚など、様々な要素を同じように実践して見せています。病院で実施している研修のアンケートで、参加した看護師長からこんな評価をもらいました。『休憩時間にお水を飲む時、わざわざ後ろを向いて飲んでいました。そういうふうに、誰かに見られてないときにも配慮を感じさせる“美しい所作”のできる女性になりたい』と。マナー研修などは誰が講義をしても言うことは同じなのかもしれませんが、実際にやって見せる人によって参加者の感じ方も大きく変わります。」
――病院の話が出ましたが、ブライダル以外にも様々な業種向けの研修実績も豊富です。
玉井「保険会社やメーカー、不動産業界、病院、クリニックなど。中には結婚相談所に依頼されて、婚活者が成婚できるように印象力アップの講座も担当しています。内容も様々で、例えば契約率アップの研修では、事業者最下位だった営業マンが1 ヵ月でトップクラスに成長。テレアポ研修では、取次20%アップ。接遇研修により、紹介集客数が飛躍的に上昇するといった成果に繋がりました。また成果に繋がっていることで、その後も5 年、6 年と継続して研修を依頼する企業も多いです。」
売上に貢献できる学びを
――ブライダル業界でも、会場向けの研修で成約率アップに貢献しています。そうした成果をもたらす研修をより多くの人に提供していくため、今回本紙とコラボした合同研修、【伝わる!コミュニケーションアカデミー】をスタートします。対象はパートナー企業のスタッフで、1 名からエントリーできるようにしました。特に中小のパートナー企業の場合、社員数も少ないためなかなか会社全体での研修を企画できませんし、教育の仕組みもそこまで整っていない。新人社員の時期に本来必要な基礎的なビジネスマナー研修も実施できず、OJT頼みの土台の整っていない状態のまま営業や接客の仕事を任せるわけで、結果としてコミュニケーション面の課題によって、なかなか実力を発揮できないというのは多くの経営層の共通の悩みです。特に若手のコミュニケーション力に課題を抱えているパートナーも少なくない中、学びの機会を提供していきます。
玉井「基礎的なビジネスマナーを始めとしたコミュニケーションスキルを学んでいないと、名刺交換も不慣れのままで、さらに敬語も正しく使い分けできないビジネスパーソンになりかねません。特に中途採用の多いパートナー企業では、前の所属会社で学んでいるだろうと教育を軽視しがちです。例えば営業スタッフであれば、名刺交換一つで相手から軽んじられることも出てきて、結果に繋げられなくなります。また会場に入っているパートナースタッフであれば新郎新婦との打合せも必要になってくるため、メールマナーやテキストコミュニケーションが出来ていなければ、コンプレ発生の原因にもなります。逆にキチンと学んでいる営業スタッフは信頼されるビジネスパーソンとして人脈もどんどん広がっていきますし、接客スタッフであれば新郎新婦との円滑なコミュニケーションに基づきアップセルを提案すれば成果をもたらします。また会場とスムーズに仕事をしていく上でも、印象が良く誠意を伝えられる人であればお互いに尊重して共存できる関係になっていきます。」
玉井「ちなみに営業スタッフに大切なのは、第一印象で『この人の話を聞こう』と思わせられるかどうか。営業されるという前提であれば、『この人の話を聞いても意味がない』と思われると先には進めません。営業スキルはもちろん大切なのですが、それ以前に印象として『また会いたい』と思われるような人であるか。先ほど話したアウトプットツールの学びは、まさに印象をアップさせ伝わる力を高めることで、まずは大前提としてそこを整えていきます。」
――パートナー企業スタッフ向けにカスタマイズした研修の内容も、そうした考え方に基づいています。
玉井「第1 回目は、元大手式場のベテランプランナーを招いて、プランナーから見たパートナーに求めること、さらに私自身の司会の立場からパートナーの実情などをセッションで提供。その上で、参加者それぞれの立場で、成長ビジョンを考えてもらいます。第2 回から4 回までは、第1 印象と、第2 印象の非言語と声を徹底。3 回目に声そのものを学んでもらった上で、そこから電話対応を行います。またビジネスを円滑に進めるために絶対に必要な、テキストコミュニケーションなどもここで伝えていきます。5 、6 回目はマインドに関することで、捉え方と伝え方など。【究極の傾聴】も含めていますが、これを学ぶことによって自分自身が苦しくならない受容と共感が出来るようになります。」
実務に直結するメソッド
玉井「7 回から営業・アップセルの実務に直結するメソッドが入ってきて、基本の雑談や尋問にならないヒアリングなどを伝えていきます。9 回は、パートナーとプランナーとの連携不足によるコンプレも多いという実態を踏まえ、効率かつ信頼関係を築く報連相に重点を置きます。さらに今の時代に経営層や管理職から必要視されている、報連相にプラスし提案を学んでいきます。10回は相手を不満・不安・不信にさせないための応対と話法、クレーム応対。11回では、購買行動の心理学をもとにしたステップと、どこでどういうメソッドを使っていったらいいのかを具体的に示していきます。これまで学んできた声、話法、表情なども入れ込んでいきます。最終回の12回は、参加者の仕事内容に応じて、1 回~11回で学んだことを自身の業務に落とし込みをするという流れです。」
――経営層としては、期待をしながらなかなか成果の上がらないスタッフを、一人前のビジネスパーソンに改造してほしいという想いがあります。営業や接客のテクニックは本を読めばある程度学べるかもしれませんが、実際にこうしたスタッフに足りないのは、もっと本質的なコミュニケーション面であると感じられます。特に、キャリアの浅い場合には、自信もなく、自分が正しいかどうかも迷ってしまう。本研修を受講することによって、自信を持てる、挑戦できる、活き活きとしている、自分らしさを大事にする、前向き、そして相手も自分も尊重できるようになれば、自然と結果も出てくるはずです。
玉井「婚活者向けの講座では、実は先日も46歳でこれまで一度も恋人がいなかった人を、非言語コミュニケーションで整えていきました。その結果、笑顔は素敵になり、自信もつき、魅力があふれ出るようになりました。実は私の講座を受けた婚活者は、ほぼ全員が一年以内に成婚に繋がっています(笑)。プライベートでも仕事でも、マインドが整いコツさえ分かれば、目指している成果を出せるようになります。それを研修を通じて、1 人でも多くの人に伝えていきたいですね。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月1日&11日合併号)

