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司会が引き出すゲストの声【ブラス 代表取締役社長 河合達明氏】

司会が引き出すゲストの声【ブラス 代表取締役社長 河合達明氏】

 徹底的に当日施行にこだわりぬき、顧客からの評価を得ているブラス(名古屋市中区)河合達明社長のインタビュー最終回。前号にて本番では一貫制で入るプランナーの判断が重要と紹介したが、同様にクオリティを維持するためにポイントとなるのが司会者。河合社長自らが司会者出身であることから、同社は司会業務を内製化しており力量・センスを磨くために鍛えぬいている。今後はプランナーからの転身も検討するなど、妥協のない姿勢を聞いた。

BGMでシーンに導く
 ――当日の結婚式についてはプランナーが責任者として対応していますが、それ以外にもポイントはありますか。
 河合「重要なのは司会です。当社では司会を内製化していますが、最も厳しく指導をしています。披露宴において大切なことが何かを、まだまだ理解してないことも多い。喋りが上手い下手といったことはそれほど関係なく、むしろ喋らない方がいい時に喋ってしまう。列席者が聞きたいのは司会の話や感想ではなく、ゲストの声です。それをどう引き出していくかが、司会者の力量。自ずとポイントは限られてきます。例えば₂ 人のプロフィール紹介ですが、新郎新婦の赤ちゃんの頃の話はお母さんに、幼稚園時代の話であれば幼馴染に振ってみるなど。これをスムーズに進めるためには、やはり力量が必要です。とにかくゲスト、新郎新婦にどんどんマイクを向けていく。せっかく本人がいるのに、それを司会が喋ることは可笑しいわけですから。もちろん新郎新婦も列席者もいざ話そうとしても緊張はしますから、話しやすいように質問をしてあげるのも大切。ただ司会者が話した方がいいこともあって、例えば₂人の学歴や成績、子ども時代に得意だったことなどは、自慢のように聞こえてしまうために本人からはなかなか言いにくいでしょうから、そこは司会が対応する。新郎新婦との打合せの際に、自慢に聞こえるようなプロフィールは入れなくていいという人もいますが、両親にとって我が子自慢は嬉しいことですから絶対に入れるべきであり、嫌味にならないように司会者がスマートに紹介していきます。何を話して、何を話さないかは、本当にセンスの部分です。」
 河合「司会の次のポイントは中座です。私は以前からエスコートを取り入れていましたが、ここでもいかにいい質問ができるか。ありがちなのは、『ご指名いただきましたので、お母様どうぞ前にお越しください』と司会者が紹介し、『娘さんの手を取ってください、お手を取るのは何年ぶりですか』。これで感情の山は作れません。例えば、お母さんの好きな曲を突然BGMで流す。これは事前にプランナーがヒアリングし、仮にアイドルの曲であっても注目され場が和みます。この曲を好きなのは誰ですかと新婦に尋ね、お母さんにクローズアップ。その上でお母さんからライブに一緒に行ったなど、曲にまつわる思い出話を引き出すだけで、導入部分の緊張を和らげることが出来ます。場が和んだ後に、『娘さんのドレス姿はどうですか?』と入っていく。もちろんお母さんのタイプもジャッジした上で、どういうか振り方をするかもポイント。例えば笑いから感動にしていくのもいいですし、感動だけで一気に盛り上げていくべきか判断します。事前に相手のことを知っておくのはもちろん、当日に本人のタイプを見極めていく必要も出てきます。」

 

余計なことは言わない
 ――確かに余計なことを言いすぎると、司会ばかりが目立ってきてしまいます。
 河合「ネタバレをしてしまう司会者もいます。『会場のあちらを見てください、キッチンがオープンします』と。会場としてはせっかくの見せ場なのに、何故先にキッチンと言ってしまうのか(笑)。例えば列席者のスピーチに関しても、上手な話しであればその後に何も言う必要はないのですが、『これからもずっと友達でいてください』などと余計なことを言ってしまう。足りないなという時に、この人からはもう少し何かを引き出せると判断できれば、一つ二つ掘り下げていくだけでいいのです。当社も厳しく育ててきたつもりですが、こうしたことまできちんと理解した司会は₅ 人程度。まだまだですね。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、9月21日号)