LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

口コミは大事な手紙【ワールドサービス パーティープロデュース事業本部 パーティースタイルウエディング運営部部長 奥野 香氏】
顧客満足度、ゲスト満足度の高いパーティースタイルの結婚式を追求し、結果として参列経験、紹介などによるリピーター集客比率は全体の20%に達しているワールドサービスの運営施設。満足度を測るために、みんなのウェディングの口コミ、さらにGSアンケートを活用し、細かい改善を積み重ねている。後編となる今回は、口コミ、アンケートの収集方法、丁寧な返信対応の意識付けなどを。パーティースタイルウエディング運営部部長として、各店を統括している奥野香氏に聞いた。
【朝会】で全店に声を共有(前号から続く)
――顧客の声を基にした改善は、オペレーションもスムーズにしているようですね。
奥野「GSアンケートではゲストからの様々な指摘があり、例えば冬場はコートを着てくる人も多いためクロークが混み合うという声に対し、館内だけでなく屋外にもハンガーラックを設置して、なるべく待たせないような工夫をしました。冬場に実施するフラワーシャワーは寒いということで、受付で預ったコートをそのままチャペル前まで持っていき、コートを着たまま参加できようにもしました。挙式後に提供していたウェルカムドリンクも荷物を持ったままでは大変という指摘から、会場で着席後に提供する形に変更。これにより、乾杯後の最初のドリンク提供もスムーズになっています。こうした様々なゲストの声を収集して小さな改善を積み重ねることによって、ゲスト満足度の向上に確実につながっていると感じています。」
――GSアンケートによって、ゲストのリアルな声が知れるというのは非常に重要です。この集計結果を、その後どのように共有していますか。
奥野「集計については各店舗で担当していて、それを毎週月曜日に支配人が集まる【朝会】で発表し、具体的な改善をその都度検討しています。【朝会】によって、一つの店舗で起こった事象を全店舗でも共有できるようになっているのは大きいですね。またサービス社員のミーティングも定期的に実施して、課題点などに対応しています。単に“声を集める”だけで終わらせず、“改善する文化”として根づかせています。」
――以前から口コミサイトへの取組みも重視してきました。みんなのウェディング側に聞いた話としては、点数の高い評価はもちろんのこと、それ以外の投稿も合わせてまんべんなく集まっているのは、新郎新婦やゲストへの投稿の依頼がうまく機能している会場の特徴で、ワールドサービスの各店舗もそうであると。かつ返信も丁寧でユーザーにとって参考になる情報になっているとのことでした。口コミを数多く集めていく取り組みについてはいかがですか。
奥野「まずは新規来館のタイミングで、プランナーから2 人に対して『自分の評価にもつながりますので、ぜひ率直な声をお願いします』と依頼。また結婚式が終わって新郎新婦を最後に見送りする際にも、もう一度お願いしています。当社には社員の評価シートがあり、その中に口コミの項目も設定していて、会場の口コミ評価点数が、自身の評価に繋がるように制度設計しています。前期比で今期目標を置いていて、そこに向かってチーム一丸で取り組んでいく、改善していくという意識を高めています。前年よりもより良くと、口コミに対して全員で取り組んでいます。」
――GSアンケートの収集についてはいかがですか。
奥野「GSアンケートの回答率を高めるために、導入してからもかなり試行錯誤をしながら進めてきました。例えばお開きなどの際に新郎新婦からゲストに、アンケート回答用のQRコードを渡してお願いしてもらうという方法も取っていましたが、どうしても新郎新婦は忘れてしまうということも多く。最も効果のあったのは、再入場時の待ち時間での案内です。『2 人の再入場までの間に、アンケートにご協力ください』とサービススタッフから案内をしていて、これは一番回答率も良かったです。その他にも『シェフダイニング』の演出中に、ゲストが席に座っている時間を活用するなど、複数のタイミングで案内することによって、ゲストの負担にならない形でアンケートの回収率向上につなげています。」
他施設の口コミ参考に
――口コミに対する返信も重視しているそうですが。
奥野「返信については、店舗スタッフが担当しています。ただ返信を忘れないように、マーケティングスタッフとも密にコミュニケーションを取っていて、1 週間以内を目安にして常に状況を確認しています。返信の必要性は新卒で入社してきた時点から教え込んでいると共に、私は他社の口コミもできるだけ見て学ぶように伝えています。こういうコメントに対してどんな返信をしているかというのは学びにもなりますし、ユーザー目線で真摯に受け止めてるという姿勢が大事だと実感できますから。口コミはユーザーからの手紙であり、その返信に心を込める文化は何よりも大切にしています。」
――口コミ、GSアンケートの対応によって、顧客満足度が高まっていけば、自然と列席経験・紹介によるリピーター型集客も増えていくと考えられます。
奥野「紹介を促進していく取り組みとしては、各店舗で年に2 回、挙式済み夫婦を無料で招待するパーティーイベントを開催しています。もう一度当社のパーティースタイルを体験して当日を思い出してもらおうという目的で、夫婦にとっては『やっぱりここで挙げて良かった』、『誰かに紹介したい』という気持ちにつながっていきます。またこのイベントは、周りにいるカップルも一緒に連れて来てもらう仕組みにしています。店舗によって1 回80~100名規模ですが、毎回満席になり、そのうち10~20%が挙式済み夫婦と一緒に訪れるカップルという構成。そのカップルの半数程度は、結婚を考えている2 人であり、その後の来館につながっています。他にも紹介チケットを用意し、新郎新婦だけでなくゲストの引出物にも封入。またゲスト向けにLINE登録の案内をパーティー中にしているため、会場からダイレクトにPRできるようになっています。」
奥野「こうした取り組みによって、実際に根強いファンになってくれる人も多く、中には一人で10組以上紹介してくれたケースもあります。その理由の一つとして、料理の内容についても例えば季節の鮮魚などメニューを固定しておらず、挙式の約2 週間前にその時期の食材に合わせて決定しています。そのため、何度列席したとしても、そのたびに違う料理を楽しんもらうことができます。また、館内の装飾も定期的に変更するなど、何度訪れても飽きない空間づくりを大切にしています。こうした取り組みによって、店舗によっては列席・紹介といったリピート率は20%に達しています。今後は、30%以上に高めていければと考えています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月1日号)

