LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

全てを学べる【手作り】貫く【テイクアンドギヴ・ニーズ 料飲部門統括部長 蝶野功氏】
――T&Gで、20年以上キャリアを重ねてきました。
蝶野「25年になります。大手ホテルを経験した後に、中途で入社。ホテルの厨房はメインダイニングだけでも10人以上の規模であったのに対し、当社の1店舗の人数は1 バンケットあたり正社員4 人が基本。少人数運営は小回りも利き、力を発揮できる場面も多いことから自分には合っていました。」
――婚礼メニューは、全店舗統一なのでしょうか。
蝶野「現在は3 通りを設けている以外に、各店舗でオリジナルメニューも提供しています。中途採用のシェフもいて、様々なシチュエーションで仕事をしてきたわけで、それならばトップダウンの統一メニューで縛るより、それぞれ自分で考えメニューを作る方がよほどクオリティは高いとの考えです。」
――店舗間のヘルプも頻繁に行っていると聞きました。
蝶野「1 バンケットあたり正社員4 人を基本としつつ、店舗によって繁閑差もあるため、5 人のところもあれば3 人というケースも。各店舗の状況に応じて、忙しい場合にはヘルプで対応しています。そのコントロールは私が一括で管理しています。特にエリア全体で人数が不足している場合もありますから、バランスを見ていくことも大切ですし、学びの場でもあるためそれを考慮しコントロールしています。」
――エリアを超えてのヘルプもあるそうですね。
蝶野「例えば九州にいるスタッフを九州の中だけで回していても、限られた学びにしかなりません。伸びてきたスタッフに刺激を与えるため、1 週間東京でヘルプを経験させるといったことも必要です。当社では各店のシェフのオリジナルを尊重している面もあるからこそ、ヘルプに行くことでその技術を学ぶことも出来ます。」
――店舗での手作りにこだわっているのも特徴です。
蝶野「新卒スタッフになぜうちの会社を選んだのかと聞くと、『自分のためになる技術を学べるから』と言われます。ワンバンケットでそれほど多くないとはいえ、1 人で肉を10本ほど掃除しカットするという仕事もありますし、料理だけでなくデザートにも対応。つまり料理全てを、イチから覚えられるわけです。出来合いの食材も増えている状況ですが、仕事を覚えられるから入社したという新卒スタッフは毎年多いですよ。仮に効率化のために手作りを止めれば、採用は苦労するだろうなと考えています。」
――ブライダルの仕事の魅力は、どのように考えていますか。
蝶野「厨房の仕事は、間近で結婚式を体感することは少なく、いわば縁の下の力持ち的な存在。その中でも、例えば金沢出身だから加賀野菜を使ってほしい、お団子でケーキ入刀をしたいなど新郎新婦からの色々な要望を叶えることに喜びを見出してる人もいます。普通のレストランで働いていれば、こちらからメニューは提案しても、顧客の要望に対応するのはアレルギー以外では考えられませんから。そのためにも、全ての料理人に言い続けているのは、プランナーからそうした話が来た時にNOを言ってはいけないと。その要望は300万円〜400万円を払ってくれる新郎新婦からのものであり、料理人が出来ないと言ってしまうと、プランナーも伝えにくくなり、結果として受けないという雰囲気になっていきますから。」
――直接新郎新婦とコミュニケーションを取ることは。
蝶野「苦手な人も多いですからね。ただ仕事を見てもらうことは必要だと考え、オープンキッチンを作りました。これまではパントリーに窓を付け、盛り付けしているところを見せる程度でしたが、実際に肉や魚を焼いている、動いているところも見せたいと。手作りだからこそ、その気持ちはより強いですし。実際にオープンキッチンの会場は業績の調子も良くて、新郎新婦も望んでいるのでしょう。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月11日号)

