LISTEN to KEYMAN

キーマンに聞く

トップ商空間デザイナー杉山敦彦が語る【売れる施設づくり】デザイン事務所に依頼するメリット(THE WHOLEDESIGN代表取締役 杉山敦彦氏)

トップ商空間デザイナー杉山敦彦が語る【売れる施設づくり】デザイン事務所に依頼するメリット(THE WHOLEDESIGN代表取締役 杉山敦彦氏)

  商業施設では、空間デザインは商品そのもの。特にデザインが集客、成約に大きな影響を与えるブライダル施設は、商品力を高める上でもデザイン事務所に依頼するのは当然のことです。一流の空間デザインに精通しているプロに任せるべきという前提の上で、デザイン事務所に任せることにどのようなメリットがあるのか。

ウエディング施設のオープン時に、最もかかるのが工事費です。新たに1チャペル1バンケットの施設を作れば5億円以上かかり、仮に内装だけでも3億円となります。それだけの投資をするのですから、商品力を高める適正なデザインを施すのはもちろんのこと、そもそも工事会社の料金が適正かどうか。こうした点をデザイン視点からチェックしていくのも、デザイン事務所の重要な役割です。つまり、クライアントである施主とデザイナーの二重のチェックにより、工事を管理していきます。
設計やデザインを社内に抱えて、一貫対応する工事会社もあります。ただ、設計・デザインと工事では、そもそも利益の出し方が異なります。設計事務所やデザイン会社は、工事が始まる前にクライアントと契約し、決まった金額ですべてを委任されます。つまり、クライアントのサポート的な立場となるわけです。一方、施工会社の収益は工事です。そのため、第3 者的なチェックが乏しくなりがちで、客観的な目で見られなくなるというリスクがあります。海外では、商業施設の施行に関して、工事会社とクライアントだけで直接進めるということはあまり聞きません。それは第3 者的な視点を持つ機能がないと、様々な面で問題が生じる可能性があるからです。
施設施行においてVE、バリューエンジニアリングの考え方があります。これは、工事費の減額案を意味しているのですが、大切なことはいかに価値を下げずに減額していくことが出来るかどうか。例えば壁紙一つとっても、ただ安いものに変えていこうというのではなく、空間の価値をしっかりと担保した上で、もう少し安くていいものはないかということです。
このVEに関しても、デザイナー、設計事務所、工事会社、クライアントで考え方が全く異なります。多くの工事会社は、デザインなど関係なく、とにかく安い素材に切り替えていくというコストダウンをしがちです。一方デザイン会社は、空間のデザインを維持しながら変えていく。この違いは、お互いの最終ゴールが異なることに関連しています。工事会社の【作る】に対し、デザイン会社は【売れる】。デザイン会社にとっては作った後に【売れる】ことでクライアントから信用を得るため、ただ減額をすればいいという発想にはならないのです。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月11日号)