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キーマンに聞く

オリジナルW作り【創和プロジェクト 細川智氏・鈴木綾子氏】

オリジナルW作り【創和プロジェクト 細川智氏・鈴木綾子氏】

 今年の1月に全社員を対象とした、1.5%の給与のベースアップを実現するなど、働く環境改善の取り組みを推進している創和プロジェクト(札幌市中央区)。もともとスタッフの働くモチベーションは高く、今後の取り組みによってさらなる向上も期待される。オリジナルWの提供という独自のスタイルが社員からも支持をされているわけだが、現場目線から見たその仕組みとは。ワークライフバランスを保つための取り組みと合わせて紹介していく。

サービスはパフォーマー

――フォーマットのない、オリジナルWを作り上げていくための流れとは。

細川「当社は受注だけが別で、打合せ~当日施行までをプランナーが担当する分業制を採用しています。とは言え一組の新郎新婦に対して、4 人のエキスパートが寄り添って進むイメージです。受注は平均的に1 年前。8 ヵ月前に衣裳選びが始まり、半年前に打合せがスタートします。受注担当は、半年前にプランナーへ引き継ぐまでは、そのまま新郎新婦をサポート。ドレスのフィッティング予約や各種調整なども、受注担当が並走して対応します。仮に半年前以前から打合せをしたいとなれば、これも受注担当がケアしていきます。8 ヵ月前の衣裳打合せから、自社社員である衣裳スタッフが当日まで付きます。さらに半年前には引き継ぎはするものの、一緒にプランナーも入るイメージで、1 週間前にサービス担当者がさらに追加される。この4 人態勢でオリジナルWつくりの知恵を結集しながら、当日を迎える形です。」

――新郎新婦とのコミュニケーションをそれぞれの立場で維持されていることで、各業務のスタッフにとっては結婚式の仕事を志した時の【新郎新婦を祝福したい】という想いを実現しているとも言えます。サービスに関しても、単なる当日の配膳を取り仕切るという役割以上の位置づけだそうですが。

鈴木「サービスマン次第で、パーティーの質は大きく変化します。当社ではパフォーマー、おもてなし係といった位置づけです。例えばプランナーになりたいと入社してくるスタッフでも、その動機がいい結婚式を作りたいであれば、サービス部門で活躍してもらうこともあります。現場の結婚式を熟知しているサービスマンに、オリジナルWのヒントを求めに来るプランナーもいますし、サービスマンからの結婚式の提案も多いです。」

――オリジナルWをプランニングしていくためには、打合せについても通常より多いことが予想されますが。

細川「平均的に8 回、9 回になります。会社で定めたコンテンツを守っていくだけでも最低6 回になりますし、10回を超える人も珍しくはありません。例えば、リハーサルを別日に来てもらって実施することもあります。特定の演出をやろうとした場合、当日に万全を期すためリハーサルは大事ですから。サービスマンも集い、それこそ演出をサポートしてくれる予定のゲストに来てもらうことも。それ以外にMCの顔合わせの時は、一日を使って当日の台本を読み合わせする。挙式に関してはそもそも定型のセリフはなく、牧師には2 人の人となりに合わせたオリジナルの話をしてもらうため、この打合せもすべての結婚式で実施しています。」

――オリジナルWのためにそれだけこだわっていれば、当然打合せプランナーの負担も高まってくると考えられますが。

鈴木「結婚式に費やす時間を考慮し、しかもクオリティを担保していくことも踏まえて、担当本数は年間40に制限しています。例えばプランナーが3 本の施行を担当した場合、次の4 週目は休むといった調整です。リセットをする機会を作らなければ、惰性で進んでいるという感覚を持ってしまう可能性も出てきますから。仕事を楽しいと感じてくれるスタッフは多いものの、制度でワークライフバランスを重視しています。」

細川「現場では、出勤時間もフレキシブルに調整しています。例えば先ほどのリハーサルのように夜にしかできない打合せもあり、そうなると20時、21時からスタート。そうした場合には、翌日は15時出勤にするなどしています。現在は週に2 日、火曜日、水曜日を会場の定休日にしていて、顧客からの連絡も入らない日に休むなど時間をコントールしています。」

――店舗ごとの管理体制ではないそうですね。

細川「当社は4 つの結婚式施設を運営していますが、それぞれの店舗に支配人はいません。サービス、営業、プランナーそれぞれの部門ごとに支配人が置かれていて、4 店舗共通の横の組織となっています。シフトに関しても、プランナーであれば4 店舗の全員の管理を部門マネージャーがコントロール。所属は決めているものの、各会場の稼働状況を踏まえながらフレキシブルに対応することで、店舗ごとであれば30名は必要であったプランナーも、25名体制で済んでいます。ドミナントならではの体制ですね。受注の担当者も複数の会場を視野に入れながら、それこそ一回の来館で4 軒分のアナウンスができるのは大きいです。その分成約率も、5%~10%は上がりますから。また横の連携によって、オリジナルWのノウハウが会場を超えて共有できるのも、クオリティを担保するうえでは重要です。」

――ママさんの活躍を後押しする制度も設けています。

鈴木「ママになれば土日に休みが必要なことも出てくるため、勤務時間・給与を25%削減した時短勤務も選択できます。またプロ契約という制度も10年前から実施。一旦は退職したものの子育てが落ち着き、自分の対応できる範囲で担当できるという場合に、お互い可能な限り一件単位の料金で対応してもらいます。プロ契約の場合には、どの会場でも担当できるだけの経験を持っているといった条件もありますが、当社ではママになっても仕事を辞めたくないというスタッフも多いため、雇用の形態をその人に合わせていくことは大切。社員、プロ契約、時短がミックスしているイメージで、産休、育休の復帰率も100%に近づいています。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月1日号)