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キーマンに聞く

「カヌレ」10万個販売【ブライド・トゥー・ビー 代表取締役 伊藤誠英氏】
施設を持ち、サービス力のある人材を抱えているブライダル企業として、そのリソースを活用してどのような新規事業に乗り出すか。結婚式、宴会、レストラン需要が一気に落ち込んだ春シーズン以降、各社は様々な試みを仕掛けている。ブライド・トゥー・ビー(名古屋市瑞穂区)のスタッフは、5月以降汗まみれになりながら路面でカヌレを販売し、その経験がスイーツ事業の礎となった。社員が自発的に動く文化を作ってきた、伊藤誠英社長に聞いた。
10名のパティシエが在籍
――春シーズンは、ブライダル・レストラン営業共に厳しい状況の中、オリジナルスイーツの【カヌレ】を販売し、10万個を売上げたそうですね。
伊藤「2月に大手スーパーのヨークマートで、バレンタインの特別商品として売り出したところ完売しました。そうした経緯もあり、全国90店舗での販売がスタート。同時に5月中旬から、当社スタッフが名古屋の様々な場所の路上に簡易販売所を出して、直接販売も進めていきました。当社施設の前の道はもちろん、提携しているドレスショップやヘアサロン。知り合いのビジネスホテル、エステ店などにも頼み込み、店先を使わせてもらいました。当時は多くの店舗が休業状態であったため協力も得られ、市内の多くの場所でスタッフが汗だくになりながらカヌレを売っていたわけです。1個380円ですが、1日に1800個が売れることもあり、トータルで10万個に達しました。皆が頑張ってくれたので、夏のボーナスも支給。毎日様々な場所で直接販売をしていると、それぞれのエリアで、何曜日、どの時間帯に売れ行きがいいのかなども分かってきます。現在もこうしたデータを分析しながら、路上販売を続けています。」
――今回の経験をもとに、今後はスイーツを新規事業として積極的に展開していく方針です。
伊藤「当社は9月決算で、10月に新たなスタートを切ったわけです。ブライダル・レストランに関してはまだまだ先の予測が立ちにくい状況ですが、春シーズンの経験から、スイーツは新規事業として収益を確保することが可能だと判断しました。実際に、カヌレとアイスクリームを販売するショップを出店する予定です。大須の店舗に工場を作り、そこで全国のスーパーへの卸商品の製造を担っていくほか、1坪程度のサテライトショップも展開していきます。カヌレは、春の販売で多くの人にその味を知ってもらうことができました。アイスクリームについては、衛生管理や作業工程が難しいため、なかなか製造するのが難しい商品です。アイスクリーム製造の専用ルームを作ることで、レストランクオリティのオリジナル商品を卸・直販で展開すれば、新規事業としても魅力的だと考えています。」
――もともと昨年から、業務用冷凍スイーツの事業は手掛けていたようですが。伊藤「現在当社には、料理人が20名、パティシエも10名在籍しています。料理人に関しては、これまで派遣事業を展開していました。コロナ前の飲食業界は、料理人を募集してもなかなか集まらないという状態であり、例えば宴会などが入っている忙しい日に、5時間だけでも人が欲しいといった要望がありました。そうしたヘルプに対応するほか、伊豆の旅館では期間限定の住み込みで派遣することもありました。一方パティシエについては、そもそも町の洋菓子店には派遣需要もなかったわけです。そこで、ホテルなどで冷凍スイーツを導入するケースが増えていることに着目し、製造販売を始めました。」
――単なるスイーツ販売だけでなく、スイーツを通じて社会にメッセージを与えていくことも考えているとか。
伊藤「スイーツのみならず、ブライダルやレストランにおいても同様ですが、今の時代は会社の理念・コンセプトを発信し、消費者に応援者となってもらうことが大切だと考えています。スイーツの新規事業を軌道に乗せていくためには、同時に社会貢献をいかに進めていくか。例えば、カヌレを買ってくれた人にワンコインを返却し、新型コロナワクチン開発や教育支援など複数の社会貢献活動の中から一つを選んでもらって寄付行為をしてもらう。顧客自身に選んでもらうことにより、当社として大切にしている思いを理解してもらうと共に一人一人の社会貢献の意識も高まっていくでしょう。こうした仕組みをスイーツショップでも展開していく予定で、企業文化で勝負していきます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月21日号)

