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《Yumi KatsuraのTalk Session》全国の会場と連携【桂由美氏×近藤養造氏】
ユミカツラインターナショナル(東京都港区)桂由美氏によるトークセッションは、前回に引き続き創和プロジェクト(札幌市中央区)の近藤養造会長を招いての後編。オリジナルの結婚式を提供し、エリア内で圧倒的な施行数、単価を誇る会社を築き上げてきた近藤会長。その原点は、プロデュース時代に触れてきたホテル・式場の結婚式における会場都合の対応と、このままでは若者が結婚式をしなくなるという危機感にあった。フォーマットに捉われない結婚式の展開により蓄積してきた演出ノウハウを、一昨年から全国の仲間の会場と共有するDCメンバーズ制度を開始。人前式一つとっても全てが異なるからこそ、事例集としてプランニングの参考にすることが必要との考えからだ。ウエディングパーティのクオリティを高めるための、その取り組みを今号では語りあった。
ドラマ作りのプロに特化
桂「近藤会長は高校時代に、演劇や映画の世界に憧れていたという話がありましたが、私も演劇少女で、共立の中学から大学までの10年間、演劇部長を務め文学座にも1年間在籍していました。ですからウエディングの演出も時々対応していましたが、ブライダルファッション業界でやるべきことが多く、そちらまで手が回りませんでした。近藤会長ともっと早く出会っていたら、ご一緒に仕事が出来たのにと思うと本当に残念です。オリジナルの結婚式を作る上で、プランナーは一貫制を取っているのですか。」
近藤「営業と、新規で別にしています。やはりドラマを作るというのは、本当に好きな人がプロとしてやるべきだと思います。新規で何%獲得しなくてはいけない、今月何組成約しないと自分の成績が下がるといったプレッシャーを与えながら、同時に一つの舞台を作りなさいというのは酷です。得意分野は人それぞれ違いますので。」
桂「スタッフの採用や評価制度については、どのように対応していますか。」
近藤「営業、プランナーの採用は別です。また評価制度についても、いくらドラマ作りが好きでもモチベーションは続かないですから、顧客満足度を指標に作っています。顧客満足度は抽象的なものですが、それを数値化する努力を創業以来進めてきました。例えば終了カップルのアンケート。ポイントは、名前を書かせないことです。名前を書いてアンケートを求めると、お礼の手紙のようになります。そもそも不満を持っている人は名前を書かないですし、実はそれが一番知りたい意見なわけですから。そのアンケートの中で大満足という評価が、月に何件・年間に何件というのが大きな指標になります。それから紹介ですね。全体で60%の紹介率ですが、担当したパーティの中から何人の紹介があったのか。2人から、両親から何組の紹介があったかなど。」
桂「地方会場だと特にそうですが、1バンケットの場合友人と同じ会場でやりたくないという人も多いかと思います。新郎新婦側でも嫌だから紹介したくないという人がいますし、そのために初めから難しいと考える会場も多いです。その点、同じ会場でも全く別の結婚式になるという納得感があるからこそ、紹介率も高いわけですね。」
近藤「実は初めて会場を作る20年前に、北陸でゲストハウスを運営していた友人の社長から、新規会場はいいと思うけど、4年目から落ちるから気を付けるようにとアドバイスを受けました。特に地方都市の場合、3年間は売上も期待できるけれど、4年目からは下がると想定して資金計画や事業計画を立てたほうがいいと。これを言われた時に、すごく違和感がありました。本来であれば最初はどんな結婚式か分からないから、顧客が来てくれるかどうかも難しい。それが3年目、4年目になれば、いい結婚式が評判になって、顧客も来てくれると考えていましたから。どんな商売でも、4、5年目から上がっていくというのが普通です。そこで思いついたのが、とにかく紹介率を60%にすること。会場を作ると売上、年持たせるのが一般的でしょうが、私は一切それをせずに、唯一紹介で60%を埋めるということだけを追求してきました。4年目で実現し、それからは継続してキープしているわけです。」
結婚式を変えたい想い
桂「そうした結婚式の仕組みを、色々な会場とコラボして展開しているそうですね。」
近藤「DCメンバーズ制度です。各エリアの会場とチームを組み、同じ想いを持った仲間たちと結婚式を変えていく。そして若い人たちに魅力的で、お金、時間をかけてでもやりたいと思わせる結婚式を提供していく。現状、結婚式の実施率が50%を切りそうな状況で、結婚式なんて意味がないよという人がどんどん広がってしまうのは寂しいことです。それを変えていきたいと、全国7エリアの会社とチームを組んでいます。」
桂「北海道から全国に出張して、対応しているのですか。」
近藤「当社のスタッフがその会場に行って結婚式を一緒に作り、逆にそこのスタッフが北海道にも来ます。単に言葉で教えても魅力的なオリジナルの結婚式はできませんから、同じ会社の同じ結婚式づくりを進める要領でチームとして対応しています。ちょうど2年前にこの構想をスタートし全国からメンバーを募っていこうとした矢先、半年も経たないうちにコロナになってしまい。本当は20ヵ所程度になっているはずだったのが、まだ7ヵ所です。いずれコロナは明けますから、その時に向けて今後顧客にどんな結婚式を提案して、その地域で一番輝く結婚式場になれるのかを勉強したいという会社と組んでいます。今後は全国の47都道府県で、最低でも一店舗ずつ50ヵ所程度の拠点を作っていきます。演出も毎回当社のスタッフが新しいチャレンジをしているので、ジャックインザボックスという演出集を作り、随時アップデートしていきながら共有していきます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、9月1日号)

