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《DX推進特集〔業務効率化〕SPECIAL座談会》導入から運用開始までわずか1ヵ月【PIEM×The Place of TOKYO】
The Place of TOKYO(東京都港区・以下TPT)は2022年4月、PIEM(福岡県福岡市)の結婚式準備システム【ONE-W】を導入した。2022年秋にコロナ禍の延期に伴う日程変更の施行などが重なり、プランナーの業務過多は確実視されていた。新規から施行までの一貫制で一人当たりの担当件数は通常の5、6件から10件オーバーになることも見込まれ、そこでDX化による生産性向上に大きく舵を切った。システム導入に対し現場ではどのように対応し、課題解決に繋がったのか。伴走型で導入サポートに努めてきたPIEMの宮城光一社長と、TPTの3人のプランナーが語り合った。(PR)
ペーパレス化も実現
石川「ONE-W導入以前にも配席、引出物に対応するシステムを使用していましたが、基幹システムとは連携していませんでした。まず紙の引出物パンフレットを段ボールに入れて新郎新婦の自宅に送り、選択した商品名や商品番号、金額を新郎新婦自身が手入力。プランナーは入力内容をチェックしながら、基幹システムに入力していくという流れでした。新郎新婦からも、手入力の負担軽減はもちろん、ペーパレス化をしたいという希望は増えていました。引出物パンフレットだけでなく料理メニュー、各種チラシなど、とにかく膨大な紙の資料を渡していましたし、それを見ながら選択するには、結局自宅でしか準備作業は出来なかったと思います。コロナ禍で在宅勤務も増え、オンライン上で出来ることはないのかという問い合わせも増えていました。ONE-Wであれば引出物データがシステム内で管理され、新郎新婦にとっても手入力の必要がない。さらに基幹システムと連携していることから、ボタン一つでデータが移行するという点でプランナーの負担も大幅に減りました。」
宮城「導入から運用開始まで、平均的には6 ヵ月程度かかるものですが、TPTは非常に早くスタートしました。」
石川「とにかく9 月の施行から全て切り替えるという期限があったため、それまでに間に合うよう導入から1 ヵ月で運用を始めました。自分たちで動かしながら、その都度分からないことを確認。ただ、PIEMのスタッフに来てもらった最初の導入研修で、ほぼ分からない部分は解決したという印象です。」
水野「導入当時、私は産休中で、翌年の2023年4 月に復帰しました。そこで感じたのは、まだまだシステムを使いこなせていなくてもったいないと。以前使っていたシステムと同じ配席・引出物領域だけで、確かに基幹システムとの連携により楽にはなっていましたが、もっと出来ることはありました。私自身、子供がまだ小さくて施行担当を持つのは難しい状況であり、さらにその年の6 月~ 8 月にはリニューアルで一時閉館することも決まっていました。それならば現場の負担をもっと解消できるよう、せっかくあるシステムをそれまで以上に使いこなそうと、ONE-W活用のプロジェクトをメインで担当させてもらいました。目の前の新郎新婦に集中してしまっている状況では、なかなかじっくりと取り組めませんから、タイミング的にも良かったと言えます。」
石川「他にも出来ることがあるのは知っていて、例えば進行表作りや着付けの予約など。実質フルで使いこなせるようになったのは、水野さんが担当した後の2023年9 月からです。」
上野「私は2022年の3 月にTPTに配属され、9 月にデビューしました。打合せの始まる6月からすでにONE-Wだったため、使いこなしている先輩も多くスムーズに対応できました。当時は進行表などの仕組みを知らなかったのですが、フル活用が始まってこんなところまで出来たのだと思いました。」
石川「新人スタッフは、固定概念がないためスムーズに対応してくれています。」
上野「ただ、進行表作りに関して、フル活用する前は出力したフォーマットにプランナーが手書きで書いていました。持ち物リストも、エクセルで出した表に書き足すのがスタンダード。それに慣れてしまっていたので、メモをデータでどこまで残すのかなど、今でも悩む部分があります。例えば新郎新婦のサプライズは相手に見られてはいけないですから、それは手で書いた方がいいのか、それともメモで残すべきか。」
宮城「サプライズのような知られたくない情報は、新郎新婦に見られない設定もできます。新郎だけ、新婦だけが見られるということも可能です。」
上野「それはいいですね。解決しました(笑)。」
水野「現場で実践して、こういう風に変えられないのかという要望をくみ取るのが、私の役目でもあります。」
引出物の廃番にも即対応
石川「実際に導入がスタートして、現場では効率化を強く感じています。時間の削減はもちろんですが、間違いを防げるという安心感は一番大きいですね。進行表に関しても、例えば漢字や地名を迷った時に、新郎新婦の前でアタフタするのは好ましくない。漢字が苦手なプランナーでも、簡単に入力できるのは大きいです(笑)。また途中で進行がガラッと変わった時に、手書きの場合には毎回消してイチから作り直さなければいけなかったのを、今はその部分だけを修正して、打合せ時間も短縮できています。」
水野「TPTではキャンセルを防ぐために引出物パンフレットは成約直後に送っていたのですが、そうすると1 年前のカタログという可能性もあり、新郎新婦に選んでもらった商品が廃番ということもありました。」
石川「せっかく新郎新婦が選択してくれたのに、引出物会社に確認すると今は取り扱っていない。それを伝えて、また探してもらわなければなりませんでした。その点、システムでは引出物会社が廃番になれば外してくれるので、その時点で取り扱っているものしか掲載されないですし、不要なやり取りは省かれています。他にも商品番号や金額を誤って入力して、間違ったものを伝えるといったことも無くなりました。」
水野「新郎新婦の名前など、絶対に間違ってはいけないものがあります。ONE-Wでは基幹システムから名前を引っ張ってきて、全ての書類に反映します。プランナーが数多くの書類作成時に名前を一々入力する必要がなく、一番してはいけないミスをしてお叱りを受けることはなくなりましたね。手入力だと間違っていないかというチェックにも時間はかかり、その点では確認や照合の時間も少なくなり、何より安心感が違います。」
上野「書く作業は、本当に少なくなりました。今は直前で追加、変更の場合くらいです。」
石川「経理作業も楽になっています。新郎新婦に見せる上代以外に、下代もシステム上に登録していて、基幹システムに自動移行できます。それまでは、パートナーに何%の下代かを書いてもらって、その金額をプランナーが計算して基幹システムに入力していましたから。引出物をはじめとして、商品ごとにひとつひとつ計算するのが、本当に面倒な作業でした。」
水野「アレルギー対応のチェックも、フル活用時に変えたことの一つです。以前は紙で新郎新婦に書いてもらい、それをプランナーがチェックリストに書き移してシェフに確認。紙だと書き方も様々で、例えば卵であれば卵黄がダメなのか、卵白がダメなのか、火が通っていればOKなのかという細かい状況を聞きたくても、ただ卵に〇をつけて出してきます。それを打合せでもう一度確認していました。システムではプルダウンで選べるようになっていて、確認の作業は少なくなっています。」
上野「シェフと新郎新婦の間を、行ったり来たりする必要もなくなっています。」
水野「打合せ前のヒアリングも、今はシステムから回答してもらっています。」
見慣れた形での出力
宮城「ヒアリング、進行表の機能は、式場の運用実態に合わせてカスタマイズできます。フォーマット化されているものではなく、細かくどんなデータが欲しいのかなど式場毎の要望に合わせて作っていきます。」
水野「ありがたかったのは、もともと自社で使っている進行表のフォーマットを崩さずに、作ってもらえたこと。見慣れている形のままエクセルから出力できるので、運用上も大きな変化は必要ありません。進行表一つとっても、プランナーだけでなくサービスなど様々な部門の人が見ます。パートナーも含め全スタッフにとって見慣れている形は大切で、それを変えなくていいのはありがたいですね。」
宮城「新郎新婦への案内は、どのように行っていますか。」
石川「タイミングとしては、成約直後に案内しています。新郎新婦のプロフィールを入力してもらうページもありますし、会場のイベントのお知らせをポップアップで表示しているため、早いタイミングから使ってもらっています。」
上野「打合せ前に、フードフェスタという試食会を開催していて、システムで案内しているのを見ましたという声は多くなっています。」
水野「打合せ前の新郎新婦向けにウエディングスクールを開催しているのですが、その一つとしてONE-Wの使い方の講座もあります。スライドで画面を見せながら、操作方法もレクチャー。全員参加ではなくても、使い方を伝える機会を設けていることで、スムーズに活用してもらっています。」
宮城「新郎新婦画面にはマニュアルという項目もあって、その中にテキストでの案内のほか動画説明も用意しています。コールセンターもありますが、操作についての問い合わせはほとんどありません。」
水野「コールセンターの電話番号が書いてあるのも、現場としては助かっています。コールセンターの表示がないと、窓口がプランナーになってしまい、操作に関する問い合わせに対応しなければなりませんから。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月1日号)

