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《納得を引き出す営業テクニック-Vol.11-》人は得する喜び以上に損する痛みを感じる【ビーハイライト 代表取締役 濱田 大輝氏】

《納得を引き出す営業テクニック-Vol.11-》人は得する喜び以上に損する痛みを感じる【ビーハイライト 代表取締役 濱田 大輝氏】

「希望日程を失いたくない」感情を作る

「すごく良い会場だったんですけど、もう少し考えたくて…」ブライダルの現場では、こうした言葉をよく耳にします。条件も良い。雰囲気も気に入っている。見積りにも納得している。それでも今すぐ決める理由が見つからず、持ち帰りになってしまう。この背景にあるのが、今号の連載トピック、【損失回避バイアス】です。

損失回避バイアスとは、人は『得をする喜び』よりも、『損する痛み』を強く感じるという心理。分かりやすい例として、3 万円を貰える喜びよりも、3万円を失うショックの方が大きく感じるということです。これは、心理学や行動経済学でも広く知られている考え方。つまり人は、『得するより失いたくない』という心理に基づき、動いているわけです。婚礼営業においても、この感情設計は当てはまります。「ここで結婚式をしたい」というプラスの感情と、「この日程が無くなったら嫌だ」とのマイナスの感情。当社では接客後の振り返りで、そもそも会場を気に入ってもらえたか、そして日程への焦りを作れたのかの2 つを確認するようにしています。

成約率の高いスタッフほど、このプラス感情とマイナス感情の設計が上手いのが特徴です。ただし、ここで大切なのは煽ることではありません。無理に不安を与えたり、焦らせたりすると、新郎新婦は防御反応を起こします。言い換えれば、売れる営業ほど、“後悔しそうなポイント”の整理が上手いのです。人気日程の例でいくと…×「埋まってしまうので早い方がいいです!」○「お二人が希望されている秋シーズンは、毎年かなり動きが早い時期です。もし今日持ち帰られる場合、日程が埋まる可能性が高いと思っています」

このように、きちんと『事実』として伝えることが重要。すると新郎新婦の中で、「この日程が無くなったら嫌かも…」という感情が自然と生まれます。本来はもっと強い“焦らせ”が必要ですが、ここで重要なのは、営業側が押し切って“決めさせる”のではなく、新郎新婦自身で“失いたくないもの”に気付くことです。人は一度『自分たちのもの』と感じ始めると、それを失うことに強い抵抗を感じます。自分たちの結婚式としてイメージがわくと、会場は“失いたくない未来”へと変わっていきます。こうした提案が、「少し考えます」を「ここにします」に変えていくのです。

次回は「ピークエンドの法則」についてお届けします。どうぞお楽しみに。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月1日&11日合併号)