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《いい結婚式に繋がるプランニングのこだわり》新郎新婦が抱く結婚式への『温度感』【ブラス エグゼクティブプランナー アージェントパルム 副支配人 藤井菜実氏】
感動する〝舞台作品〞のように創る
みなさんこんにちは。前回は〝エピソードゼロ〞として、『ウエディングプランナーの仕事とは』という部分に触れました。連載2回目の今号からは、いよいよ本題。より具体的なプランニングのポイントに移りたいと思います。
私自身、『いい結婚式は「1本の感動する舞台作品」のように創る』という考えのもと、日々プランニングしています。そのために必要な4つの要素は、①主役(新郎新婦)の温度、テンション、②観客(ゲスト)を巻き込む仕掛け、③舞台上(会場レイアウト)の創りこみ、④ストーリー(進行)の流れにこだわることです。
大前提として結婚式を創る上で、絶対に欠かせないのが『流れ』だと思います。例えば、何の前触れもなく突然サプライズや感動の演出を取り入れても、ゲストの気持ちは動くでしょうか。ワンシーンだけを創るのではなく、その前後の『流れ』も含め、全体の構成を考えていくことが欠かせません。今号では、いい結婚式を創る上での要素①「主役(新郎新婦)の温度、テンション」の部分をメイントピックに、『流れ』についても具体例を交えて紹介します。
温度を上げるためのポイント
新郎新婦の温度感というのは、挙式当日の話ではありません。新規接客はもちろん、打合せの中で、どれだけ2人の結婚式に対するテンションやモチベーションを上げていけるか。どこまで引き出せるかがプランナーの腕の見せ所です。カップルの中には「結婚式を挙げたい!」という前向きな方、話が得意な方もいれば、親の勧めで結婚式を挙げることを最終的に決めた2人、シャイな性格など、まさに100組100通りです。
だからこそ、いい結婚式を創るためにはまず、2人のモチベーションがどれくらいなのかを掴むことが重要です。コロナ禍では、①結婚式へのモチベーションが高い、②やりたいことはあるけれど、コロナで少しテンションが下がり気味、③自分たちは興味がないけれど、親の勧めで結婚式を決めた、の3パターンが多いと思います。
今年の夏、私が担当した20代前半のカップルも、新規の段階から新郎新婦揃って結婚式に対してのモチベーションは低め。「親がやってくれと言うので仕方なく」という状況でした。そこで、この2人には「とりあえず私に付いてきて!」というスタンスで、打合せを進めました。後ろ向きな2人の気持ちに共感しつつ、愚痴や悩みを受け入れ、話しやすい存在になる。まずは、担当の私と喋るのが楽しいと思ってもらうことが大切なのです。新郎新婦と私は年齢差もあったので、今考えると、まるで〝先生〞のようになっていたかなと思います。2人にどんなスタンスで接していくかを見極めることも、ポイントの1つです。
モチベーションの高いカップルには、まず新郎新婦自身の話や希望を聞きますが、今回はあえて、先にゲストの事をたくさんヒアリングするようにしました。どんな人が来るか、その人との思い出については、楽しそうに話す2人。家族や友人との関係性が見えれば、新郎新婦のことも理解できるからです。また、温度感の低いカップルには、結婚式全体ではなくても「結婚式のあのシーンが楽しみ」というポイントをこちらが作ってあげることも大切です。
「やる意味が分からないから、ケーキカットはやりたくない」と言っていた先述のカップル。しかし、ケーキの持つ意味や、御祝いの場が盛り上がることを教えると、「お兄ちゃん夫婦が結婚式をしていないから、お兄ちゃん夫婦にやってもらう?」という言葉が2人から飛び出しました。家族やお兄さんとの関係性が深いことはヒアリングできていたので、いいシーンになることは間違いない。ここで私は、当日の雰囲気や前後の流れをイメージした提案を持ち掛けました。「いきなりお兄様をケーキカットに誘導すると、気を遣うかもしれないし、ゲストも戸惑う。それなら主役の新郎新婦がケーキカットをした後、その流れでカットしてもらうのはどうですか」。
さらに、新婦が妊娠中だったこともあり、ジェンダーリビールケーキを提案すると、「それは楽しそう!」と2人とも前向きに。結婚式当日、ケーキシーンでの性別発表は大盛り上がり。その流れを受け、サプライズで行ったお兄さん夫婦のケーキカットも、感動的な時間になりました。
カップルの温度感を高めることが、いい結婚式の提案に繋がる今回の事例。ぜひ、新規や打合せの段階から実践してみてください。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月21日号)

