LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

~Serviceの世界 連載11~マネジメントは予想を立てられるかどうか【アパホテル&リゾート東京ベイ幕張 責任者 飯田行伸氏】
【新卒から接客業へ】
「高校卒業後ホテルに就職し、宴会サービス部門へ配属。毎日新鮮な気持ちで業務を学びました。当時は宴会が多く、特にブライダルは月に16 件以上を開催。婚礼の冷たいアイスにアルコールで火を付けて、ゲストの前で切り分ける『ベイクドアラスカ』などの見せる技術は、繰り返してコツを掴むように日々トレーニングしました。テーブルセッティングは、1名分を1分以内に抑え、1卓8名分を5分程度でセッティングできるよう、練習を重ねました。」
「右も左も分からないまま業界に入った私。時には辞めたいと思うことも。弱音を吐きながらも上司や同期など周りとの関係性を築き始めてからは、仕事に意義を見出せるようになりました。『このチームのためにミスをしない』、『みんなが動きやすいように、先に何をしておくべきか』など、チームワークを意識したものです。」
【想いが伝わるパーティ】
「いい宴会を創るのがサービスの仕事ですから、打合せが重要になってきます。顧客とコミュニケーションを取りながら、何を祝う席なのか、規模はどれくらいか、誰がメインなのか、料理のランクはどうかなどを詰めていく。そこから、スタッフの動き、全体の流れを予想していきます。逆に、宴会当日のマネジメントや進行を上手くできない人は、ヒアリングの際に細かな情報を聞けていないことが多い。そのため本番で、どういうことが起こりうるのか予想ができないというわけです。予想を立てられれば、詳細かつ的確なアドバイスをスタッフ全体に伝えることができます。こういう事があるから気をつけよう、この人がアレルギーだから注意すること、この時間は比較的余裕があるタイミングだなど。当日のマネジメントも滞りなく行えます。」
「以前、宴会進行のアシスタントを務めたウエディングで、感動のあまり泣きそうになったことがありました。新郎の父親が事故で身体を動かすことも話すこともままならなかったのですが、どうしても感謝を伝えたいと車椅子で謝辞を行うことになっていました。あらかじめ用意していたのですが、マイクスタンドに届かず。すぐに父親のそばに向かい、マイクを口元に合わせにいくと、会場にいる誰もが一生懸命に話す彼の姿を見守っていました。今でもその様子を覚えており、想いを伝えるパーティのお手伝いができて心から良かったと感じました。」
【顧客との距離感】
「新人スタッフが接客する際は、『固くならなくていいよ』と伝えています。ホテルでのサービスを経験したことのない学生が多いため、ゲストからのクレームを恐れ、逆に緊張して何もできなくなっているようです。例えば、料理を出す時でも、『こちらは○○です。このお肉は…』と話し掛けると、シェフの想いも顧客に伝わり、料理を食べたいと思ってくれるようになるのです。スタッフには常に心地よさを提供する場所であることを伝えているため、そういった声がけを大事にしています。」
「頑張って接客をしていても、ミスを起こしてしまう時もあります。その場合でも、何をすれば心地良く帰ってもらえるのかを考えることが大切です。以前、私も大企業の宴会で失敗をし、リカバリーをしたことがありました。主賓のテーブルを担当していたのですが、その中の1名の乾杯用ドリンクを注ぎ忘れていたのです。すぐに謝罪をしたのですが、メインテーブルだったために大失敗をしてしまったと感じました。宴会中は、その人のドリンクは絶対に切らさない、食事は必ず最初に出すなど徹底したことで、最後には『色々やってくれてありがとう』と笑いながら、感謝の言葉を掛けてくれたのを今でも覚えています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月11日号)

