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第27回〔業務を効率化! 成功事例〕AI作成の文は響かない? 効率化と生産性の違いとは【パプレア 代表取締役 峰崎 揚右氏】

第27回〔業務を効率化! 成功事例〕AI作成の文は響かない? 効率化と生産性の違いとは【パプレア 代表取締役 峰崎 揚右氏】

AIの登場で、仕事の進め方は大きく変わりました。広告のバナーからフェアタイトル、インスタの投稿文まで、今や数分で何十案も出てきます。作業時間は確かに減った一方で、現場の話を聞くと、「作業は楽になったのに問合せは増えていない」という声が少なくありません。自動化を進めてから、かえって反応が落ちたという会場さえあります。
一昔前、ITツールの進化とともに「完全自動化こそ理想」と言われた時期がありました。集客から販売まで、人が関わらずに回る仕組みを作るという発想です。ところが実際に上がってきたのは、「仕組みは回るようになったものの、見込み客への影響力が落ち、売上が減った」という本末転倒な報告でした。今、AIで同じことが繰り返されようとしています。それは、「面倒な仕事は全部AIに任せよう」という掛け声です。
誤解のないよう申し上げますが、当社もAIを使い倒しています。問題はAIに任せていい仕事と、人が担うべき仕事を区別せず、どちらも『効率化』の一言でくくってしまうことです。日報の集計をAIに代行させる話と、新郎新婦の心を動かすコピーをAIに代行させる話は、同じ効率化でもレベルは全く違います。AIが書く文章は、妙に整いすぎています。会場の個性や現場の〝温度〞は洗い流され、誰が作っても似たような仕上がりになります。全国の式場が同じツールで同じように作れば、媒体やSNSに似たような写真と言葉が並ぶだけです。実際、AIが高く評価した案より、担当者が接客の現場で聞いた一言を残した案のほうが、反応が良いということは何度も起きています。私自身の感覚で言えば、AIが95点をつける整った文章よりも、荒削りでも自分の言葉を残した75点の文の方が、よほど反応は取れます。
問合せ率を決めているのは、作り方ではなく『誰に何を言うか』です。前回ご紹介した、市単位で広告を作り分けて獲得単価約5000円という事例も、作る速度はAIが支えましたが、どの市を狙い、どの層に何を刺すかを決めたのは人による分析でした。マーケットを見て競合が取りこぼしている層を探し、接客で出たカップルの生の声を拾う。ここは時間をかけてでも、人が考えるべき工程です。効率化と生産性は、同じではないのです。そして何より怖いのは、自分で考える力そのものを手放してしまうことです。短期的な効率化と引き換えに、長期的な競争力を失っては本末転倒です。分析と設計は人が担い、制作と検証はAIに任せる。この順番さえ守れば、AIはこれ以上ない武器になります。AIに何ができるかよりも、我々は何によって価値を生んでいるのか。そこを見失わない会場が、最後に選ばれるはずです。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月21日号)