LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

業界の夜明けとなるプロジェクトを語る連載コラム シリーズ 動かす仕組み 最終回:前撮りに新しい選択肢を生み出していく挑戦【ワイケープロデュース 営業部部長 猪股 進氏】
プロジェクションマッピングの活用
前撮りは、結婚式当日とは異なる、ふたりだけの時間を残せる大切な機会です。私たちは、この前撮り文化に新しい選択肢を加えることも、業界への貢献のひとつだと考えています。
その拠点となっているのが、京都創造ガレージです。ここは元々、ウエディングに限らず「伝統文化×クリエイション」を掲げ、展示会やイベント、映像制作など、次世代の表現者が集うアート発信の場として運営してきました。単なる撮影スタジオではなく、京都という街に新しい文化を生み出す発信地でありたい。その思いのもと、フォトグラファー・ビデオグラファーにとどまらず、様々なジャンルのクリエイターが集い、領域を超えたコラボレーションが生まれています。
このアート発信の場から生まれたサービスが、「KYOGARE wedding」です。私たちはここで、プロジェクションマッピングという映像演出技術を前撮りに取り入れる試みを続けています。プロジェクションマッピングを前撮りに応用する例はまだ稀ですが、屋内撮影のため天候や季節に左右されず、一日でいくつもの世界観を撮り分けられることも強みです。
「TODAYʼS AESTHETIC」と題し、竹林を思わせる緑の陰影、牡丹が咲き誇る華やかな一枚など、毎回異なるテーマを展開しています。和装・洋装を問わず、伝統的な衣裳にモダンな光の演出を重ねる。ひとつのテーマから幾通りもの背景と空間演出を生み、印象の異なる仕上がりを届けられることも、この前撮りならではの魅力です。
前撮りは、挙式を選ばない2 人にとっても、人生の節目をカタチに残す機会になり得ます。その入口に新しい表現があることは、婚礼という文化の裾野を広げることにつながるはず。こうした挑戦の場が増えれば、クリエイターの表現を磨く機会にもなります。
私たちが大切にしているのは、「アートの発信」、「新しい技術の実装」、「前撮りという実務」を別々のものとせず、一つの取り組みとして重ね合わせていくことです。累計30万組を超える結婚写真・映像を手がけてきた実績を土台に、京都という土地から新しい前撮りの表現を提案し続ける。これもまた、私たちなりの業界への貢献の形だと考えています。
全6 回を通じてお伝えしてきたのは、婚礼の写真・映像にはまだ描かれていない余白がある、ということでした。その余白を埋めていくのは一社ではなく、業界に関わる皆さん一人ひとりだと思います。ご一緒できる日を楽しみにしております。半年間、ありがとうございました。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、9月21日号)

