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キーマンに聞く

実施率向上への施策を強化【マリッジ&ファミリーDivision Vice President 衣笠 歩氏・ゼクシィブランドプロデューサー ブライダル総研所長 森 奈織子氏】
式場運営会社にとって集客の“要”である、リクルート(東京都中央区)の『ゼクシィ』。最大手媒体として、業界の課題
をどう捉えているのか。ウエディングイベントの実施率上昇を目指す中ゼクシィも様々な変化に挑んでおり、現在の施策
がどう未来に結びついていくのか注目される。衣笠歩氏、森奈織子氏のトップ2人に、ブライダル業界の課題、注力している取組みなどを聞いた。
実施を迷うケース増
――業界最大手のメディアとして、今感じている課題は。
衣笠「ブライダル総研の方でも様々な調査をしていますが、婚姻届出数の減少以上に、ウエディングイベントの実施率が低下していることは、やはり最大の課題と捉えています。」
森「実施率の減少において今注目しているのは、結婚式をやるともやらないとも決めていない、迷っている層。100%実施しない場合は情報収集すらしない可能性が高い一方、迷っている層に関しては、例えばゼクシィを買ってみる、サイトを見てみる、SNSをチェックしてみるなど、色々な情報に触れているはずです。そうした時に、私たち事業者側は、共感してもらえる“セレブレーション”のカタチを表現しきれていないのではと思っています。結果として非実施が加速してしまい、興味を結果に繋げられなかったとなれば、実に“もったいない”。多様化と言いつつ十分な選択肢を提供し切れていないのは、当社も含め業界全体で変えていかなければと感じています。」
――告知、打ち出しの仕方などもポイントになってきます。
森「カジュアルスタイルが当てはまるカップルもいれば、やっぱり王道というケースもある。迷っている人の中には『興味はあるけれど、強く営業をかけられるのでは』と不安になる人も一定いるのがデータから見て取れますから、新規向けの企画においても例えばショートフェアを打ち出すといった、多様なスタイルは提案できるかと。実際に、式場を一度で比較検討できる当社主催のイベント『ゼクシィフェスタ』は、参加ハードルを下げられるよう広告のクリエイティブも変えています。これまでの『式場を探すならフェスタへ』といったものから、『迷っているならまずはフェスタに』といった文言に。とにかく一歩目を踏み出してもらえるよう、注力しています。」
――昨今は式場運営会社と共同で、カジュアルスタイルの商品企画にも注力しています。
衣笠「大手企業から地域密着型の式場まで、今一緒に企画を進めている流れです。従来のスタイルより単価が低かったとしても、きちんと利益を確保していけるかは重要。どこを削るべきか、原価はどれくらいにするのかなど、担当の営業スタッフをつけて提案しています。事業者と連携を図りながら成功事例を“レシピ”とし、ゼクシィを通じてこうしたスタイルを全国に広げたいと考えています。とはいえまだ始まったばかりですから、これもきちんと結果を見ていきたい。例えば特定のエリアにおいて、実際に結婚式の実施率が上がったかどうかを今後データにしていくなど。もともとの実施層がカジュアルスタイルへ横に流れただけでは組数に変化はありませんし、単価ダウンにもなってしまいますから。きちんとアドオンできているのかは、今後しっかり見ていきます。」
ゼクシィを無料でお届け
――カップルの変化に合わせた施策の1 つとして、『お届けゼクシィ』をスタートしました。衣笠「東北と中国エリアでゼクシィの販売を一旦ストップし、希望者に無料で配布する試みです。昨年9 月発売号にて開始し、完全にお届けスタイルに移行したのは3 月発売号から。これは本誌を未来に残していくための施策で、コンビニなどに置くのも一定コストがかかりますから、そうしたバランスを今一度見直し、コンテンツの充実化、リーチCMなどに予算を投下すべきとの考えです。お届けゼクシィのサービス開始時にはピンク色の目を惹く専用トラックを走らせるなどして、認知向上にも努めました。現在は該当エリアで広告を流すなど、訴求を更に強めています。開始にあたり式場の皆さんからは色々な声はあったものの、今のカスタマーニーズにあわせて本紙を届けていくことを重視し、考えた結果です。現時点でエリアの拡大などは決まっておらず、該当の東北と中国地方において、販売スタイルに戻す可能性もゼロではありません。結局のところゼクシィ経由の来館と成約アップが式場にとって最大のポイントになりますから、そこは今後の結果を注視し、施策を練っていきたいと思っています。」
森「少し前までは結婚が決まりゼクシィを買うことに喜びを感じていた人も多かった一方で、例えばまだ正式に入籍が決まっていないなど、関係性によっては購入を躊躇するケースもあるだろうと。『大切なパートナーと歩んでいくことを最初にお祝いしたい』というゼクシィの想いは変わりませんから、プレゼントのようなイメージで、提供スタイルのバリエーションも複数あっていいのではと思っています。また、ゼクシィ=新婦の表紙といったイメージも強いですが、お届け版に関してはカップルのツーショットにするなどの変化もあります。」
――今後の展開は。
衣笠「アンケートマネジメントシステム(AMS)の強化に着手していきます。これまで独自のアンケートなどを使っていた式場もありますが、カップルはQRからアンケートに飛んで、その結果をより簡単に振り返れるようにするなど、データ活用に繋がるアップデートに注力しています。実施率の低下は危惧しているものの、言い換えれば上げる余地はある。そこはあえて“シンプル”に考えて、様々な施策を打っていきます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月1日&11日合併号)

