LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

顧客満足度の向上をベースに【八芳園 取締役 総支配人 関本 敬祐氏】
昨年10月にリニューアルオープンし、半年以上が経過した八芳園(東京都港区)。婚礼だけでなく宴会・MICEも含め好調に推移している要因として、『顧客の満足に繋がるのか』という根底部分を中心に据え、様々な見直しを図っている点が挙げられる。取締役総支配人・関本敬祐氏の描く、在るべき事業者の姿とはどんなものか。パートナー企業との関係性構築、提携先開拓への姿勢を中心に、ロボット活用の可能性など話を聞いた。
関連企業向けのイベント
――パートナー企業との関わりにおいて、様々な取組みに着手。その一環として今年1月、提携の有無にかかわらず、関連事業者を集めて今後のビジョンを説明する、『HAPPO–ENLIFE EVENT VISION 2026』を開催しました。
関本「どんな想いでどこに向かうのか、事業者の皆さんにビジョンを伝える機会を設けたいと、説明会を企画。提携先のみを招くのが一般的ですが、平等性を重視し、提携の有無に関わらず参加できるオープンスタイルとしました。当日はオンラインも含め、50社100名が参加しました。」
――例えば衣裳も、提携企業に加え、自社の衣裳ブランドもスタートするなど、様々な試みに挑戦しています。
関本「衣裳の選択肢を増やしたのは、私自身の強い希望以上に、『カップルが欲しがっているから』という根底部分に尽きるわけです。会場を気に入ってもらい、衣裳も気に入ってもらえるかどうか。新婦が欲しいドレスは何かを考え、その希望を叶えるためにどうしていくべきかという、顧客満足度向上に基づいたシンプルなロジックです。また、新郎新婦の欲しがっているものを用意できれば、プランナーも絶対の自信をもって接客に臨めます。」
――東京・白金台に加え、福岡、京都でも式場運営に着手。この2エリアも、広くパートナーを募っているそうですね。式場運営会社の中には、「長く取引している企業があるから」という理由で、提携先の新規開拓に後ろ向きな実情もあるように感じます。
関本「1月のイベントにおいて、特に重視したのは京都と福岡。九州、関西エリアの関連事業者の皆さんとは、これまで立地上関わりを持てていませんでしたから、今後のためにもしっかり関係性を構築していきたいと。そもそも関連企業の中には、『提携したい』と思っているにもかかわらず、福岡と京都のように初進出エリアとなれば、どこからドアをノックしていいか分からないケースもあったかと。そうした意味でも説明会をきちんと実施し、ドアは常に開かれていることを伝え、一緒に未来を創っていけるかを考えていく。実際に福岡、京都から提携がスタートし、その流れですでに白金台でも商品・サービスの導入に至った例もあります。新郎新婦の満足度向上が第一ですので、その意味で提携先の新規開拓はどんどんしていきたいですね。」
――ブライダル産業フェアにも、八芳園からは毎年大勢のプランナーが参加しています。関本「GMの私ではなく、日々現場に出るプランナーの方が、新郎新婦の欲しているもの、トレンドといった情報量は圧倒的に多いわけです。だとしたら、自分たちの目で見て、売りたいアイテム、取引したいパートナーを探すべき。そして私の所に提案してきてほしいと。実際に、新しい関連企業に会う際は、プランナーも同席させ、初回以降のやりとりはプランナーに任せるようにしています。そのうえで、プランナー自身が本当に提案したいと思えるか、新郎新婦は喜ぶか、そして顧客満足度に繋がるのか。それを基準に、取り扱いたい商品・サービスなのであれば、『契約を進めてほしい』と上司に伝える流れとしています。」
――配膳・運搬ロボットの活用もスタートしています。
関本「現時点では、親族控室のフロアで稼働させています。お茶ではなくコーヒーやジュースの希望に加えて、施設の規模的に使用部屋数も多いわけです。結果として、『控室にスタッフの姿が見えなかった』との不満の声が届くこともあった一方、スタッフとしては『希望のドリンクを取りに行っていたので…』となってしまう。これも結局、ドリンク提供の満足度を上げるには、下げ膳の部分はロボットにやってもらえばいいという考えです。宴会においても食前酒のタイミングではロボットが場内を走りはじめていて、バックヤードにいる時間がこれまで宴会の半分程度だったなら、下げ膳はロボットに任せて表にいる時間を70%にしていく。結局のところ、どうサービス品質を上げ、顧客満足度を追求していくのかに尽きるということです。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月1日&11日合併号)

