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人生の揺るぎない土台作り パートナー、アルバイトも同じ意識で【Daiyu 取締役/CMO 水間恵子氏】

人生の揺るぎない土台作り パートナー、アルバイトも同じ意識で【Daiyu 取締役/CMO 水間恵子氏】

鎌倉で50名400万円という高単価を維持しながら、列席ゲスト・紹介によるリピーターが全体の20%以上で施行数も年200組前後を誇る萬屋本店。同会場を運営するDaiyu(神奈川県鎌倉市)の取締役で、萬屋本店のGMを11月まで務めてきた水間恵子氏のインタビューの最終回。顧客本位の考え方をパートナーとも共有するメリット。さらに人材採用にもこだわり抜くことによって、強烈なファン化を後押ししている。(後編)

パートナー向け研修実施( 5 /11号から続く)

――採用にも、独自の観点を大切にしています。

水間「私自身、応募者の選考、面接に携わっていて思うのは、オシャレなパーティーを作りたいということであれば、他社でもできるわけです。当社は新郎新婦の人生に深く介在して、背中を押せるような関わりを求めています。これからの人生で何か苦難があった時に、結婚式の一日を過ごしたから頑張れるといった、揺るぎない土台を作る。その覚悟が持てるかを、面接で必ず説明しています。その意味では、自らも苦難を乗り越えた経験を持つスタッフは多いかもしれません。だからこそ相手の些細なことに気付き、乗り越え方も知っている。言ってみれば、人の心に寄り添い、背中を押すことが出来るかどうかです。」

――パートナー企業にもそうした意識を持ってもらうようにしているそうですね。

水間「例えば披露宴のゲスト紹介について、説明の苦手な新郎新婦はもちろんいて、その場合は司会者が伴走します。だからこそ事前の打合せも本当に細かく対応するようにしていて、1 人1 人の紹介を新郎新婦から事前に提出してもらい、司会者にはそれを代弁できるほどのレベルで共有してもらいます。紹介は苦手だから出来ないという2 人であれば、司会者が代わりに『2 人からこのように聞いてます』と説明し、ゲストにインタビュー。それを聞いた2 人に『一言伝えたいことはありますか』と振るなど、場を作っていく役割を担っています。」

水間「それを大切にしてもらうためには、パートナー企業にも私たちの目指すことを理解してもらわなければなりません。実は前段階で、パートナー企業向けの研修をこれまで何度も実施しています。パートナー各社の同じレイヤーに集まってもらい、1 年かけて研修を行う。人としての大切にしたい生き方といった部分をテーマにしながら、その中に当社の結婚式に対する考え方をエッセンスとして入れています。最初は経営者クラスから始めて、その後マネージャークラス、現場のリーダークラス、現場メンバーといった形で、これまで複数回実施しました。今の主要パートナーには、全員が研修に参加した企業もあり、当社の目指したい方向性、大切にしたい人としての軸といったことも共有されています。結果として、ボタンの掛け違いも少なくなっています。それこそ10年一緒に仕事をしている司会者は、新人プランナーがゲスト紹介の内容をまとめるのに助言してくれています。パートナーが強いのも、いい結婚式を創る一つの理由になっていると思っています。」

――ゴール設定が、その後の土台を作るという点で、非常に深いと感じます。

水間「結婚式はイベントではなく、大切な節目として扱うことを重視しています。いわば、人生での通過儀礼。その結果として、こういうものが必要という考え方の中から単価も上がっていくわけです。さらにそれだけプランナー、会場と新郎新婦との繋がりも深まっていけば、その後も帰ってきてくれます。体験をした人たちが、この会場はいいよと薦めてくれるようにもなります。」

――さらにそのゴールを、プランナー、パートナー、そしてサービススタッフなど、全員で共通して取り組んでいるのも強みになっています。

水間「パート、アルバイトスタッフであっても、働く目的、何故ここで働きたいのかを明確に持っています。応募者の中には、以前から当社のブログなどを見ていていつか働きたかったという人も実際に多いですから。私は萬屋本店、さらに新規オープンした三河屋本店のスタッフ全員を面接しています。例えばアルバイトスタッフも、代表や上司から常々言われているのは、『人がいない、欲しいから採用はしないように』と。大切なのは、この人と働きたいと思った人だけを採用すること。本当は喉から手が出るほど人の欲しいときはありますが(笑)、ただそう考えて面接をすれば大切なことに目をつぶってしまいます。新郎新婦やゲストが胸を張って『この人に接客してもらって良かった』と言ってもらえるような人しか採用しない。新郎新婦の式を担う責任感もありますし、だからこそ顧客に恥じない採用は絶対に必要です。」

――そうしたこだわりによって新郎新婦やゲストが萬屋本店のファンになり、紹介・推奨の集客に繋がっていきます。

水間「集客だけでなく、人と人との縁を大切にしていれば、回り回って次なる出会いが生まれます。例えば働いているスタッフの中には、萬屋本店で結婚式を挙げた新婦のお母さんがいます。新婦が仕事を探しているお母さんに、萬屋本店が向いていると推薦してくれて面接に来てくれました。お母さんも私たちの結婚式を知っていますし、今では本当に会社の力になってくれています。他にも、10年前からインスタを見ていた人が、結婚式をするからといって来館してくれています。」

水間「通常、結婚式場は一過性の通過点であるため、インスタに関しても結婚式が終わったらフォローを外してしまいます。ただ、萬屋本店は終了後もフォローを継続してくれていて、そのためどんどん増えています。その後もずっと当社のことを見てくれているのは、一つのブランド価値と考えています。1 回ファンになったらずっとファンでいてくれて、推し活のような想いで新郎新婦が自分のインスタでシェアしてくれるほか、Xにも評価する投稿をしてくれる。ファンを作るのは非常に大変ですけれど、1 回作ると強いと感じています。当社としては、それが目指してきたことでありますし、そのために様々な仕掛けを設けているわけです。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月21日号)