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キーマンに聞く

~Serviceの世界 連載9~海外で学んだチームプレイのおもてなし【スギハラサービスサポートサービス 名古屋事業所 公立学校共済組合名古屋宿泊所 ホテル ルブラ王山 所長山本幸弘氏】
三重県・伊勢神宮の近くで生まれ育ち、幼い頃から観光客や外国人を目にする機会が多く、『インターナショナル』という観点を持っていた山本氏。中高時代に英語を独学で学び、弱冠19歳にしてスイスの湖畔リゾートホテルに勤務した。ドイツ語圏のホテルで、北欧諸国から、出稼ぎに来る人も多かった。様々な言語が飛び交う中、ベルボーイやウェイター業務を一通り経験した。22歳で日本に帰国後、富士屋ホテルに入社。そこで30年余り宴会業務に従事し、9年前に同社に転職。今は責任者として、約90人のスタッフをまとめている。
【スイスのホテルで勤務】
「伊勢神宮の近くで生まれ育ち、幼い頃から外国人観光客を目にすることが当たり前でした。彼らを見て、ぼんやりと『海外』に憧れを抱いていました。中学・高校で英語を猛勉強。19歳でスイスのホテルに就職したのが始まりです。そこはドイツ語圏で、北欧諸国から多くの若者が出稼ぎに来ており、ホテルの現場では様々な言語が飛び交っていました。」
「日本人は私一人だけで、『オリエンタルボーイ』と呼ばれていました。日本とのギャップをもっとも感じたのが、個人主義です。日本では、担当している宴席でミスが出たら、全員でいいおもてなしをしてカバーする。海外でのミスは『その人』の責任になります。ある時イタリア人のメンバーが失敗した時に、私が一緒になって助けました。皆から君は悪くないのに、なぜ助けるんだと聞かれたことがありました。私はあくまでもみんなで助け合うという、日本のおもてなしを貫きましたが(笑)。」
【海外で学んだチームプレー】
「イタリア人スタッフのミスをカバーした時、外国人の顧客から『アリガトウ』といってもらえました。日本に帰国後も、この体験はチームプレーを考えるいい経験だったと実感しています。」
「新人スタッフの育成に関しても一致団結を大事にしています。例えば、よくあるのが、グラスを倒してしまう、カトラリーを落としてしまう粗相です。新人スタッフがミスしたら、自分の行動を見せて学ばせています。その場では絶対怒らない。『失礼しました』と、その場にいたら一緒に言うことにしています。それがチームでカバーするということ。個人プレーの現場では、新人スタッフは辞めていきます。一人がミスしても全員がカバーし、『ありがとう』といってもらえる現場を創り、一人一人にやりがいを見出してもらえるようにしています。」
【職場はコミュニケーションから】
「私のマネジメントはトップダウンではなくボトムアップ。スタッフとコミュニケーションを図りながら働きやすい職場を創っていきます。スタッフに会えば挨拶をする、小さなことでも話をするように心掛けています。例えば、メールで仕事の依頼を送ったとする。もちろん返信が来るわけですが、対面した時でも、その報告をしてほしいと言っています。サービスは人と接する職業。言わなくてもわかるだろう、返しておいたからいいだろうでは足りないのです。」
【外国人スタッフとの信頼関係】
「現在在籍している50名の中には、ウズベキスタン、モンゴル、ルーマニアなど5カ国のスタッフが働いています。言語が異なる地域で働くことがどれだけ不安なことか自ら体験してきたのでよくわかります。私はできる限り彼らの国の言葉で、挨拶をするように心がけています。『自国の言葉を勉強してまで話しかけてくれる、この人だったら一緒に働いても安心出来る』と、彼らとのリレーションシップを築き上げています。」
【賓客のもてなし】
「この業界に勤めて約40年。語学力もあったことから多くの賓客をもてなしてきました。中でも印象深いのが、当時の天皇皇后両陛下が箱根に来訪したとき。私は食事のサービスを担当しました。サービス中は絶対に話さないというのが、暗黙のルールでしたが、ついつい、いつものように『温かいうちにお召し上がりください』と声をかけてしまいました。その場が静まりましたが、皇后さまは何も無かったかのように『ご苦労さま、ありがとう』と優しく言葉をかけてくれたのです。その一言に皇后さまの人となりを感じ、助けられました。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月11日号)

