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![:連載95:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A ついに施行されたフリーランス保護法Q&A~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~](https://bridalnews.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/d2693e224da150b7f3eef427849463e9-220x330.jpg)
:連載95:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A ついに施行されたフリーランス保護法Q&A~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~
去る11月1 日、ついに「フリーランス保護法」が全面施行されました。今回は筆者に寄せられる「よくある細かな質問」をQ&A形式でまとめますので、ぜひご一読ください。
Q1.「フリーランス保護法」が対象となるのは、11月1 日以降「施行」する案件ですか?それとも「発注」する案件ですか?
A1.11月1 日以降に新たに「発注」する案件から適用されます。
Q2.対応が遅くなってしまい、すでに11月1 日以降に条件を明示せず口頭だけで「発注」してしまった案件があります。この契約は無効となるのでしょうか?
A2.仮に「フリーランス保護法」に違反する形で「発注」してしまったとしても、その契約自体が無効となるわけではありません。
この点、なかなか一発で理解するのが難しいところなのですが、「フリーランス保護法」は『公法(国と国民の関係を対象とした法律)』のジャンルに含まれる法律で、国が事業者に対してルールを課す性格のものです。したがって違法な行為をしてしまうと、国から「こらっ!」と怒られ、勧告処分を受けたり、それを公表されたりするリスクが生じます。
しかし、いくら『公法』に違反する行為があったとしても、「口頭であっても申込に対して承諾がなされれば契約は成立する」という民法等の『私法(私人と私人の関係を対象とした法律)』上のルールには直接影響が及ばないため、「契約」の成立自体が否定されるわけではないのです。
したがって、契約自体は有効です。
Q3.対応が遅れてしまい、ようやく今は適法な体制を整えましたが、11月1 日以降に数件違法な形で「発注」をしてしまっています。罰則を課せられる恐れはありますか?
A3.最終的には主に公正取引委員会の判断となりますので断言はできませんが、下請法における運用実態を踏まえて推測するに、過去に適法でない形式での「発注」実態があっても、今は適法な体制を整えた事業者にまで、勧告などの処分が課される可能性は極めて低いと思います。
もちろん、長期間にわたって違法な状態を是正せず、フリーランス事業者に被害を与えていたような事例では、勧告処分などが出される危険性は充分にあると思います。11月1日に準備が間に合わなかった事業者は、1 日も早く適法な状態にするよう努力したほうが良いと思います。
Q4.実は当社と契約しているフリーランスの委託先との契約書に「解約料」や「解約通知時期」の規定がありません(注:フリーランス保護法では「適正な補償なしでの解約」や「30日以内の急な解約通知」が禁じられています)。「フリーランス保護法」に違反するのでしょうか?
A4.「フリーランス保護法」では、委託する側がフリーランスへの「発注」時に契約書等に明示しなければならない要件と、委託する側が守らねばならないルールとが区分して規定されていて、後者については必ずしも契約書等に規定しなければならないわけではありません。したがって規定がないからといって直ちに違法ということはありません。
しかし、貴社が「フリーランス保護法」を遵守する事業者であることを対外的にアピールする効果や、貴社スタッフが悪意なく違法な運用をしてしまわないようにする効果などが期待されるので、可能ならばそれらも追記した契約書を準備しておくことをお勧めします。
Q5.ぶっちゃけ、取引先のフリーランスも全然「フリーランス保護法」を理解していません。これまでの運用を続けても問題はないのでは?
A5.公正取引委員会は、今後全国のフリーランス事業者に対して新法の啓発活動を活発化させるとともに、違反事例がないかの大々的な調査を行う予定と報じられています。
いずれ認知されうることですからこのままの運用を続けるのはリスクがありますし、逆に「こんなにフリーランスを大事にする会社です」と前向きなPR(法律に従っているだけではあるのですが)として活用するという考えもありうるので、1 日も早い適法化を強くお勧めします。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月11日号)

