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![:連載94:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A vol.31「フリーランス保護法で規定された禁止事項とは」 ~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~](https://bridalnews.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/d2693e224da150b7f3eef427849463e9-220x330.jpg)
:連載94:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A vol.31「フリーランス保護法で規定された禁止事項とは」 ~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~
11月1日施行の新法での禁止事項に注意
11月1 日から全面施行される「フリーランス保護法」。今回は新法が規定する禁止事項についてQ&A形式でまとめましたので、施行日を前に是非ともご一読ください。
Q1.「フリーランス保護法」の施行ですが、フリーランスに業務を委託する側に向けた禁止事項にはどのようなものがありますか?
A1.新法では、フリーランスに業務を委託する事業者(委託者自身がフリーランスである場合を除きます)に対して、①受領拒否、②報酬の減額、③受領後の返品、④買いたたき、⑤商品やサービスの利用や購入の強制、⑥不当な経済上の利益の提供、⑦給付内容の変更ややり直しの7 つの禁止事項を設けています(新法第5 条)。
Q2.その中で、ブライダル事業者にとって特に気を付けなければならない事項はどれでしょうか?
A2.特に留意すべき事項としては3 つあると考えます。1 つ目は「商品やサービスの利用や購入の強制」の禁止。これはたとえば、会場からパートナーであるフリーランスに対して、おせち料理やディナーショーチケット等を強制的に購入させることが該当します。
誤解のないようにしていただきたいのですが、会場がフリーランスに対しておせち料理などを案内すること自体は違法ではなく、強制的に購入させる行為が違法となります。そして、どこからが強制になるのかの判断基準については、公正取引委員会は「事実上、購入または利用を余儀なくさせていると認められる場合も含まれる」として、『取引先を選定する権限がある者からの要請』や『断られた後に重ねての要請』だけでも強制性が認められるおそれがあると例示しています(令和6 年5 月31日付「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方」)。
Q3.一般的な「強制」という言葉のイメージより緩いとも言えるので、フリーランスに対して商品の販売やサービスの利用を要請したい会場側は注意が必要ですね。他はいかがでしょうか?
A3.2 つ目に、「不当な経済上の利益の提供」の禁止があげられます。これは例えば、不当に協賛金の支払いを求めたり、無償または著しい低額をもってサービスの提供を求めたりすることを禁じる規定です。公正取引委員会は、協賛金の支払いや無償サービスの提供がフリーランスにとって直接の利益とならない場合には、「利益を不当に害するものとして問題となる」と述べています(引用元は上記の通り)。
Q4.3つ目はいかがでしょう?
A4.「給付内容の変更ややり直し」です。新郎新婦の都合であっても、会場からフリーランスへ一旦発注した業務を後から中止または日程変更することがこれにあたり、キャンセル料の支払い等による適正な補償がないと違法となりえます。
Q5.ただ会場もキャンセルの事情によっては新郎新婦にキャンセル料を請求しない場合もあります。その場合でもフリーランスには補償が必要なのでしょうか?
A5.コロナ禍の際に示された公正取引委員会の基本的な考え方としては、新郎新婦と会場との契約と会場とパートナーの契約とは別物であって、原則として前者の事情は後者に影響しないとされてます。会場が新郎新婦に対していわゆる「神対応」をするのは自由ですが、だからといってそのしわ寄せをパートナーに与えてはならないということです。
Q6.ちなみに、パートナーがフリーランスでなければ、これら禁止事項を気にする必要はありませんか?
A6.「フリーランス保護法」が適用されなくても所定の要件を満たせば「下請法」でほぼ同じような規制が及びますので、とにかく会場としては、11月1 日を前に現在のパートナーとの取引に違法性がないかどうかをチェックすることが重要です。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月11日号)

