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![:連載93:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A vol.30『巨大台風が到来したら結婚式アどうなるか』 ~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~](https://bridalnews.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/d2693e224da150b7f3eef427849463e9-220x330.jpg)
:連載93:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A vol.30『巨大台風が到来したら結婚式アどうなるか』 ~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~
台風10号が日本列島を直撃し大きな被害が出ましたが、私たちブライダル業界にとっては婚礼施行の前後に巨大台風が到来した際の対応のあり方は頭が痛い課題です。
今回は巨大台風が到来した際の法的な考え方をQ&A形式でまとめますので、「いざ」という時に備えるための参考になれば幸いです。なお、地震など他の自然災害でも考え方は同様です。
Q1.巨大台風の接近により気象庁から「特別警報」が発表された中で結婚式を挙行することは、法的な問題はないのでしょうか?
A1.「特別警報」が発表されたからといって直ちに結婚式を挙行することが禁じられる訳ではありません。ただ、私たち事業者は新郎新婦との結婚式契約において、単に「契約通りの婚礼サービスや料理を提供する義務」の他に「新郎新婦や参列者の安全を配慮する義務」(安全配慮義務)を負っていますので、新郎新婦、参列者またスタッフの安全を配慮して、開催時間や演出内容の変更等の検討が必要な場面はありえます。
Q2.気象庁から「特別警報」が発表されたことを受けて、施設の判断で結婚式を中止することは問題ないのでしょうか?
A2.一旦契約をしている以上、事業者は「契約通りサービスを提供する義務」を負っているため、新郎新婦の同意なく中止することは契約違反となるリスクが生じます。
Q3.では実際に巨大台風により「施設の損壊」が発生してしまい、物理的に結婚式の開催が出来なくなった場合でも、施設の判断で結婚式を中止することは問題があるのでしょうか?
A3.自然災害等の不可抗力により物理的に結婚式の開催が出来なくなれば、結婚式契約は自然に終了するのが原則ですので、その場合に限っては中止の判断に正当性が生じます。なお中止した後の取扱いについては、予め「非常時の特則」等で特別な合意がない限り、民法第536条(危険負担)の規定により新郎新婦はサービスの対価の支払いを拒絶できるようになるので、施設側がすでに受領済みの金銭があれば返金しなければなりませんし、未払いがあっても請求はできません。
ただ一方で、施設の責任で開催が出来なくなった訳ではないため、新郎新婦側が費やした交通費や宿泊代、購入済みの引出物代等を賠償する義務は負いません。
Q4.施設としては施行に問題はないのですが、新郎新婦が巨大台風接近に伴う不安感を理由に、前日になって「延期したい」と要望してきました。この場合でも日程変更料を請求することは問題ないでしょうか?
A4.法律上は問題ありません。原因はなんであれ、結婚式サービスの提供が可能な中で、新郎新婦のご意向やご都合によって発生した「延期」であれば、原則として婚礼規約に沿って日程変更料を請求できます(なお「解約」の場合の解約料も同じ考えです)。
Q5.巨大台風の影響による新幹線の運休や飛行機の欠航によって参列できなくなった参列者が一部出てしまいました。新郎新婦から「人数分の料理代を減額してほしい」と依頼を受けましたが応じなければならないでしょうか?
A5.減額をしなければならない法的な義務はありません。私たち事業者は、契約された日時に、契約された人数の参列者をお出迎えし、契約されたサービスを提供することについては契約上の義務を負っていますが、「参列者が実際に参列するかどうか」まではコントロールできませんし、契約上の責任も負っていません。
したがってお気の毒ではありますが、会場側がその分を負担しなければならない契約上または法的な義務は認められないと考えます。
なお、当然ながら「サービスとして」代金の一部減額などの配慮をすること自体は何ら問題ありません。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、9月11日)

