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キーマンに聞く

:連載84:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A特別編 2023年ブライダル法務ニュースランキング~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

:連載84:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A特別編 2023年ブライダル法務ニュースランキング~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

早いもので今年も残すところ、あと半月ほどになりました。今年最後のコラムでは、私的に選んだ2023年の「ブライダル法務ニュースランキング」を発表して、激動の1 年を振り返ります。

第1 位 インボイス制度導入と「下請いじめ」対策

ブライダル業界においては、10月1 日から導入されたインボイス制度自体への対応はもちろんのこと、それ以上に「会場とパートナー」、「司会や美容などの事務所と登録フリーランス」という事業者間取引のあり方を、見直さざるを得ない契機となりました。

公正取引委員会は、インボイス制度を機に必要以上に「報酬の値下げ」を求める行為に対して「下請法違反の疑義あり」として注意喚起を繰り返すなど、いわゆる「下請いじめ」の予防に向けた活動を強化しています。特に会場や事務所などの「発注する側の事業者」には、「下請いじめ」を禁じる下請法や独禁法などの遵守はもちろん、本年4 月に成立し、2024年秋に施行予定のフリーランス保護法に向けた備えについても、引き続き大きな課題となっています。

第2 位 消費者契約法の厳格化

事業者に「キャンセル料水準についての説明義務」を課した改正消費者契約法が6 月1 日から施行され、ブライダル業界に大きな影響を及ぼしています。

改正消費者契約法の施行をきっかけに消費者団体の活動も活発化してきており、結婚式以外にも、前撮りやフォトウエディング、衣裳レンタルなどの消費者取引の場において、説得力をもった「キャンセル料水準」を検討し、設定する必要性が高まっています。

一方で、改正消費者契約法には要請に対して応じる必要のない例外も定められていますので、「断れる場合」についての、正しい知識も把握しておく必要があります。

第3 位 ステルスマーケティング広告への規制が始まる

10月1 日より景品表示法の運用が変更され「ステルスマーケティング広告(ステマ広告)」が規制されることとなりました。実際には企業からの発信であるのに、「PR」や「広告」などの記載をせずに、一般顧客の声などに見せかける広告を指すもので、ブライダル業界では一般的な卒花嫁&プレ花嫁の「口コミ」を活用した広告が、これに抵触しないかが注目を集めました。今後特にSNSや口コミを用いた広告を展開する際には、ステマ広告の境界線に留意して発信内容や方法を精査する必要が出てきます。

第4 位 音楽著作権関連「アップロード納品」への動き

コロナ禍で「オンライン結婚式」が一時的に注目されたのをきっかけに、映像商品の「オンラインを用いた納品方法」にも関心が高まっています。筆者も参画しているBmas(一般社団法人ブライダル音楽申請システム)では、ブライダル事業者が広く利用できる『アップロード納品システム』を開発中で、DVD納品とは別の選択肢の誕生へ向けた動きが進んでいます。

第5 位 コロナ理由の延期漂流事例への対応など

最近はすっかりコロナを巡る話題は少なくなりましたが、1 年前はまだ深刻なテーマとしてよく取り上げていました。

2023年の前半はコロナ禍をきっかけに施行を無期限に延期したままの顧客に向けた対応のあり方や、3 月13日から「マスク着用は任意に」と発表されて以降の対応を巡る話題が注目を集めていました。

今年もこのコラムをご愛読いただきありがとうございました。読者の皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月11日号)