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キーマンに聞く

:連載83:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A「2024年要チェック『フリーランス保護法』とは」~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

:連載83:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A「2024年要チェック『フリーランス保護法』とは」~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

このコラムでは、来秋施行の「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(通称:フリーランス保護法)」についてQ&A形式で解説します。

Q 「フリーランス保護法」が作られた背景を教えてください。

A 今やフリーランスとして働く人は、(横浜市の人口より多い)400万人を超えています。企業に勤める従業員と比べると法的な保護があまりなく、いわゆる“下請けいじめ”に苦しむ人も少なくないことから、そうした現状を改善することを目的に、新たにフリーランスを保護する法律が作られました。

Q 個人事業主であれば、皆等しく保護されるのですか?

A この法律で保護されるのは、①従業員を雇用していない個人事業主②役員は代表者1 名で、かつ従業員を雇用していない法人です。いわゆる「ひとり社長の会社」も保護の対象となります。

Q 具体的に何が変わりますか?

A まずフリーランスに業務委託をする発注者は、発注の際には事前に仕事の内容や報酬額を、「書面又は電磁的方法」により明示しなければならない義務が課せられます。つまり、契約書などを取り交わすことなく、口頭や簡単なLINEのやりとりだけで発注することが違法になる、ということです。

Q そうすると今後、フリーランスと取引をするためには、予め契約書等を取り交わす必要が出てくるということですね。

A その通りです。最近は電子署名など簡易に契約書を取り交わせる技術も一般化してきていますので、それらの活用も検討してみるのもいいと思います。

なおこの義務については、保護される立場のフリーランスが別のフリーランスに仕事を発注する場合にも課せられるので、フリーランスの人たちも注意が必要です。

Q その他はどのような変化が?

A フリーランスに業務委託をした際の報酬の支払い期限は、「最大で60日まで」と規定されました。つまり、『当月分を翌々月10日払い』のような規定は最大で60日を超えてしまうのでNGに。支払い期限を定める上では、『当月分を翌月末払い』という規定が限界となります。

なお、司会事務所やヘアメイク事務所のように、会場からの委託を受けて登録フリーランスに再委託するようなケースに限り、フリーランスへの支払い期限は「事務所が報酬支払いを受ける期日から30日まで」と置き換えられます。その他、フリーランスに業務委託をする事業者に対しては、「報酬減額の禁止」、「購入や利用強制の禁止」、「不当な経済上の利益提供の禁止」など所定の禁止事項に対する遵守義務や、フリーランスが出産、育児または介護などをしやすく、またハラスメントが起きない環境作りへの配慮義務が課せられます。

Q かなりの変化が生じますね。来秋施行とのことなので、まだ準備は急がなくてもいいですよね?

A いや、実はそうでもないのです。今回フリーランス保護法にて設けられた義務の多くは、すでに下請法で規定されている義務と重なります。ブライダル業界における事業者間取引の多くに下請法は適用されますので、フリーランス保護法の施行前の現段階においても、「もうすでに下請法に違反しているケース」が実は散見されます。

特にホテル・式場・プロデュース会社や司会事務所・ヘアメイク事務所は、早い段階で「自分たちがパートナーや登録フリーランスに発注する取引は下請法に抵触していないか」を確認した上で、もし抵触する運用があれば早期に是正した後に、来秋のフリーランス保護法の施行に備えることをお勧めします。

今は秋の繁忙期で多忙かと思いますので、それが落ち着いた頃から、是非下請法やフリーランス保護法への備えを進めてください。

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月11日号)