LISTEN to KEYMAN

キーマンに聞く

:連載79:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A 「最近あったお問合せを厳選」~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

:連載79:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A 「最近あったお問合せを厳選」~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

BRIGHTには、全国のブライダル事業者の皆さんから日々問合せが寄せられておりますが、今回はその中から「お客様からいただいた困った質問」について、3 つ厳選してQ&A形式でお届けします。

Q1.ドレスショップです。来店し試着して契約したお客様が、後日「解約したい。『クーリングオフ』ができるはずだ」と主張していますが、正直なところ『クーリングオフ』自体がよく分かっていません。ドレスショップでも義務付けられているのでしょうか?

A1.まず『クーリングオフ』とは、消費者が事業者との間で一旦契約をした後であっても、一定の期間内であれば無条件で(解約料を支払わずに)キャンセルできるとする制度で、「訪問販売」や「電話勧誘販売」など一部の取引形態については特定商取引法で規定されています。その他、宅地建物取引や保険契約においても各々の規制法において規定されています。これら規定された取引については、自動的に『クーリングオフ』が適用されます。

次に、ドレスショップにおけるレンタルドレスビジネスにも、『クーリングオフ』が適用されるのかどうかに回答します。特定商取引法では、上記「訪問販売」や「電話勧誘販売」のような「トラブルになりやすい契約形態」を特定して『クーリングオフ』の適用を定めていますが、ドレスショップでのレンタル事業は「顧客が自ら来店して商品を選んで契約する形態」であり、「訪問販売」や「電話勧誘販売」などとは異なります。特定商取引法の対象外ですから、『クーリングオフ』の主張に応じなければならない義務はありません。

なお「迷っているカップルの背中を押してあげたい」などの理由で、敢えて『クーリングオフ』制度を設けているドレスショップも散見されますが、あくまでビジネス上の判断でされていることで、法的な義務ではありません。

Q2.結婚式場です。披露宴を控えたお客様から「もし電車遅延などで一部の参列者が参加できなくなった場合は、料理代を減額してもらえるのか」と聞かれました。「応じかねます」と回答したら、「それはおかしい」と怒られてしまいました。法律上はどうなのでしょうか?

A2.少なくとも法律上は減額しなければならない義務はないでしょう。私たち結婚式場は「約束した日に約束した内容の食事やサービスを準備する」という契約上の義務は負いますが、実際に参列者が定刻までに来場するかどうかまではコントロールできませんし、そこまで手配する義務はありません。

もし本当に電車遅延などによってゲストが参列できなくなれば大変気の毒ではありますが、結婚式場側の責任では全くありませんので、すでに準備されていた分の料理代は、法律上請求することが可能です。

もし納得されないようならば、たとえ話として「コンサートに行こうとしたのに電車の事故で到着できなかった場合、席は空いてしまいますが払い戻しなんてないですよね?」などと、他の場面で説明すると理解が進むかもしれません。

Q3.ホテルです。サービス内容に満足されなかった参列者が、SNS上でネガティブな投稿をしています。なんとかして止められないでしょうか。

A3.単に「料理が美味しくなかった」、「サービスが悪かった」程度の投稿であれば、投稿者の意思に反して掲載を止めるのは相当困難です。法律上認められる「表現の自由」の範疇であり、私たち事業者は一定程度の批判は受任しなければなりません。

一方で、投稿が明らかに事実に反した内容でホテルの信用を失墜させようとする悪意あるものであったり、ホテルのスタッフのプライバシーを暴露したり、名誉を毀損するような内容であれば話は別です。

このような場合であれば「違法行為」、または「犯罪行為」として法的な措置を検討できる余地が生じてきますので、法律の専門家に是非ご相談ください。

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月11日号)