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キーマンに聞く

:連載78:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A 「10月から禁止される『ステマ広告』の整理」~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

:連載78:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]ブライダル法務Q&A 「10月から禁止される『ステマ広告』の整理」~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

去る5 月30日、31日の両日に開催された『ブライダル産業フェア2023』にてBRIGHTもブースを設置いたしましたが、例年以上に多くの方にお越しいただき有意義な機会となりました。今回のコラムではフェア期間中に質問を多くいただいた、本年10月に迫った景品表示法の運用基準改定による『ステマ広告』の規制について最新情報をQ&A形式でお伝えします。

 

Q.改めてですが『ステマ広告』とはどんな広告でしょうか?

A.『ステマ広告』とは、広告であることを隠し口コミや感想を装う宣伝活動を指します。たとえば、インフルエンサーやYouTuberが自らの意思による配信であるかのように装って「このお店の料理が美味しい」、「この商品は最高」などと発信した情報が、実は裏で事業者から依頼された通り発信したものだった、というような場合が該当します。

Q.『ステマ広告』はなぜ禁止されることになるのでしょうか?

A.企業から発信された広告であれば、受け手である一般消費者側も「あくまで企業のCMだな」という前提で冷静に判断できるのに対して、『ステマ広告』の場合には、本当に利用者やインフルエンサーなどが「個人的にお勧めしているのだ」と誤解し、消費行動に影響してしまう可能性があります。これを放置すると一般消費者による冷静な判断を阻害しかねないということで、本年10月から『景品表示法』の運用基準が変わり、禁止されることになりました。

Q.ブライダル業界ではどんな広告にリスクがありますか?

A.ブライダル業界においては卒花・プレ花と呼ばれるサービス利用者の声を用いたPR活動が、『ステマ広告』に該当しないよう気を付ける必要があると考えます。

Q.『ステマ広告』に該当するか否かの基準はどこになりますか?

A.消費者庁から3 月末に示された運用基準を簡単に要約すると、①本当は事業者による広告なのに② 一般消費者からそのように判断しづらいものの①と②をともに満たした表示が『ステマ広告』です。まず①について、「本当は事業者による広告なのに」といえるか否かは、表示の内容に事業者が関与しているか否かにより判断されます。たとえば事業者が発信する個人に対して直接「うちの式場の良さを紹介する投稿をしてください」など依頼する、または金銭や無料サービスなどを渡すことで実質的に「よい印象を与える内容を発信してね」と依頼したも同然な実態があれば、表示の内容に事業者が関与していると判断される可能性が高まります。

Q.では単に「口コミを投稿してくれたらプレゼント贈呈」などのキャンペーンを行うだけでは、該当しないということですか?

A.基本的にはその理解でよいです。そのキャンペーンに参加したい個人が自らの自主的な意思に基づき投稿をして、それに対し事業者からその内容に関わらずプレゼントが贈呈される、という仕組みであれば、表示の内容に事業者は関与していないと言えるからです。

Q.では②の「一般消費者からそのように判断しづらいもの」にならないためにはどうすればよいのでしょうか?

A.一般消費者から見て「これは企業による発信だな」と判断できれば問題ないので、「これは広告です」、「企業PRです」など見やすい表記とともに表示されていれば、②の要件を満たさないため『ステマ広告』ではありません。

Q.それだと卒花・プレ花を用いた広告の効果が見込めませんね。

A.そこはやむを得ないですね。強調しておきたいのは、卒花・プレ花の皆さんが自主的な意思で発信していれば(事業者が内容に関与していなければ)、『ステマ広告』ではないということです。現在の広告活動が問題ないかどうか、10月に迫る新基準の運用開始までに検討しておくことをお勧めします。

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月11日号)