LISTEN to KEYMAN

キーマンに聞く

:連載57:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]第57回『ブライダル法務六法全書 ~仕事に使える法律を厳選解説~ ⑦民法Ⅴ』~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

:連載57:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]第57回『ブライダル法務六法全書 ~仕事に使える法律を厳選解説~ ⑦民法Ⅴ』~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

今回は、「不法行為責任」について解説します。「参列者」や「歩行者」などに損害を与えてしまった場合に問題となりますのでご注目ください。

1.今回取り上げるテーマ
何らかの行為により(または適切な行為をしなかったことにより)他人に損害を与えてしまった場合には、原則として損害を与えた者は損害を賠償する責任を負います。この責任には「債務不履行責任」と「不法行為責任」とがあり、前者は「新郎新婦と会場」のように契約関係の存在を前提にいずれかが契約違反をした場合の賠償責任を、後者は「参列者と会場」のように直接契約関係のない者同士における賠償責任を指します。「債務不履行責任」については第54回で解説済みなので、今回は「不法行為責任」について解説します。
2.契約関係のない者に損害を与えてしまった場合の責任
商法709条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と規定しています。これが「不法行為責任」と呼ばれるもので、ブライダルの現場では、スタッフが「ワインぶっかけ」等のアクシデントで参列者の衣類を汚してしまったり、衣裳の搬送中に交通事故を起こして歩行者に怪我をさせてしまったりした場合などに問題となります。
この場合、衣類を汚された参列者は当事者であるスタッフに対して、そして怪我を負わされた歩行者は運転していたスタッフに対して、不法行為責任を理由に、それぞれ生じた損害についての賠償を請求することができます(賠償できる範囲については、第54回で解説した「債務不履行責任」の場合と基本的には同じ)。
一方で、これら被害者は、スタッフを雇っている雇用主(または業務を委託している事業主)に対しても、同じように損害の賠償を請求することができます(民法715条)。これに応じなければいけない雇用主側の責任を「使用者責任」といいます。
スタッフを雇ってビジネスをしている雇用主は、スタッフを働かすことによって利益を得ているのだから、そのスタッフが生じさせた損害の賠償責任も負いなさい、という考え方に基づく制度です。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、9月11日号)