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![:連載103:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW] 『ブライダル業界にも直結する要注目の最新勧告事例をご紹介』 【株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏】](https://bridalnews.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/d2693e224da150b7f3eef427849463e9-220x330.jpg)
:連載103:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW] 『ブライダル業界にも直結する要注目の最新勧告事例をご紹介』 【株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏】
「フリーランス保護法」立て続けに勧告処分
いつもご愛読ありがとうございます。先日開催された『ブライダル産業フェア2025』では多くの方々にBRIGHTブースとセミナーにお越しいただき心から感謝しております。今回は、昨年11月に施行されたばかりの「フリーランス保護法」を巡る、最新かつ要注目な動きをご紹介いたします。ブライダル業界も、明日は我が身かもしれません。
先月中旬、以下のようなニュースが届きました。
速報① 出版大手「小学館」と「光文社」に勧告処分6月17日に公正取引委員会は、出版大手の小学館と光文社を相手に「フリーランス保護法」違反を理由に勧告を行ったことを発表しました。
発表によれば両社は、フリーのライターやカメラマンに対して業務を発注するに際して
① 報酬額等の契約条件を書面等で明示しなかった
② 報酬を役務提供日から60日以内に支払わなかった
このことから、これらの行為が「フリーランス保護法」の禁止行為に抵触すると判断されました。
昨年11月に「フリーランス保護法」が施行された直後から公正取引委員会は違反事例の調査に乗り出しており、本年3月にはゲームソフトウェア業、アニメーション制作業、リラクゼーション業及びフィットネスクラブ業の4 業界45事業者を対象に、同法違反の疑いがあるとして「指導」していましたが、さらに踏み込んで出版大手2社に対して「勧告」処分を行ったものです。
そしてその直後に、下記の第2弾のニュースが飛び込んできました。
速報② 大手総合楽器店「島村楽器」に勧告処分
6月25日に公正取引委員会は、大手総合楽器店「島村楽器」を相手に「フリーランス保護法」違反を理由に勧告を行ったことを発表しました。
発表によれば同社は、取引のあるフリーのミュージシャンに対して「無償で」音楽教室の無料体験レッスンの講師をさせ、これが「不当な経済上の利益の提供要請の禁止」に抵触すると判断された他、
① 報酬額等の契約条件を書面等で明示しなかった
② 報酬を役務提供日から60日以内に支払わなかった
という違法行為が指摘されました。
「不当な経済上の利益の提供要請の禁止」とは、発注主がフリーランスに対して本来義務がないにも関わらずサービス等の提供を強いるもので、下請法でも禁じられている行為です。上記の勧告事例をブライダル業界に置き換えると、類似しかねない事例として「会場主催のブライダルフェア等においてパートナー事業者に対して無償での商品・サービス提供を求める行為」が挙げられます。整理しておくと、ブライダルフェア等への協力要請が直ちに違法となるわけではなく、違法となるのはあくまで提供の要請に「不当性」が見出される場合に限られます。
その上で、「不当性」の有無について公正取引委員会は『親事業者の決算対策等を理由とした協賛金の要請等下請事業者の直接の利益とならない場合や、下請事業者が「経済上の利益」を提供することと、下請事業者の利益との関係を親事業者が明確にしないで提供させる場合(中略)には、「下請事業者の利益を不当に害する」ものとして問題となります』との判断基準を示しています。この判断基準に照らせば、ブライダルフェア等への協力が「パートナー事業者にとってどんな利益に繋がるのか」が不明確なまま、会場側が「毎年恒例だから」、「パートナーから不満の声はないから」と商品・サービスの提供を要請し続けることは、フリーランス保護法に抵触するリスクがあると言わざるを得ません。これらのニュースを「他山の石」として、ブライダル業界の内部取引が健全化されることを願いつつ、ご紹介いたしました。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月11日号)

